WordPress Tips | セキュリティ:管理者権限を乱用しない

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「管理者権限を乱用しない」とはどういうことか

WordPress でいう「管理者権限(Administrator)」は、
サイトのほぼすべてを操作できる、いわば「神モード」です。

テーマやプラグインのインストール・削除、
ユーザーの追加・削除、
設定変更、
コンテンツの全削除、
データのエクスポートなど、
サイトの運命を左右する操作が全部できます。

「管理者権限を乱用しない」というのは、
この“何でもできる権限”を、
必要以上に自分や他人に与えない、
そして「何でも管理者でやろうとしない」という考え方です。


なぜ管理者権限がセキュリティ上の「最大リスク」になるのか

ひとつの管理者アカウントが「サイト全体の鍵」になっている

管理者アカウントが乗っ取られた瞬間、
攻撃者は次のようなことができます。

テーマやプラグインに悪意あるコードを仕込む。
見えない場所にバックドアユーザーを追加する。
コンテンツを改ざんしたり、削除したりする。
管理画面から設定を変えて、別サイトにリダイレクトさせる。

つまり、
管理者アカウントは「サイト全体の鍵束」です。

この鍵を持つ人が多いほど、
また、その鍵を雑に扱うほど、
サイト全体のリスクは一気に跳ね上がります。

「人間のミス」も大きなリスクになる

管理者権限は、攻撃者だけでなく、
「うっかりミス」に対しても非常に弱いです。

誤って不要なプラグインを削除する。
設定を変えてサイトを表示不能にする。
テーマ編集画面から PHP を書き換えて、画面が真っ白になる。

これらはすべて、
「管理者だからこそできてしまうミス」です。

権限が強いということは、
「一度のミスの破壊力も強い」ということでもあります。


具体例で考える「管理者権限の乱用」

例1:全員をとりあえず「管理者」で作ってしまう

小さなチームでサイトを運営しているとき、
よくあるパターンがこれです。

「とりあえずみんな管理者にしておけば、何でもできて便利でしょ」

この結果、どうなるか。

記事を書く人も、
画像をアップするだけの人も、
外部ライターも、
全員がテーマやプラグインをいじれる状態になります。

誰かのPCがマルウェアに感染していたり、
パスワードが漏れていたりすると、
そこから一気に「サイト全体」が危険にさらされます。

本来は「投稿者」「編集者」などの権限で十分な人にまで、
管理者権限を配ってしまうことが、
まさに「管理者権限の乱用」です。

例2:自分ひとりで全部「管理者」で作業し続ける

もう一つのパターンは、
「自分しか触らないから、全部管理者でいいや」というケースです。

一見、問題なさそうに見えますが、
ここにも落とし穴があります。

日常の「記事を書く」「画像をアップする」といった作業も、
常に管理者アカウントで行っていると、

そのアカウントのクッキーが盗まれたとき、
フィッシングでパスワードを抜かれたとき、

即「サイト全体の乗っ取り」に直結します。

本当は、
日常作業用の「投稿者/編集者」アカウントと、
設定変更やインストール用の「管理者」アカウントを分ける、
という設計のほうが安全です。


権限設計の基本は「最小権限の原則」

「その人がやる作業に必要な“最低限の権限”だけを与える」

セキュリティの世界でよく出てくる考え方に、
「最小権限の原則(Least Privilege)」があります。

これは、

その人(またはそのアカウント)が行うべき作業に
本当に必要な権限だけを与え、
それ以上は持たせない

という設計思想です。

WordPress の場合で言えば、

記事を書く人には「投稿者」や「寄稿者」。
記事の公開・修正まで行う人には「編集者」。
サイト全体の設定やプラグイン管理を行う人だけ「管理者」。

というように、
役割に応じて権限を分けるのが自然です。

「便利さ」と「安全さ」のバランスを意識する

もちろん、
権限を細かく分けると、
「これもできないの?」「あれも触れないの?」
という不便さが出ることもあります。

でも、ここで大事なのは、

一時の便利さのために、
長期的なリスクを爆上げしていないか?

という視点です。

管理者権限を乱用するというのは、
「便利さのために、鍵を誰にでも配ってしまう」
状態に近いです。

エンジニアとしては、

どこまでなら権限を絞っても運用できるか
どこから先は管理者に依頼してもらうべきか

というラインを、自分なりに設計していくことが大切です。


管理者権限を「乱用しない」ための考え方

アカウントを役割ごとに分ける

自分ひとりで運営している場合でも、

日常作業用の「編集者」アカウント
設定変更・インストール用の「管理者」アカウント

のように、アカウントを分ける発想は有効です。

これにより、
もし日常作業用アカウントのクッキーやパスワードが漏れても、
「サイト全体の破壊」までは一気に行きにくくなります。

管理者アカウントの数を意識的に絞る

複数人で運営している場合は、

本当に管理者が必要な人は誰か?
一時的に管理者が必要なだけの人はいないか?

を定期的に見直すべきです。

一時的に管理者権限を付与して、
作業が終わったら「編集者」に戻す、
といった運用も立派なセキュリティ対策です。

「管理者でしかできない操作」を自覚する

テーマ編集画面からの直接編集、
プラグインのインストール・削除、
ユーザー権限の変更、

こういった操作は、
「管理者だからこそできてしまう」ものです。

これらを触るときは、

本当に今やる必要があるのか
テスト環境で試してからにできないか
バックアップは取ってあるか

といった“ブレーキ”を、自分の中に用意しておくと、
「管理者権限の乱用」をかなり防げます。


プログラミングの感覚で捉える「管理者権限を乱用しない」

これは「root で何でもやらない」という感覚に近い

Linux やサーバー運用の世界では、
root ユーザーで何でも作業するのは危険だ、
という感覚があります。

普段は一般ユーザーで作業し、
必要なときだけ sudo で権限を一時的に上げる。

WordPress の管理者権限も、
これと同じように考えるとしっくりきます。

「常に root(管理者)で作業しない」
「必要なときだけ、慎重に権限を上げる」

というスタンスが、
結果的にサイト全体の安全性を高めます。

「権限設計」も立派なプログラミングの一部

プログラミングは、
コードを書くことだけではありません。

誰が何をできるべきか
どこまでを許可し、どこからを禁止するか

といった「権限設計」も、
システム設計の重要な一部です。

管理者権限を乱用しない、
というのは、

「自分のサイトに対して、ちゃんと権限設計をしてあげる」

という行為でもあります。


まとめ:「管理者権限を乱用しない」は“鍵を大事に扱う”ということ

「管理者権限を乱用しない」というテーマの本質は、

管理者アカウントが
サイト全体の鍵であることを自覚し、
その鍵を持つ人・持つ場面を意識的に絞る

ということです。

押さえておきたいポイントは、

管理者アカウントが乗っ取られると、サイト全体が終わりかねないこと。
全員を管理者にする/何でも管理者でやる、は“楽だが危険”な選択であること。
最小権限の原則に従って、役割ごとに権限を分けることが、結果的に一番安全なこと。

一度、自分のサイトのユーザー一覧を眺めてみてください。
「この人、本当に管理者である必要がある?」
「自分は、日常作業まで管理者でやっていない?」
と問い直すだけで、セキュリティのレベルは一段上がります。

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