代入文と「=」の意味(初心者向け)
「=」は“等しい”ではなく、“右の結果を左の変数に入れる(代入する)”記号です。ここを掴むと、変数の更新やループが一気にわかりやすくなります。
「=」は等号じゃなくて代入
- イメージ:
「A = B + 3」は「B + 3を計算して、その結果をAという箱にしまう」動作です。
いったん入れた値は、Aを更新しない限りそのままです。 - 例題 1:値は自動で連動しない
- ポイント:
Aに入ったのは「代入した瞬間のBの値」。あとでBが変わっても、Aは勝手に追従しません。
- ポイント:
B = 200
A = B + 3 # ここでAは203になる
B = 300 # Bを後から300に更新
print(A) # Aは203のまま(自動では変わらない)
Python変数を更新したければ「再代入」する
- 考え方:
新しい状態を反映したいなら、もう一度「=」で代入します。 - 例題 2:再代入で最新の値にする
B = 300
A = B + 3 # ここでAは303に更新される
print(A) # 303
Python- よく使うパターン:
「A = A + 1」は「Aに1を足して、その結果でもう一度Aに入れる」という意味。カウンターの基本。
A = 1000
A = A + 1 # Aは1001
A = A + 1 # Aは1002(1ずつ増える)
Python省略記法「+=」「-=」など
- 読み方:
「A += 1」は「A = A + 1」とまったく同じ意味で、短く書けます。 - 例題 3:省略記法の練習
count = 0
count += 1 # count = count + 1 と同じ
count += 5 # さらに5加える -> 6
count -= 2 # 2引く -> 4
print(count) # 4
Pythonよくあるつまずきポイント
- 「A = B」はコピーであって、リンクじゃない(数値や文字列の場合)
代入時の値がAに入るだけ。Bを変えてもAは自動では変わらない。 - 「A = A + 1」は数学では矛盾でも、プログラムでは“更新”
右側を先に計算→結果を左側へ代入、の順番で動くから成立します。 - 右辺は“その瞬間の”値で計算される
プログラムは上から順に「今の値」で動く。1行ずつの積み重ね。
例題で身につける
例題 4:合計点を更新する
- 狙い: 代入と再代入の感覚をつかむ
total = 0 # 最初は0点
quiz = 30
total = total + quiz # 30点足す -> totalは30
quiz = 40
total = total + quiz # さらに40点足す -> totalは70
print(total) # 70
Python- 学び: 「合計 = 合計 + 新しい点数」という更新パターンが基本。
例題 5:ループでカウンター
- 狙い: A = A + 1 を繰り返して数える
count = 0
for i in range(5): # 5回繰り返す
count = count + 1
print(count) # 5
Python- 発展: 省略記法なら
count += 1。
例題 6:価格の更新(税率変更)
- 狙い: 「その時点の値」で再計算する感覚
price = 1000
tax_rate = 0.10
final = price * (1 + tax_rate) # 1100
tax_rate = 0.12 # 税率が変わった
# finalは自動で変わらない。再代入が必要
final = price * (1 + tax_rate) # 1120
print(final) # 1120
Python- 学び: 値が変わったら、必要な式をもう一度代入して更新する。
小テスト(手で予想してみる)
- 問題: 次の出力は?
x = 5
y = x + 2 # yは?
x = 10 # xを更新
print(y) # yは?
Python- 答え: y は 7。最初の代入時点の x=5 で計算されたから。
覚え方のコツ
- 合言葉: 「= は等号じゃない。右を計算して左に入れる。」
- 順序: 「右側を計算 → 左側へ“上書き”」の一歩ずつ。
- 更新: 値を変えたら、必要な変数に「再代入」して追いつかせる。
- 頻出: カウンターは
A = A + 1(またはA += 1)。合計はsum = sum + 値。
この感覚が身につくと、ループ、集計、状態更新がスムーズに書けるようになります。
