概要
「全角の英数字やカタカナを、ぜんぶ半角にそろえたい」
「ABC123 アイウ を ABC123 アイウ にしたい」
「全角・半角が混ざっていて、検索やVLOOKUPがうまくいかない」
こういうときに使えるのが ASC関数です。
ASC関数は、日本語版Excelなどの DBCS(ダブルバイト文字)環境向けに用意されていて、
「全角(2バイト)の英数字・カタカナ・スペース」を
「対応する半角(1バイト)文字」に変換してくれます。
ASC関数の基本
構文と意味
ASC関数の書式はとてもシンプルです。
=ASC(文字列)
文字列 には、
「全角を半角にしたいセル」や「直接書いた文字列」を指定します。
たとえば、=ASC(A2)=ASC("ABC123")
のように使います。
ASC関数は、指定した文字列の中から
- 全角の英字(A~Z、a~z)
- 全角の数字(0~9)
- 全角カタカナ
- 全角スペース
などを探して、対応する半角文字に変換します。
もし全角文字が含まれていなければ、文字列はそのまま変わりません。
基本パターン:全角の英数字を半角に変換
A2 に次のような値が入っているとします。
A2:ABC123
これを半角にしたいとき、B2 に次の式を書きます。
=ASC(A2)
結果はABC123
になります。
英字も数字も、全部「全角 → 半角」に変わっています。
もうひとつ例です。
A2:Excel2026
B2:
=ASC(A2)
結果:Excel2026
英字・数字がすべて半角に変わり、見た目もスッキリします。
カタカナとスペースを半角にそろえる
ASCは、全角カタカナや全角スペースも半角に変換してくれます。
A2:エクセル カンスウ
(全角カタカナ+全角スペース)
B2:
=ASC(A2)
結果:エクセル カンスウ
見た目は似ていますが、
スペースが「全角 → 半角」に変わっています。
また、全角カタカナ(「エクセル」など)も、環境によっては
半角カタカナに変換されます(エクセル のような形)。
実務でよくある使い方
① コード・ID・郵便番号などを半角で統一
「社員番号」「商品コード」「郵便番号」などは、
多くのシステムが「半角」を前提にしています。
A2 に全角で入力されたコードAB1234
があるとき、B2 に
=ASC(A2)
と書いておけば、
常に半角コードとして扱えるようになります。
そのうえで、VLOOKUP や XLOOKUP の検索キーとして使えば、
「全角と半角の違いでヒットしない」問題を防ぎやすくなります。
② 外部データを取り込んだあとに一括で半角化
Webシステムや他のソフトからエクスポートしたデータを
Excelに取り込むと、「全角英数字」「全角スペース」が混ざっていることがあります。
そういう列に対して、隣に ASC をかけた列を作り、
=ASC(元のセル)
をコピーしておけば、
「人が目で見ても違いがわかりにくい全角/半角の違い」を、機械的に揃えることができます。
ASC と JIS の関係(双子みたいな関数)
ASC とよくセットで紹介されるのが JIS関数 です。
ASC
全角 → 半角 に変換する関数。
JIS
半角 → 全角 に変換する関数。
書式はどちらも同じで、
=ASC(文字列) ' 全角→半角
=JIS(文字列) ' 半角→全角
と言う関係になっています。
- システム連携などで「半角必須」 → ASC
- 帳票印刷などで「全角で見た目を揃えたい」 → JIS
というように、用途に応じて使い分けるイメージです。
注意点とちょっとしたコツ
ASCはあくまで「全角⇔半角」まわりの変換用です。
英字の「大文字・小文字の変換」は、UPPER / LOWER / PROPER の出番です。
また、ASCは主に「日本語などのダブルバイト環境」で意味を持つ関数なので、
英語版Excelだけの環境では恩恵が少ないこともあります。
実務的には、
- ASC で全角 → 半角にそろえる
- 必要なら UPPER や LOWER で大文字・小文字をそろえる
- TRIM や SUBSTITUTE で空白や記号も整える
という「前処理セット」のひとつとして覚えておくと、とても役立ちます。
問題1
A2 に「ABC123」という文字列が入っています。
これをすべて半角の「ABC123」に変換する式を書いてください。
=ASC(A2)
問題2
A2 に「Excel2026」という文字列が入っています。
ASC関数を使って半角に変換し、「Excel2026」と表示する式を書いてください。
=ASC(A2)
問題3
A2 に「エクセル カンスウ」という文字列が入っています(全角スペースが含まれています)。
ASC関数を使って、スペースも含めて半角に整える式を書いてください。
=ASC(A2)
問題4
A2 に全角で入力された商品コード「AB1234」が入っています。
B2 に、常に半角に変換された商品コードを表示させたいです。
ASC関数を使った B2 の式を書いてください。
=ASC(A2)
問題5
A2 に全角と半角が混ざった文字列が入っています。
この文字列を「全角→半角」に変換したいときに使う関数名と、その基本構文を書いてください。
関数名:
ASC
構文:
=ASC(文字列)
ASC の本質は、この 1 行です。
=ASC(文字列) ' 全角を半角に変換
たったこれだけで、
「見た目は同じに見えるのに、全角・半角の違いでかみ合わないデータ」を
きちんとそろえてくれます。
日本語環境のExcelでは、地味ですが “必須の前処理関数” として、ぜひ体に覚えさせておいてください。
