概要
TAN 関数は、角度から「タンジェント(正接)」を求める三角関数です。
直角三角形でいえば「ある角度に対する、対辺 ÷ 隣辺」の比率にあたります。
Excel では、角度をラジアン(弧度法)で指定し、その角度のタンジェント値を返します。
TAN 関数の基本
書式と意味
=TAN(数値)
数値:タンジェントを求める角度(ラジアン)
代表的な例は次の通りです。
=TAN(0) ' 0ラジアン → 0
=TAN(0.785) ' 約 0.785ラジアン(≒45°) → 約 0.9992
=TAN(PI()/4) ' π/4ラジアン(45°) → 1
=TAN(PI()/3) ' π/3ラジアン(60°) → 約 1.732
TAN は「ラジアンで角度を受け取る」という点が最初のつまずきポイントです。
度数(°)を使うときの考え方
度 → ラジアンへの変換(PI を使う)
現場では「30°」「45°」「60°」のように“度数”で角度を扱うことが多いですが、
TAN はラジアン前提なので、度数をラジアンに変換してから渡します。
変換の公式は次の通りです。
ラジアン = 度数 × PI() / 180
Excel では、例えば 45° のタンジェントはこう書きます。
=TAN(45*PI()/180) ' 45° → 1
60° なら:
=TAN(60*PI()/180) ' 60° → 約 1.732(√3)
角度がセルに入っている場合(A2 に度数が入っているとき)は、汎用的にこう書けます。
=TAN(A2*PI()/180)
RADIANS 関数を使う方法
度数をラジアンに変換する専用関数 RADIANS を使う書き方もあります。
=TAN(RADIANS(45)) ' 45° → 1
=TAN(RADIANS(A2)) ' A2 度のタンジェント
=TAN(45) とそのまま書くと「45ラジアン」と解釈されてしまい、正しい 45° の値にはなりません。
TAN のイメージとよくある使い方
「高さ ÷ 底辺」の比率としてのタンジェント
TAN は、直角三角形における「対辺 ÷ 隣辺」の比率です。
建築・測量・物理などで「角度から高さを求める」ときによく使われます。
例えば、
・観測地点から建物までの距離:50m
・見上げた角度:30°
このときの建物の高さ h は、
h = 距離 × tan(角度)
Excel では次のように書けます。
=50*TAN(RADIANS(30))
これで「距離 50m、角度 30° のときの高さ」が求まります。
傾き(勾配)の計算
「角度から直線の傾き(勾配)を求めたい」ときも TAN が使えます。
例えば、30° の傾きを持つ直線の傾きは、
=TAN(RADIANS(30))
で計算できます。
角度を変えながら、傾きがどう変わるかを表にしてみると、感覚がつかみやすくなります。
グラフにしたときの特徴
TAN は、ある角度で値が無限大に近づく“特徴的なカーブ”を持っています。
例えば 90°(π/2ラジアン)付近では値が非常に大きくなり、Excel では巨大な数値が返ったり、定義されない角度ではエラーになることがあります。
=TAN(RADIANS(89)) ' 非常に大きな値(∞に近い)
=TAN(RADIANS(90)) ' 理論上は定義されない(Excel では巨大値やエラー)
注意点
ラジアンであることを忘れない
TAN の引数は「ラジアン」です。
度数をそのまま入れると、意図しない結果になります。
=TAN(45) ' 45ラジアンのタンジェント → 正しい 45° の値ではない
=TAN(RADIANS(45)) ' 45° のタンジェント → 1
「度数 → RADIANS で変換」または「×PI()/180」で変換、どちらかのパターンを体に染み込ませてしまうのがおすすめです。
一部の角度では値が発散する
TAN は、90°、270° など一部の角度で理論上定義されません。
Excel では、その近くで非常に大きな値が返ったり、場合によってはエラー(#NUM! など)になることがあります。
テンプレート集
度数がセルに入っている場合のタンジェント
=TAN(A2*PI()/180)
または
=TAN(RADIANS(A2))
A2 に「度数(°)」が入っている前提です。
0°・45°・60° のタンジェント
=TAN(RADIANS(0)) ' 0° → 0
=TAN(RADIANS(45)) ' 45° → 1
=TAN(RADIANS(60)) ' 60° → 約 1.732(√3)
高さを求める(距離 × TAN)
距離が B2、角度(度数)が A2 に入っているときの高さ h:
=B2*TAN(RADIANS(A2))
建築・測量などでよく出てくる形です。
例題
問題1
A2 に「45」という値(45°)が入っています。
この角度のタンジェントを求める式を、TAN と RADIANS を使って書いてください。
=TAN(RADIANS(A2))
問題2
セルに「60° のタンジェント」を直接計算したいとします。
度数をラジアンに変換する形で、式を書いてください。
=TAN(60*PI()/180)
(結果は約 1.732 になります。)
問題3
A2 に「角度(度数)」が入っています。
この角度のタンジェントを求める汎用的な式を、TAN と RADIANS を使って書いてください。
=TAN(RADIANS(A2))
問題4
B2 に「観測地点から建物までの距離(m)」、A2 に「見上げた角度(度数)」が入っています。
建物の高さを TAN 関数を使って求める式を書いてください。
=B2*TAN(RADIANS(A2))
問題5
「TAN は度数ではなくラジアンで角度を受け取る」というポイントを、自分の言葉で一言で説明してみてください。
例としては、
「TAN に 45 とそのまま入れると“45ラジアン”として扱われてしまい、45° の正しい値にならない。45° を使いたいときは必ず RADIANS(45) や 45*PI()/180 のようにラジアンに変換してから渡す必要がある」
といった説明が考えられます。
