Javaの変数を、初心者向けにやさしく解説
変数は「コードの中で値を覚えておくための箱」。ここをつかめば、急に景色が広がります。実例で一緒にイメージを固めましょう。
変数の基本アイデア
- イメージ:
変数は「名前つきの箱」。箱にはひとつの値だけが入ります。新しい値を入れると、前の値は上書きされます。 - 使う理由:
計算結果や入力値を保管して、あとで再利用したり、分かりやすい名前で扱えるようにするため。 - よく使う場面:
合計・平均の計算、条件分岐の判定、繰り返し処理のカウンター、メッセージの組み立てなど。
宣言・代入・参照を順に体験
まずは最小の例
int age; // 宣言:整数を入れる箱 "age" を作る
age = 20; // 代入:age に 20 を入れる
System.out.println(age); // 参照:中身(20)を使う
Java- 宣言:
型と名前で「箱を作る」。例:int age; - 代入:
代入演算子=は「右の値を左の箱に入れる」。例:age = 20; - 参照:
変数名を書くと中身を取り出して使える。例:System.out.println(age);
よく使うデータ型
- int:
整数。例:int count = 3; - double:
小数。例:double price = 199.5; - char:
1文字。例:char grade = 'A';
文字はシングルクォートで囲む。 - String:
文字列(文章)。例:String name = "Taro";
文字列はダブルクォートで囲む。
ヒント: 型は「箱の種類」。種類が違うと入れられるものが変わります。
例題で理解を深める
例題1:合計と平均を計算
int m1 = 58;
int m2 = 72;
int m3 = 90;
int sum = m1 + m2 + m3; // 合計を箱に入れる
double avg = sum / 3.0; // 3.0 にすることで小数の平均になる
System.out.println("合計: " + sum);
System.out.println("平均: " + avg);
Java- ポイント:
整数同士の割り算は小数が切り捨てられるので、3.0のように小数を混ぜてdoubleの計算にする。
例題2:メッセージを組み立てる
String user = "Hanako";
int level = 5;
System.out.println("ようこそ " + user + " さん!レベルは " + level + " です。");
Java- ポイント:
+で文字列と他の値をつなげると、ひとつの文章になる。
例題3:値の上書き(変数は1つの値だけ)
int coins = 10;
coins = coins + 5; // 10 に 5 を足して 15 を再代入
System.out.println(coins); // 15
coins = 1; // 古い値(15)は消えて、今は 1
System.out.println(coins); // 1
Java- ポイント:
「今の中身を使って新しい中身を作り、上書きする」パターンはよく使う。
初心者がつまずきやすいポイント
- 型と値のミスマッチ:
int age = "20";は誤り(文字列は String)。正しくはint age = 20;またはString ageText = "20"; - クォートの使い分け:
1文字は'A'(char)、文字列は"Hello"(String)。ダブルとシングルの違いに注意。 - 未初期化の参照:
宣言だけして値を入れないと、使う場所によってはエラーに。例:int x; System.out.println(x);はNG。最初の値を入れてから使う。 - 整数割り算の落とし穴:
5 / 2は2(整数)になります。小数が欲しいなら5.0 / 2や((double)5) / 2。 - 変数名のルール:
英数字と_が使える。先頭に数字は不可。意味のある名前にする(sum,count,userNameなど)。
練習問題
問題1:税込価格を計算
- 課題: 本体価格
int price = 1200;、消費税率double taxRate = 0.1;として、税込価格を計算して表示してください。 - 模範コード:
int price = 1200;
double taxRate = 0.1;
double taxIncluded = price * (1 + taxRate);
System.out.println("税込価格: " + taxIncluded);
Java問題2:あいさつ文の生成
- 課題: 名前
String name = "Sato";と年齢int age = 16;を使って、「Satoさんは16歳です。」と表示してください。 - 模範コード:
String name = "Sato";
int age = 16;
System.out.println(name + "さんは" + age + "歳です。");
Java問題3:カウンターの増減
- 課題:
int counter = 0;から始めて、3回増やして1回減らし、最終値を表示してください。 - 模範コード:
int counter = 0;
counter = counter + 1;
counter = counter + 1;
counter = counter + 1;
counter = counter - 1;
System.out.println("最終値: " + counter); // 2
Java小さなステップで書いてみる(全体例)
public class Main {
public static void main(String[] args) {
// 1) 変数を宣言
String title = "買い物リスト";
int apples = 3;
double applePrice = 120.5;
// 2) 計算して新しい変数に保存
double total = apples * applePrice;
// 3) 結果をわかりやすく表示
System.out.println(title);
System.out.println("りんごの個数: " + apples);
System.out.println("単価: " + applePrice);
System.out.println("合計金額: " + total);
}
}
Java- 流れを意識:
宣言 → 値を入れる → 計算 → 表示。箱に名前を付けて、意味のある手順を作ると迷いにくくなります。
次の一歩
- 型をもう少し:
boolean(真偽値)や、var(型推論・Java 10以降)もありますが、まずはint / double / Stringを使いこなすのがおすすめ。 - 練習のコツ: 小さく動かして、表示して、確かめる。変数の中身が「今どうなっているか」を常に確認する癖をつけると、急に理解が深くなります。

