ここでは「Python の三連引用符(トリプルクオーテーション)」を、
プログラミング初心者にもわかるように やさしく解説+練習問題+解答解説 をセットでまとめます。
三連引用符とは?
Python で文字列を表すときは、ふつうこんなふうに書きますね。
msg = "こんにちは"
Pythonでも、もし次のような 複数行の文章 を変数に入れたいとしたらどうしますか?
こんにちは。
明日の予定は次の通りです。
・10時 ミーティング
・13時 ランチ
・15時 面談
これを "..." の中に入れると、途中の改行でエラーになってしまいます。
そこで使えるのが…
三連引用符(トリプルクオーテーション)
三連引用符とは:
""" 〜〜〜 """
Pythonまたは
''' 〜〜〜 '''
Pythonのように、引用符を 3つ連続 で書く方法です。
これを使うと、改行をそのまま文字列に入れられます!
例1:複数行の文章をそのまま文字列にする
message = """こんにちは。
明日の予定は次の通りです。
・10時 ミーティング
・13時 ランチ
・15時 面談"""
print(message)
Python実行結果:
こんにちは。
明日の予定は次の通りです。
・10時 ミーティング
・13時 ランチ
・15時 面談
ポイント:
- 改行(Enter)を入れてもOK!
print()したときに、そのまま改行付きで出力されます。
例2:「”」や「’」もそのまま使える
text = """Pythonの"print"関数は文字を表示します。
'こんにちは' と表示したいときに使います。"""
print(text)
Python💡 通常の文字列では "や' を入れるときにエスケープが必要ですが、
三連引用符ではそのまま書いてOKです。
注意:最初の改行に気をつけよう
msg = """
こんにちは。
今日はいい天気ですね。
"""
print(msg)
Python出力結果:
こんにちは。
今日はいい天気ですね。
先頭に 余分な空行(改行) が入っています。
対策はこう👇
三連引用符の直後に バックスラッシュ(\) を入れます。
msg = """\
こんにちは。
今日はいい天気ですね。
"""
print(msg)
Pythonこれで先頭の空行がなくなります。
練習問題(基礎〜応用)
問題1(基礎)
次の文章を 三連引用符を使って 変数 note に代入し、出力してください。
こんにちは。
Pythonの学習を始めましょう!
問題2(基礎)
以下のコードのエラーを直して、正しく複数行文字列を出力してください。
message = "今日の予定は次の通りです。
10時: ミーティング
13時: 昼食"
print(message)
Python問題3(応用)
以下のように出力されるようにコードを完成させてください。
"Python"はとても楽しい!
'print'関数を使って表示しよう。
ヒント:
三連引用符の中では、”や’を自由に使えます。
問題4(応用)
次のコードは、最初に余分な空行が入ってしまいます。
バックスラッシュを使って修正 してください。
text = """
複数行文字列のテストです。
この行から始まるようにしましょう。
"""
print(text)
Python解答と解説
解答1
note = """こんにちは。
Pythonの学習を始めましょう!"""
print(note)
Python💡 解説:
- 三連引用符を使えば改行をそのまま入れられます。
- 改行文字
\nを書かなくても自動で改行されます。
解答2
message = """今日の予定は次の通りです。
10時: ミーティング
13時: 昼食"""
print(message)
Python💡 解説:
- 通常の
"..."では改行を含められないので、エラーになります。 - 三連引用符に変えるだけでOK。
解答3
msg = """ "Python"はとても楽しい!
'print'関数を使って表示しよう。"""
print(msg)
Python💡 解説:
"..."文字列では中に ” を入れるとエラーですが、- 三連引用符なら ” と ‘ の両方が使えます。
解答4
text = """\
複数行文字列のテストです。
この行から始まるようにしましょう。
"""
print(text)
Python💡 解説:
"""の直後に改行があると、空行が出力されます。"""\\と書くと、先頭の改行をスキップできます。
まとめ(初心者ポイント)
| 内容 | 説明 |
|---|---|
"""...""" | 複数行の文字列を表す |
'""'や"''" | どちらもOK |
| 改行を保持 | 書いた通りに改行される |
| 先頭の改行防止 | """\\ を使う |
| 便利な使いどころ | 長い説明文・メール文・テンプレート文字列など |
