概要
「割り算の“商だけ”欲しい」「小数はいらないから、何個分あるかだけ知りたい」
そんなときに使うのが QUOTIENT 関数です。
普通の割り算 / は小数まで返しますが、QUOTIENT は
「割り算の結果の 整数部分だけ(商の整数部) を返し、余りや小数は切り捨てる」関数です。
QUOTIENT 関数の基本
書式と意味
=QUOTIENT(分子, 分母)
分子:割られる数(被除数)
分母:割る数(除数、0 以外)
たとえば、次のように動きます。
=QUOTIENT(5,2) ' 5 ÷ 2 = 2.5 → 商の整数部は 2
=QUOTIENT(10,3) ' 10 ÷ 3 = 3.333… → 商の整数部は 3
=QUOTIENT(A2,B2) ' A2 ÷ B2 の商の整数部
=5/2 なら結果は 2.5 ですが、=QUOTIENT(5,2) は 2 だけを返します。
QUOTIENT と普通の割り算・MOD との関係
普通の割り算 / は「商+小数部分(余りを含んだ値)」を返します。
QUOTIENT は「商の整数部分だけ」、MOD は「余りだけ」を返します。
たとえば 10 ÷ 3 の場合:
=10/3→ 3.333…(商+小数)=QUOTIENT(10,3)→ 3(商の整数部)=MOD(10,3)→ 1(余り)
この 3 つを組み合わせると、
「割り算の結果をどう扱うか」をきれいに分けて考えられます。
実務での使いどころ
「何個分あるか」だけ知りたいとき
例えば、「1箱に 12 個入る」「全部で 100 個ある」とき、
「完全に満たしている箱が何箱あるか」を知りたい場合です。
B2 に総個数、C2 に 1箱あたりの個数が入っているとすると:
=QUOTIENT(B2,C2)
100 ÷ 12 → 商は 8.333… ですが、
QUOTIENT は 8 だけを返します。
「8箱分は完全に埋まっている」という意味になります。
「何セット分」「何ロット分」を計算したいとき
「5個で1セット」「20個で1ロット」など、
“割り切れた分だけ”を知りたいときにも同じ考え方で使えます。
たとえば、A2 に総数、B2 に 1セットあたりの数が入っているなら:
=QUOTIENT(A2,B2)
これで「完全なセット数」だけが分かります。
商と余りを両方使いたいとき
「何箱分あるか(商)」と「余りはいくつか(端数)」を両方知りたいときは、
QUOTIENT と MOD をセットで使うのが定番です。
=QUOTIENT(B2,C2) ' 完全な箱数
=MOD(B2,C2) ' 余りの個数
たとえば 100 個を 12 個ずつに分けると、
QUOTIENT → 8(箱)
MOD → 4(余り)
という形で、きれいに分解できます。
INT や単純な割り算との違い
=INT(5/2) と =QUOTIENT(5,2) は、どちらも結果は 2 になります。
正の数だけを扱うなら、見た目の結果はほぼ同じです。
ただし、QUOTIENT は「割り算の商を求めるための専用関数」として意味がはっきりしているので、
「ここは商を取りたいんだな」と数式から意図が読み取りやすくなります。
コード例・テンプレート
基本:商の整数部分だけを取り出す
=QUOTIENT(A2,B2)
A2 ÷ B2 の「商の整数部」だけを返します。
箱数・セット数を求める
=QUOTIENT(総個数セル, 1箱あたり個数セル)
完全に満たしている箱(セット)の数だけを知りたいときに使います。
商と余りをセットで扱う
=QUOTIENT(総個数セル, 単位セル) ' 商
=MOD(総個数セル, 単位セル) ' 余り
「何単位分あるか」と「端数はいくつか」を同時に管理できます。
例題
問題1
A2 に「10」、B2 に「3」が入っています。
A2 を B2 で割ったときの「商の整数部分」だけを求める式を書いてください。
=QUOTIENT(A2,B2)
問題2
A2 に「5」、B2 に「2」が入っています。
普通の割り算 / と QUOTIENT の違いを確認するために、
それぞれの式を書いてください。
=A2/B2
=QUOTIENT(A2,B2)
(前者は 2.5、後者は 2 になります)
問題3
B2 に「総個数」、C2 に「1箱あたりの個数」が入っています。
「完全に満たしている箱数」だけを求める式を書いてください。
=QUOTIENT(B2,C2)
問題4
B2 に「総個数」、C2 に「1箱あたりの個数」が入っています。
「完全な箱数」と「余りの個数」をそれぞれ求める式を書いてください。
=QUOTIENT(B2,C2) ' 完全な箱数
=MOD(B2,C2) ' 余りの個数
問題5
A2 に「総数」、B2 に「1セットあたりの数」が入っています。
「何セット分あるか(端数は無視)」だけを求める式を書いてください。
=QUOTIENT(A2,B2)
QUOTIENT は、「割り算の“商だけ”をきれいに取り出す」ための専用ツールです。
/、MOD、INT とあわせて頭の中で整理しておくと、「商」「余り」「小数」を自在に切り分けて扱えるようになります。
