Javaの変数をゼロから理解する
最初は「変数ってなんだろう?」がぼんやりしがち。箱のイメージで捉えると一気に分かりやすくなります。ここでは、初心者でもつまずかないように、例題を交えながら丁寧に説明します。
変数とは何か
- ざっくりイメージ: 変数は「データを入れる箱」。箱には名前と入れられるものの種類(型)が決まっています。
- なぜ必要: 計算した結果や入力された値を、後で使うために覚えておく場所が必要だから。
- ルールの核心: 「型」と「名前」を宣言してから使う。順番が命。
変数の宣言と代入
- 宣言の基本形:
型 変数名;
Java例:
int age; // 整数用の箱
char initial; // 1文字用の箱
Java- 値の代入:
age = 20; // ageという箱に20を入れる
initial = 'A'; // 1文字は必ずシングルクォート
Java- 宣言+代入を一度に:
int height = 172; // 作ってすぐ入れる
Java- 同じ型をまとめて宣言:
int x, y, z;
Java- よくあるエラー:
count = 0; // まだ宣言していない → エラー
Java代表的な型(初心者がまず覚える4つ)
- int: 整数。例:-3, 0, 42
- double: 小数。例:3.14, 0.5
- boolean: 真偽値。例:true, false
- char: 1文字。例:’A’, ‘あ’
文字列(文章)は型が違います。文字列は String(参照型)ですが、入門の最初は int/double/boolean/char をしっかり押さえましょう。
Java 10以降の型推論(var)
- ポイント:
varを使うと型を省略できる。右辺の値から自動で型が決まる。
var age = 20; // int と判断
var pi = 3.14; // double と判断
var ok = true; // boolean と判断
var initial = 'A'; // char と判断
Java- 注意点:
- 右辺が必要:
var x;は不可。必ず代入しながら宣言する。 - 一度決まった型は固定:
var age = 20; age = 3.5;は不可(最初にintと決まっている)。
- 右辺が必要:
例題で身につける
例題1: 年齢と身長を出力する
class Example1 {
public static void main(String[] args) {
int age = 20; // 年齢(整数)
int height = 184; // 身長(整数)
System.out.println("年齢: " + age);
System.out.println("身長: " + height + "cm");
}
}
Java- ポイント: 同じ型ならまとめてもOKだが、初心者は1行ずつが読みやすい。
例題2: BMIを計算する(整数と小数の違い)
class Example2 {
public static void main(String[] args) {
double weight = 60.0; // 体重(kg)
double heightM = 1.70; // 身長(m)
double bmi = weight / (heightM * heightM);
System.out.println("BMI: " + bmi);
}
}
Java- ポイント: 小数の計算には double を使う。int だと小数が切り捨てられてしまう。
例題3: 条件で表示を変える(boolean)
class Example3 {
public static void main(String[] args) {
int age = 18;
boolean isAdult = age >= 20; // 成人かどうか
if (isAdult) {
System.out.println("成人です");
} else {
System.out.println("未成年です");
}
}
}
Java- ポイント: 比較の結果は true/false。条件式の結果を変数に入れると読みやすい。
例題4: 文字と文字列の違い(char と String)
class Example4 {
public static void main(String[] args) {
char grade = 'A'; // 1文字
String name = "Suzuki"; // 文字列(複数文字)
System.out.println("名前: " + name + ", 成績: " + grade);
}
}
Java- ポイント: char は『1文字』、String は『文章』。クォートの種類に注意(’ と “)。
例題5: varでスッキリ書く
class Example5 {
public static void main(String[] args) {
var price = 1200; // int
var taxRate = 0.1; // double
var withTax = price + (int)(price * taxRate);
System.out.println("税込価格: " + withTax + "円");
}
}
Java- ポイント:
varでも型は存在する。計算の途中で型が合わない時は明示的に型変換する。
初心者がつまずきやすいポイント
- 宣言忘れ: 使う前に必ず宣言。エラーは「シンボルが見つからない」などで出る。
- 型の不一致:
intに小数は入らない。必要なら(int)で小数を切り捨てるなど、型変換を使う。 - 文字と文字列の混同:
'A'は char、"A"は String。クォートの種類が違う。 - varの誤用:
var x;は不可。右辺の値で型が決まるので、初期化必須。
手を動かすミニ課題
- 課題1: あなたの「名前(String)」「年齢(int)」「身長(double)」を変数に入れて、自己紹介を表示する。 ヒント:
String name = "Tanaka"; int age = 25; double height = 1.72; System.out.println("私は" + name + "です。年齢は" + age + "歳、身長は" + height + "mです。"); - 課題2: りんご1個120円、みかん1個80円。りんご3個、みかん2個買った時の合計金額を計算して表示する(intでOK)。 ヒント:
int applePrice = 120; int orangePrice = 80; int total = applePrice * 3 + orangePrice * 2; System.out.println("合計: " + total + "円"); - 課題3: テストの平均点(double)を計算し、小数点以下2桁で表示してみる。 ヒント(丸めの一例):
double avg = (78 + 92 + 85) / 3.0; System.out.println(String.format("平均: %.2f", avg));
まとめの指針
- 宣言 → 代入 → 利用 の順序を守る。
- 型はデータの性質に合わせる: 整数は int、小数は double、真偽は boolean、1文字は char。
varは便利だが型は消えない: 右辺が型を決め、途中で変えられない。
