概要
「英字は全部“小文字”にそろえたい」
「URL やメールアドレスは、小文字で統一して管理したい」
「AbC@example.com でも ABC@EXAMPLE.COM でも、表示は abc@example.com にしたい」
こういう「文字列の英字をすべて小文字にしたい」ときに使うのが LOWER 関数です。
LOWER は、英字の大文字を対応する小文字に一括変換してくれる、とてもシンプルな関数です。
LOWER 関数の基本
LOWER の書式は次のとおりです。
=LOWER(文字列)
「文字列」に指定したものの中で、
A~Z(大文字アルファベット)を a~z(小文字)に変換します。
日本語・数字・記号はそのままです。
変わるのは「英字の大小」だけ、と覚えておくとわかりやすいです。
基本パターン:英字をすべて小文字にする
たとえば A2 に「AbC123」という文字列が入っているとします。
これをすべて小文字にしたいときは、次のように書きます。
=LOWER(A2)
結果は「abc123」になります。
英字だけが小文字になり、数字はそのままです。
同じように、A2 が「EXcel-TEST」であれば、
=LOWER(A2)
の結果は「excel-test」です。
記号(ハイフン)はそのままで、英字だけが小文字になります。
メールアドレスや URL を小文字に統一する
メールアドレスや URL は、
多くのシステムで「大文字小文字を区別しない」扱いになっています。
見た目や管理のしやすさのために、小文字に統一しておくと便利です。
たとえば A2 に
「AbC.User@Example.Com」
というメールアドレスが入っている場合。
=LOWER(A2)
とすれば、「abc.user@example.com」に変わります。
同様に、URL が「Https://WWW.Example.Com/Path/Index.HTML」のようにバラついていても、
=LOWER(A2)
で「https://www.example.com/path/index.html」と統一した表記にできます。
比較や重複チェックの前処理として LOWER を使う
Excel の通常の比較では、「ABC」と「abc」は別の文字列です。
しかし、ID やメールアドレスなどは「大文字小文字を無視して同じとみなしたい」ことが多いです。
そのときは、比較の前に両方を LOWER に通してから比べると安全です。
A2 と B2 の内容が
「大文字小文字の違いを無視すれば同じかどうか」を調べるには、次のように書きます。
=IF(LOWER(A2)=LOWER(B2), "同じ", "違う")
両方とも小文字に変換したうえで比較するので、
A2 が「Excel」、B2 が「EXCEL」でも「同じ」と判定されます。
部分的に小文字化したい場合(他関数との組み合わせ)
LOWER は渡された「文字列全体」を小文字にします。
「先頭の 3 文字だけ小文字」「後ろだけ小文字」といった場合は、
LEFT・MID・RIGHT と組み合わせて使います。
たとえば A2 に「ABC-DEF」が入っていて、
先頭 3 文字だけ小文字にして「abc-DEF」としたい場合。
=LOWER(LEFT(A2, 3)) & MID(A2, 4, LEN(A2)-3)
この式の考え方は次のとおりです。
先頭 3 文字を LEFT で取り出し、それを LOWER で小文字にする。
残りの部分は MID でそのまま取り出し、& でくっつける。
まずは「全体を小文字にする」をしっかり使い、
慣れてきたらこうした部分的な応用に進むと理解しやすくなります。
日本語・数字・記号への影響
LOWER が影響を与えるのは「アルファベットだけ」です。
A2 に「東京ABC123」が入っているとします。
=LOWER(A2)
の結果は「東京abc123」です。
「東京」と数字はそのまま、
英字だけが小文字に変わります。
UPPER と LOWER の使い分けのイメージ
UPPER は「全部大文字にする」
LOWER は「全部小文字にする」
どちらも「文字列の表記ゆれをそろえるための関数」です。
大文字で管理したい(国コード、商品コードなど)なら UPPER、
小文字で管理したい(メール、URL、ID など)なら LOWER、
というイメージで使い分けると覚えやすいです。
問題1
A2 に「AbC123」という文字列が入っています。
これをすべて小文字にして「abc123」と表示する式を書いてください。
=LOWER(A2)
問題2
A2 に「EXcel-TEST」という文字列が入っています。
LOWER を使ってすべて小文字にし、「excel-test」と表示する式を書いてください。
=LOWER(A2)
問題3
A2 にメールアドレス「AbC.User@Example.Com」が入っています。
これをすべて小文字にして「abc.user@example.com」と表示する式を書いてください。
=LOWER(A2)
問題4
A2 と B2 にユーザーIDが入っています。
大文字小文字の違いを無視して同じIDかどうかを判定し、
同じなら「OK」、違えば「NG」と表示する式を書いてください。
LOWER を使ってください。
=IF(LOWER(A2)=LOWER(B2), "OK", "NG")
問題5
A2 に「ABC-DEF」という文字列が入っています。
先頭 3 文字だけ小文字にし、それ以外はそのままにして、
「abc-DEF」と表示する式を書いてください。
LOWER と LEFT・MID・LEN を組み合わせてください。
=LOWER(LEFT(A2, 3)) & MID(A2, 4, LEN(A2)-3)
LOWER の本質は、この 1 行です。
=LOWER(文字列)
英字の表記ゆれを「全部小文字」にそろえるだけで、
検索・一致判定・集計の安定感がぐっと上がります。
メアドやURLを扱う場面では、とりあえず「LOWERを通す」という習慣をつけておくと、トラブルをかなり減らせます。
