概要
SUM(複数選択)は「離れた範囲やセルをまとめて合計」できる使い方です。1つの式に複数の範囲をカンマで並べれば、縦横にバラバラのセルでも一括で合計できます。キーボードの操作(Ctrl/Commandを押しながら範囲選択)やオートサムを組み合わせると、初心者でも素早く間違いなく作れます。
基本の使い方
- 書式:
- 説明: 連続範囲も個別セルも、カンマで並べればOK。
=SUM(範囲1, 範囲2, セル3, …)
- 単純な複数範囲の合計:
- 説明: A2〜A10、C2〜C5、F3をまとめて合計します。
=SUM(A2:A10, C2:C5, F3)
- 同じ行・列の離れたブロックを合計:
- 説明: 2つの横ブロックを合計します(行合計の複数選択)。
=SUM(B2:D2, F2:H2)
具体例
- 例1: 離れた列の売上合計
- ポイント:
- 欠損: 空白は0として扱われるので気にせず合計できます。
- ゼロ: 0は数値としてそのまま合計されます。
- ポイント:
=SUM(B2:B12, D2:D12, G2:G12)
- 例2: 個別セルを手早く合計(件数が少ない場合)
- ポイント:
- 少数向け: 指定セルが10個未満なら可読性が保てます。多い場合は範囲化が推奨。
- ポイント:
=SUM(B3, B7, C4, E10)
- 例3: 表の一部列だけ合計(構造化参照) テーブル名「売上」、列「金額」「送料」をまとめて合計。
- ポイント:
- 自動追従: 行が増えても自動で範囲が広がるので、手修正不要。
- ポイント:
=SUM(売上[金額], 売上[送料])
- 例4: 月別シートをまたぐ合計
- ポイント:
- 複数シート: 同一レイアウトの複数シートを並べて合計できます。
- ポイント:
=SUM(Jan!B2:B100, Feb!B2:B100, Mar!B2:B100)
作業効率のコツ
- 複数範囲の選択操作:
- Windows: キーボードの Ctrl を押しながら、合計したい範囲を次々にドラッグすると、式に複数範囲が自動で挿入されます。
- Mac: Command を押しながら同様に選択します。
- 説明: 数式バーに「=SUM(範囲1,範囲2,範囲3,…)」と自動入力されるので便利。
- オートサムの活用:
- ショートカット: Alt+=(Macは Command+Shift+T など)でSUMが挿入。自動選択が意図と違うときは、そのまま複数範囲をCtrl/Commandで追加選択。
- 見た目を保つコツ(WordPress貼り付け向け):
- 説明: 数式はコードブロックで記載し、改行を適度に入れるとレイアウトが崩れにくくなります。太字は先頭ラベルだけに留めるとシンプルで可読性が高いです。
よくあるつまずきと対策
- 文字列が混在して合計に入らない:
- 原因: 見た目が数値でも文字列(左寄せ、“1,234”など)だと合計対象外。
- 対策: 数値化してから合計(VALUE、またはセルの入力規則と書式を統一)。
- エラー値が含まれて式がエラーになる:
- 原因: #N/Aや#DIV/0!が範囲にあるとSUMがエラーに。
- 対策: 先にIFERRORで無害化する列を作るか、SUMで参照する範囲をクレンジング済みに変更。
- フィルタ後も非表示行を合計してしまう:
- 対策: 表示中だけを合計したいならSUBTOTAL(合計は109)。
=SUBTOTAL(109, A2:A100)
- 条件付き合計が必要(複数範囲でルールをかけたい):
- 対策: SUMIF/SUMIFSを使う。複数列を合計したい場合はSUMで包む。
=SUM(SUMIFS(売上[金額], 売上[地域], "東京"),
SUMIFS(売上[送料], 売上[地域], "東京"))
応用テンプレート
- 同一行の複数ブロック合計を縦にコピー可能な形で
- 説明: 参照は相対のままにし、下方向へコピーして各行の合計を作成。
=SUM(B2:D2, F2:H2, J2)
- 名前付き範囲を使った複数合計 名前「売上本体」=B2:B100、名前「送料」=C2:C100
- 説明: 範囲が変わっても名前側を直すだけで式はそのまま。
=SUM(売上本体, 送料)
- 3D参照(連続シート)で同じセル範囲を合計 連続シートJan〜Marの同じ範囲B2:B100
- 説明: シートをまたぐ合計を1指定でまとめます(同じレイアウト前提)。
=SUM(Jan:Mar!B2:B100)
練習問題
- 問題1: A列とC列の売上(A2:A50、C2:C50)を合計して、D2に表示してください。
- 解答例:
=SUM(A2:A50, C2:C50)
- 問題2: B3、B7、C4、E10の金額を合計して、F3に表示してください。
- 解答例:
=SUM(B3, B7, C4, E10)
- 問題3: テーブル「売上」で「金額」と「送料」を合計してH2に表示してください。
- 解答例:
=SUM(売上[金額], 売上[送料])
- 問題4: 連続シートJan〜Marの範囲B2:B100をまとめて合計し、A1に表示してください。
- 解答例:
=SUM(Jan:Mar!B2:B100)
まとめ
- 複数範囲の合計:
=SUM(範囲1, 範囲2, …)にカンマで並べるだけ。 - 選択のコツ: Ctrl/Commandを押しながら範囲を次々に選ぶ。
- 必要に応じて: 非表示はSUBTOTAL、条件付きはSUMIF/SUMIFS、シートまたぎは3D参照や複数シート指定。
