練習問題 — 「どのメソッドを使う？」クイズ（解答＋解説付き）
学んだことを定着させるには問題を解くのが一番。以下は段階的に難しくなる 10問 のクイズです。
各問題は「どのメソッドを使うべきか（複数選択可）」を問います。まず自分で考えてから解答と解説を読んでください。最後に「使い分けの早見表」も付けます。
問題1（超基本）
配列 ['red','green','blue'] に 'green' が含まれているかだけを調べたい。どのメソッドを使う？
A. indexOf('green')
B. includes('green')
C. find(u => u === 'green')
解答・解説
正解：B（includes）（A も可だが B が最もシンプル）
includes()は存在チェックに最適でtrue/falseを返します。indexOf()でも可能（!== -1）ですが読みやすさでincludesが推奨。
const arr = ['red','green','blue'];
console.log(arr.includes('green')); // true
問題2（位置が欲しい）
配列 ['a','b','c','b'] で 'b' が最初に出るインデックスを知りたい。どれを使う？
A. indexOf('b')
B. lastIndexOf('b')
C. findIndex(x => x === 'b')
解答・解説
正解：A または C（どちらでも）
indexOf('b')が一番シンプル。findIndex(x => x==='b')でも同じ結果になります。lastIndexOfは最後に出る位置を返すので不適。
const arr = ['a','b','c','b'];
console.log(arr.indexOf('b')); // 1
問題3（最後に出る位置）
['x','y','x','z'] で 'x' が最後に出る位置を知りたい。どれ？
A. indexOf('x')
B. lastIndexOf('x')
C. findIndex(x => x === 'x')
解答・解説
正解：B（lastIndexOf）
lastIndexOfは右側から検索して最後に現れる位置を返します。
const arr = ['x','y','x','z'];
console.log(arr.lastIndexOf('x')); // 2
問題4（オブジェクトを条件で探す）
ユーザー配列 [{name:'A',age:17},{name:'B',age:21}] で 最初に age >= 20 の人 のオブジェクトを取り出したい。どれ？
A. includes()
B. find(u => u.age >= 20)
C. indexOf({name:'B',age:21})
解答・解説
正解：B（find）
- 条件でオブジェクトを探す場合は
find（要素そのものを返す）。indexOfはオブジェクトの参照一致しか見ないので使えない。
const users = [{name:'A',age:17},{name:'B',age:21}];
console.log(users.find(u => u.age >= 20)); // {name: "B", age: 21}
問題5（条件の「位置」を知りたい）
同じ users 配列で 年齢 >= 20 の最初の人のインデックス を知りたい。どれ？
A. find()
B. findIndex(u => u.age >= 20)
C. indexOf(u => u.age >= 20)
解答・解説
正解：B（findIndex）
findIndexは条件に合う要素のインデックスを返します。indexOfは値（===）比較のみなのでコールバックは取れません。
console.log(users.findIndex(u => u.age >= 20)); // 1
問題6（NaNの検出）
配列 [NaN] で NaN が含まれているか確かめたい。どれを使う？
A. indexOf(NaN)
B. includes(NaN)
C. find(x => Number.isNaN(x))
解答・解説
正解：B または C（A は不可）
indexOf(NaN)は-1を返す（NaN === NaNが false）。includes(NaN)はtrue（ES6仕様）。またfind(x => Number.isNaN(x))でも検出可。
console.log([NaN].includes(NaN)); // true
console.log([NaN].find(x => Number.isNaN(x))); // NaN
問題7（重複除去）
配列 [1,2,1,3] から 重複を取り除きたい。indexOf を使った方法の意図はどれか？
A. arr.filter((v,i,self) => self.indexOf(v) !== i)
B. arr.filter((v,i,self) => self.indexOf(v) === i)
C. arr.find(v => self.indexOf(v) === i)
解答・解説
正解：B
filterの中で「その値が配列の最初に現れた位置と今の位置が同じ」なら最初の出現なので残す。A は逆で重複だけ残してしまう。
const arr = [1,2,1,3];
const uniq = arr.filter((v,i,self) => self.indexOf(v) === i); // [1,2,3]
問題8（真偽値 vs 要素）
「配列に条件を満たす要素が1つでもあるかどうか（true/false）」を調べたい。どれが適切？
A. find()
B. some()
C. includes()
解答・解説
正解：B（some）
someは条件に合うものがあればtrueを返す。find()はその要素自体を返す（存在の真偽は!!find(...)で取れるがsomeが直感的）。
const users = [{age:10},{age:30}];
console.log(users.some(u => u.age >= 20)); // true
問題9（複雑な条件での存在チェック）
「名前が ‘Taro’ かつ age >= 18 のユーザーがいるか」を素早く調べたい。推奨は？
A. users.find(u => u.name === 'Taro' && u.age >= 18)
B. users.some(u => u.name === 'Taro' && u.age >= 18)
C. users.includes({name:'Taro', age:18})
解答・解説
正解：B（some） が読みやすく直感的。A（find） も使える（true/false が必要なら !! を付ける）。C はオブジェクト参照比較なので不可。
console.log(users.some(u => u.name === 'Taro' && u.age >= 18)); // true/false
問題10（選択問題：最適なメソッドを選べ）
あなたは次の処理をしたい：
「ユーザー配列から、スコアが 80 以上の最初のユーザーの インデックス を取得し、存在すればそのユーザーを削除する（splice を使う）」。どの組み合わせが最も適切？
A. findIndex() でインデックスを取得 → splice
B. find() で要素を取得 → indexOf で位置を取得 → splice
C. includes() で存在チェック → findIndex() → splice
解答・解説
正解：A（findIndex → splice） が簡潔で効率的。B は二度手間（オブジェクトが同一参照なら機能するが冗長）。C は includes は値などの単純比較向けで無駄。
const idx = users.findIndex(u => u.score >= 80);
if (idx !== -1) users.splice(idx, 1);
最後に：クイック早見表（覚えやすいまとめ）
includes(val)→ 存在チェック（true/false）indexOf(val)→ 値の最初の位置（インデックス）lastIndexOf(val)→ 値の最後の位置find(callback)→ 条件を満たす要素（そのもの）findIndex(callback)→ 条件を満たす要素の位置some(callback)→ 条件に合う要素があるか（true/false）