概要
COUNTIFSは「複数の条件をすべて満たすセルの件数」を数える関数です。COUNTIFが1条件しか指定できないのに対し、COUNTIFSは複数条件を組み合わせて「AND条件」で判定できます。例えば「地域が東京かつ月が12月の件数」や「金額が100以上かつ備考が空でない件数」など、実務でよく使う集計に役立ちます。
基本の使い方
- 書式:
- 条件範囲n: 判定対象のセル範囲
- 条件n: 判定内容(例: “東京”, “>=100”, “<>”)
=COUNTIFS(条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], …)
- 最小例(2条件):
=COUNTIFS(A2:A200, "東京", B2:B200, "12月")
→ A列が「東京」かつB列が「12月」の件数を返します。
具体例
例1: 地域と月の組み合わせ
=COUNTIFS(A2:A200, "東京", B2:B200, "12月")
- 説明: 地域が東京かつ月が12月の件数。
例2: 数値条件の組み合わせ
=COUNTIFS(C2:C200, ">=100", D2:D200, "<=500")
- 説明: 金額が100以上かつ500以下の件数。
例3: 日付範囲の判定
開始日がH1、終了日がH2
=COUNTIFS(E2:E200, ">=" & H1, E2:E200, "<=" & H2)
- 説明: H1〜H2の期間内に該当する件数。
例4: 空白/非空の判定
=COUNTIFS(F2:F200, "<>")
- 説明: F列で空白でないセルの件数。
作業効率のコツ
- 条件をセル参照にして柔軟に変更
=COUNTIFS(A2:A200, H1, B2:B200, H2)
→ H1やH2に条件を入力すれば式を直さず変更可能。
- 絶対参照で範囲固定
=COUNTIFS($A$2:$A$200, H1, $B$2:$B$200, H2)
→ コピーしても範囲がズレません。
- テーブル(構造化参照)で見やすく
=COUNTIFS(売上[地域], "東京", 売上[月], "12月")
よくあるつまずきと対策
- 範囲のサイズ不一致
- 原因: 条件範囲の行数が合計範囲と異なる。
- 対策: 同じ開始行・終了行で揃える。
- 数値に見える文字列が混在
- 原因: “123”が文字列扱い。
- 対策: VALUE関数で数値化、入力規則で統一。
- 日付判定が効かない
- 原因: テキスト日付やロケール差。
- 対策: セル参照で比較(”>=” & H1)。
- OR条件にしたい
- 対策: COUNTIFSはANDのみ。ORは式を足し合わせる。
=COUNTIFS(A2:A200, "東京") + COUNTIFS(A2:A200, "大阪")
応用テンプレート
- 複数条件で非空判定
=COUNTIFS(A2:A200, "東京", B2:B200, "12月", C2:C200, "<>")
- 期間+カテゴリの組み合わせ
=COUNTIFS(D2:D200, ">=" & H1, D2:D200, "<=" & H2, E2:E200, "食品")
- 複数列を同じ条件で判定
=COUNTIFS(A2:A200, "東京", B2:B200, "東京")
練習問題
- 問題1: A列=地域、B列=月。地域が「東京」かつ月が「12月」の件数をA201に表示してください。
- 解答例:
=COUNTIFS(A2:A200, "東京", B2:B200, "12月")
- 問題2: C列=金額、D列=備考。金額が100以上かつ備考が空でない件数をC201に表示してください。
- 解答例:
=COUNTIFS(C2:C200, ">=100", D2:D200, "<>")
- 問題3: E列=日付。H1〜H2の期間内の件数をE201に表示してください。
- 解答例:
=COUNTIFS(E2:E200, ">=" & H1, E2:E200, "<=" & H2)
- 問題4: テーブル「売上」で、地域が「東京」かつカテゴリが「食品」の件数をH2に表示してください。
- 解答例:
=COUNTIFS(売上[地域], "東京", 売上[カテゴリ], "食品")
まとめ
- 複数条件の件数:
=COUNTIFS(範囲1, 条件1, 範囲2, 条件2, …) - AND条件: すべて満たす行だけカウント
- OR条件: 式を加算して作る
- セル参照やテーブル参照: 可読性・保守性が向上
