概要
COUNTAは「数値・文字列・論理値(TRUE/FALSE)・エラーなど“何か入っているセル”の個数」を数える関数です。空白セルは数えません。数値だけを数えるCOUNT、非表示を除いて数えるSUBTOTAL、条件で数えるCOUNTIF/COUNTIFSと役割を使い分けると迷いません。
基本の使い方
- 書式:
=COUNTA(値1, [値2], …)
範囲、離れたセル、直接入力値を混在させて指定できます。
- 単一範囲の“入力済み”個数:
=COUNTA(A1:A10)
A1〜A10で“何か入っている”セルの数を返します(数値・文字・TRUE/FALSE・エラーを含む)。
- 複数範囲・離れたセルをまとめて数える:
=COUNTA(A1:A10, C1:C5, F3)
- テーブル(構造化参照)で数える:
=COUNTA(売上[備考])
行が増えても自動で範囲が広がります。
具体例
- 例1: 点数と備考が混在する列の“入力済み”件数
=COUNTA(A2:A11)
ポイント: 数値の点数、欠席などの文字列、TRUE/FALSE、#N/Aなども「入力済み」として数えます。
- 例2: 行方向の入力済み月数(横に並ぶデータ)
=COUNTA(B2:E2)
ポイント: 空白だけが除外されます。空文字(“”)は注意点を参照。
- 例3: 離れたセルの入力済み件数
=COUNTA(B2, B5, B9)
ポイント: 個別セルはカンマで並べればOK。
- 例4: 文字も数値も混ざるメモ列の入力済み件数(テーブル)
=COUNTA(タスク[メモ])
よくあるつまずきと注意点
- 空文字(“”)は“入力済み”として数えられる:
データ取り込みや式の結果が””だとCOUNTAは1件としてカウントします。- 対策: 本当に空白だけ除外したい場合は、条件付きで数える式に切り替えます(例を下に記載)。
- “数値だけ”を数えたい時はCOUNT:
COUNTAは文字列も含めます。数値限定ならCOUNTを使います。
=COUNT(A2:A100)
- 非表示行もカウントされる:
フィルタや手動の非表示でもCOUNTAは数えます。- 対策: 表示中だけを数えたいならSUBTOTAL(関数番号103)。
=SUBTOTAL(103, A2:A100)
- エラー値も“入力済み”扱い:
#DIV/0!や#N/A等があっても件数に含まれます。- 対策: エラーを除外したい場合は条件付きの式へ。
応用テンプレート
- 空文字(“”)を除外して“実質入力済み”を数える(配列不要の安全策)
- 説明: 「空でないセル」から「空文字セル」を差し引き、物理的な入力だけを数えます。
=COUNTIF(A2:A100, "<>") - COUNTIF(A2:A100, "=" & "")
- 条件付きで“入力済み”を数える(例: 地域が東京の行で備考が入力済み)
- 説明: 条件列Aが東京、備考列Bが空でない件数。
=COUNTIFS(A2:A100, "東京", B2:B100, "<>")
- 複数シートをまたぐ入力済み件数
=COUNTA(Jan!B2:B100, Feb!B2:B100, Mar!B2:B100)
- 見えている行だけの“入力済み”件数(数値以外も含む)
=SUBTOTAL(103, 予定[備考])
練習問題
- 問題1: A2:A12に数値・文字が混在しています。空白を除いた入力済み件数をA13に表示してください。
- 解答例:
=COUNTA(A2:A12)
- 問題2: B2:E10に各月のメモがあり、各行の“入力済み月数”をF列に表示してください(F2に式を入れてF10までコピー)。
- 解答例:
=COUNTA(B2:E2)
- 問題3: フィルタで表示中の行だけ、A2:A200の“入力済み件数”をG2に表示してください。
- 解答例:
=SUBTOTAL(103, A2:A200)
- 問題4: A列に地域、B列に備考。地域が「東京」の行で備考が“空でない”件数をH2に表示してください。
- 解答例:
=COUNTIFS(A2:A200, "東京", B2:B200, "<>")
