概要
「桁数の感覚でデータを見たい」「10 を底にした対数(常用対数)を使いたい」
そんなときに使うのが LOG10 関数(常用対数) です。
LOG10 は、
「底が 10 の対数=常用対数」を返す関数です。
つまり、「10 を何乗したらその数になるか?」という“指数”を教えてくれます。
LOG10 関数の基本
書式と意味
=LOG10(数値)
数値:常用対数を求めたい正の実数(セル参照や計算式でもOK)
たとえば次のように動きます。
=LOG10(10) ' 10 を底にした 10 の対数 → 1
=LOG10(100) ' 10 を底にした 100 の対数 → 2
=LOG10(100000) ' 10 を底にした 100000 の対数 → 5
=LOG10(86) ' 10 を底にした 86 の対数 → 約 1.9345
「10 を何乗したらその数になるか?」という問いに対して、
LOG10 は「その指数」を返している、とイメージすると分かりやすいです。
LOG10 を使うときの注意点
正の数だけが対象
LOG10 の引数(数値)は、必ず「正の実数」である必要があります。
0 以下の数値を渡すと、自然対数 LN と同じくエラーになります。
=LOG10(0) ' → #NUM! エラー
=LOG10(-3) ' → #NUM! エラー
=LOG10("A") ' → #VALUE! エラー
「対数は正の数にしか定義されない」という数学のルールが、そのまま Excel にも反映されています。
LOG10 のイメージと使いどころ
「10 を何乗したらこの数になるか?」という感覚
LOG10 は、桁数の感覚と非常に相性が良いです。
例えば、次のような対応になります。
10^0 = 1 → LOG10(1) = 0
10^1 = 10 → LOG10(10) = 1
10^2 = 100 → LOG10(100) = 2
10^3 = 1000 → LOG10(1000) = 3
10^-1= 0.1 → LOG10(0.1) = -1
10^-2= 0.01 → LOG10(0.01) = -2
「桁が 1 つ増えるごとに、LOG10 の値が 1 増える」という関係になっています。
データのスケールを“桁”で見る
売上、アクセス数、人口、距離など、
桁が大きく変わるデータを扱うとき、LOG10 を取ると「桁の違い」がそのまま数値になります。
=LOG10(A2)
A2 に元データが入っているとして、
LOG10 を取ることで「どのくらいの桁の大きさか」を比較しやすくなります。
LOG10 と LOG 関数の関係
Excel には LOG10 のほかに LOG 関数もあります。
LOG は「任意の底の対数」を求める関数で、底を省略すると 10 が使われます。
=LOG10(A2) ' A2 の常用対数
=LOG(A2) ' 底を省略すると 10 → LOG10(A2) と同じ
=LOG(A2,10) ' 底を明示的に 10 と指定
「常用対数だけ使う」なら LOG10、
「底を変えたい(2 や e など)」なら LOG、
という使い分けになります。
コード例・テンプレート
単純に常用対数を求める
=LOG10(A2)
A2 に入っている正の数値の常用対数を求めます。
10 のべき乗から指数を取り出す
=LOG10(10^B2)
B2 に 3 が入っていれば、10^3 の常用対数は 3 になります。
「10 の何乗か」を LOG10 で取り出しているイメージです。
LOG と同じ結果にする書き方
=LOG10(A2)
=LOG(A2)
=LOG(A2,10)
この 3 つはすべて同じ結果になります(A2 が正の数の場合)。
例題
問題1
A2 に「10」が入っています。
この値の常用対数を求める式を書いてください。
=LOG10(A2)
(結果は 1 になります。)
問題2
A2 に「100」が入っています。
この値の常用対数を求める式を書いてください。
=LOG10(A2)
(結果は 2 になります。)
問題3
A2 に「0.1」が入っています。
この値の常用対数を求める式を書いてください。
=LOG10(A2)
(結果は −1 になります。10^-1=0.1 なので、その指数が返ってきます。)
問題4
A2 に「100000」が入っています。
この値の常用対数を LOG10 で求める式と、LOG 関数だけで同じ結果を出す式を書いてください。
=LOG10(A2)
=LOG(A2)
(どちらも結果は 5 になります。
問題5
A2 に「0」または負の数が入っている場合、=LOG10(A2) を計算するとどうなるか、エラーの種類を答えてください。
0 以下の数値に対して LOG10 を計算すると、常用対数が定義されないため #NUM! エラーになります。
LOG10 は、「10 を何乗したらこの数になるか?」という“桁の感覚”をそのまま数値にしてくれる関数です。
桁の違いが激しいデータを扱うときや、対数スケールで物事を見たいときに、そっと LOG10 をかけて眺めてみると、世界の見え方が少し変わります。
