ログ解析の現場では「軽量に処理したい場面」と「複雑な分析をしたい場面」があり、bisect と pandas の得意分野が分かれます。
bisect を使うケース(サーバーログなど)
- 特徴: 標準ライブラリだけで動く、軽量・高速
- 向いている場面:
- サーバー監視やリアルタイム処理
- 「特定の時間帯のログをすぐ取り出したい」など単純な範囲検索
- メモリに収まる程度の小〜中規模ログ
- 例:
import bisect
from datetime import datetime
logs = sorted(log_timestamps) # ソート済み
start = datetime(2025, 11, 29, 10, 0)
end = datetime(2025, 11, 29, 11, 0)
s = bisect.bisect_left(logs, start)
e = bisect.bisect_right(logs, end)
subset = logs[s:e]
Python👉 「10:00〜11:00 のログだけ取り出す」といった軽量処理に最適。
pandas を使うケース(分析用データなど)
- 特徴: 表形式で扱える、複雑な条件検索や統計処理に強い
- 向いている場面:
- 大規模ログ解析(数百万件〜)
- 複数列を組み合わせた条件検索(例: 時刻+エラーレベル+ユーザーID)
- 集計・統計・可視化を伴う分析
- 例:
import pandas as pd
df = pd.DataFrame({
"timestamp": log_timestamps,
"level": log_levels,
"user": log_users
})
subset = df[df["timestamp"].between("2025-11-29 10:00", "2025-11-29 11:00")]
errors = subset[subset["level"] == "ERROR"]
Python👉 「10:00〜11:00 の ERROR ログをユーザー別に集計」といった複雑な分析に最適。
使い分けの目安
| 項目 | bisect | pandas |
|---|---|---|
| データ規模 | 小〜中規模 | 中〜大規模 |
| 処理内容 | 単純な範囲検索 | 複雑な条件・集計・統計 |
| 実行環境 | 軽量スクリプト、リアルタイム処理 | 分析環境、レポート作成 |
| 可読性 | インデックス操作が必要 | between や条件式で直感的 |
まとめ
- サーバーログのリアルタイム監視や軽量処理 → bisect
- 分析用データの複雑な条件検索や集計 → pandas
👉 実務では「まず軽量にフィルタリング → 必要なら pandas で分析」という二段構えがよく使われます。


