Excel関数 逆引き集 | 余りを求めたい → MOD

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概要

MODは「割り算の余り」を返す関数です。整数同士だけでなく小数や負数にも使えます。周期処理(週・月・ローテーション)、グループ分け(10ごとなど)、端数計算(不足分の算出)に役立ちます。商が欲しいときはQUOTIENT、整数化はINT/TRUNCと組み合わせると便利です。


基本の使い方

  • 書式:
    • 数値: 割られる値(分子)
    • 除数: 割る値(分母、0は不可)
=MOD(数値, 除数)
  • 単純な余り:
=MOD(10, 3)   // 1
  • セル参照の余り:
=MOD(A2, B2)
  • 負数・小数でも使える:
=MOD(-10, 3)  // 2   (Excelでは余りは除数の符号に合わせて 0〜除数-1 の範囲)
=MOD(10.5, 4) // 2.5

具体例

  • 例1: 箱詰めの“余り個数”
    • ポイント: 満杯の箱数: =QUOTIENT(個数, 箱容量) と併用。
=MOD(個数, 箱容量)
  • 例2: 連番を“10ごと”のグループ内インデックスに
    • ポイント: グループID: =QUOTIENT(番号, 10)
=MOD(番号, 10)
  • 例3: 曜日計算(開始日からn日後の曜日)
    • ポイント: 実務では TEXT(開始日+日数, "ddd") なども併用可。
=MOD(開始日+日数, 7)
  • 例4: 時間の端数(h表記)から“分”を取り出す
    • ポイント: 1=1時間。小数部を分に換算。
=ROUND(MOD(時間, 1)*60, 0)
  • 例5: ローテーション割り当て(担当者を順番に振る) 担当者数がH1
    • ポイント: 1〜H1を繰り返すIDを生成。
=MOD(行番号-2, H1) + 1

よくあるつまずきと対策

  • 分母(除数)が0でエラーになる
    • 対策: IFERRORで保護。
=IFERROR(MOD(A2, B2), "")
  • 負数の余りの符号に違和感
    • 説明: ExcelのMODは「数値 – 除数*INT(数値/除数)」で計算。余りは常に除数の符号に合わせた非負(または非正)になります。
    • 対策: “数学の余り”との違いが問題になる場合、=A2 - B2*QUOTIENT(A2,B2) で同等結果を確認。
  • 小数の余りを扱うと精度誤差が出る
    • 対策: 丸めを併用。
=ROUND(MOD(A2, B2), 6)
  • 単位換算ミス(時間・角度)
    • 対策: 時間は 1=1時間(分なら60換算)、角度は360度周期など、基準を統一。

関連関数の使い分け

  • 商(整数部分)が欲しい
=QUOTIENT(分子, 分母)
  • “0方向”に整数化したい(小数切り捨て)
=TRUNC(数値)
  • “負方向”へ整数化したい(常に下げる)
=INT(数値)
  • 四捨五入や切り上げ・切り捨て(桁で丸め)
=ROUND(数値, 桁数)
=ROUNDUP(数値, 桁数)
=ROUNDDOWN(数値, 桁数)

応用テンプレート

  • 商と余りを同時表示(テキスト整形)
=QUOTIENT(A2,B2) & " 余り " & MOD(A2,B2)
  • 不足分の金額(次の1個を買うのにいくら足りないか) 単価B2、予算A2
=B2 - MOD(A2, B2)
  • 角度を360度で正規化(0〜359)
=MOD(角度, 360)
  • 週番号の循環(1〜7で回す)
=MOD(通し番号-1, 7) + 1
  • 時・分の分解(h表記)

時:

=INT(時間)

分:

=ROUND(MOD(時間,1)*60, 0)

練習問題

  • 問題1: A2をB2で割った余りをC2に表示してください。
    • 解答例:
=MOD(A2, B2)
  • 問題2: 個数A2、箱容量B2。余り個数をD2に表示してください(満杯の箱数はC2)。
    • 解答例:
=QUOTIENT(A2, B2)
=MOD(A2, B2)
  • 問題3: 連番A2を10ごとのグループに分け、グループIDをB2、グループ内インデックスをC2に表示してください。
    • 解答例:
=QUOTIENT(A2, 10)
=MOD(A2, 10)
  • 問題4: 時間A2(h表記)から分だけをB2に表示してください。
    • 解答例:
=ROUND(MOD(A2,1)*60, 0)
  • 問題5: 角度A2を0〜359度に正規化してB2に表示してください。
    • 解答例:
=MOD(A2, 360)

まとめ

  • 基本: =MOD(数値, 除数) で余りを取得(0は不可)
  • 用途: 周期・ローテーション・グループ分け・不足分の算出に強い
  • 負数や小数: Excelの定義に沿った余り。必要に応じて丸めやQUOTIENTと併用
  • セット運用: 商はQUOTIENT、整数化はINT/TRUNCと組み合わせると現場で使いやすい

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