概要
SUMは「指定した範囲や数値を合計する」Excelの基本関数です。セル範囲をそのまま渡せるので、家計簿、売上集計、点数合計などあらゆる合計に使えます。初心者は「範囲選択が正しいか」「数値として扱われているか」を意識すると失敗が減ります。
基本の使い方
- 書式:
=SUM(数値1, [数値2], …)
直接数値を書いても、セル参照や範囲を渡してもOKです。
- 単一範囲の合計:
=SUM(A1:A10)
A1からA10までの合計を計算します。
- 複数範囲・離れたセルの合計:
=SUM(A1:A10, C1:C5, F3)
連続・非連続を混ぜて合計できます。
- オートサムで一瞬:
Alt+=(Macは Command+Shift+T など)で直上または直左の連続データを自動選択してSUMを挿入できます。
具体例
例1: 売上の縦合計
商品ごとの日次売上がA2:A8にあるとします。
- 目的: A2〜A8の合計を出す
=SUM(A2:A8)
- ポイント:
- 範囲: 連続セルはコロン「:」でつなぐ。
- 空欄: 空白セルは0として扱われるのでそのままでOK。
例2: 行方向の合計(横合計)
B2:E2に「1月〜4月の売上」が並ぶとします。
- 目的: 行の合計を出す
=SUM(B2:E2)
- ポイント:
- コピー: 右や下にコピーすると参照がズレるので、必要に応じて絶対参照($B$2:$E$2)を使います。
例3: 離れた範囲の合計
A列の一部、C列の一部、単発セルF3の合計。
- 目的: 離れた範囲をまとめて合計
=SUM(A2:A4, C5:C7, F3)
- ポイント:
- 複数引数: カンマ「,」で複数範囲・セルを並べます。
例4: テーブル(構造化参照)での合計
テーブル「売上」に列「金額」がある場合。
- 目的: テーブル列の合計
=SUM(売上[金額])
- ポイント:
- 自動拡張: 行が追加されても参照が自動で広がるので便利です。
よくあるつまずき
- 文字列が混ざっている:
数値に見えても「文字列」扱いだと合計されません。- 対策:
- 先頭のアポストロフィ(’123)の除去。
- データの区切り記号(全角・半角、カンマ)を正す。
- 必要なら VALUE関数で数値化。
- 対策:
=SUM(VALUE(A2), VALUE(A3))
- 参照範囲のミス:
合計に入れたいセルが範囲外。- 対策: 範囲は開始:終了で選ぶ(例 A2:A100)。オートサム後に青枠が意図通りか確認。
- フィルタ後に見えてない行も合計される:
SUMは非表示でも合計します。- 対策: 表示中だけ合計したいなら SUBTOTAL を使う(集計番号109がSUM相当)。
=SUBTOTAL(109, A2:A100)
- ゼロ除外や条件付き合計が必要:
SUMは条件を持ちません。- 対策: 条件があるなら SUMIF / SUMIFS を検討。
=SUMIF(A2:A100, ">0", B2:B100) // Aが正の行のB合計
=SUMIFS(B2:B100, A2:A100, "東京", C2:C100, "2025/12")
応用テンプレート
- 月別シートをまたぐ合計:
=SUM(Jan!B2:B100, Feb!B2:B100, Mar!B2:B100)
- 連番セルを手打ちでまとめる(少数なら可):
=SUM(B2, B5, B9)
- 負の値を除いて合計(配列式不要版の例):
値がC2:C100、0より大きいものだけを合計
=SUMIF(C2:C100, ">0")
- テーブルで月列が「12月」の金額合計:
テーブル名: 売上、列: 月, 金額
=SUMIFS(売上[金額], 売上[月], "12月")
練習問題
- 問題1: A2:A12にテスト点数が入っています。合計をA13に表示してください。
- 解答例:
=SUM(A2:A12)
- 問題2: B2:E10に売上があり、各行の横合計をF列に表示してください(F2に式を入れてF10までコピー)。
- 解答例:
=SUM(B2:E2)
- 問題3: フィルタで表示中の行だけ合計したいとき、A2:A200の合計をG2に表示してください。
- 解答例:
=SUBTOTAL(109, A2:A200)
