4日目のゴールと今日やること
4日目のテーマは
「“値に名前をつけて”、少しだけ“プログラムっぽさ”を上げること」 です。
1〜3日目は、すべてを print(...) の中に直接書いていました。
4日目はそこから一歩進めて、
- 計算結果や文字に「名前(変数)」をつける
- その名前を使って
printする - 「値を一度メモしてから使う」感覚をつかむ
ここまでを狙います。
新しいキーワードは 「変数」。
でも、難しく考える必要はありません。
「値にラベルを貼る」くらいのイメージでいきます。
変数とは何かをイメージでつかむ
値に「名前のついた箱」を用意する
まず、ことばよりもコードで見てみましょう。
minutes_per_day = 60
print(minutes_per_day)
Pythonこの2行で、Python はこう動きます。
minutes_per_day = 60
→minutes_per_dayという名前の「箱」に、60 という数字を入れるprint(minutes_per_day)
→minutes_per_dayの中身(60)を取り出して表示する
ここでのポイントは、
=は「イコール」ではなく、「代入(入れる)」の記号- 左側:箱の名前(変数名)
- 右側:入れたい値
という構造になっていることです。
人間の言葉にすると、
minutes_per_day = 60
Pythonは、
「minutes_per_day という名前で 60 を覚えておいて」
という命令です。
変数を使うメリットをざっくり掴む
変数を使うと、こういうことができます。
minutes_per_day = 60
days = 7
total_minutes = minutes_per_day * days
print("1 日あたりの学習時間(分):")
print(minutes_per_day)
print("学習日数:")
print(days)
print("合計学習時間(分):")
print(total_minutes)
Python「60」や「7」を直接あちこちに書くのではなく、
意味のある名前をつけてから使っているのが分かると思います。
“値そのもの” ではなく “意味のある名前” で考え始める
これが、まさに「プログラムを書く」という感覚です。
変数の作り方の基本ルール
変数は「名前 = 値」で作る
一番基本の形はこれです。
名前 = 値
Python具体例をいくつか見てみましょう。
age = 30
name = "山田"
study_minutes = 60
Pythonここで大事なのは、
- 数字はそのまま
- 文字列は
" "で囲む
という、これまでのルールがそのまま使われることです。
name = "山田" は OK ですが、name = 山田 は NG です(「山田」という変数を探しに行ってしまう)。
変数の名前のつけ方(超重要ポイント)
Python では、変数名にはいくつかルールがあります。
- 英字(a〜z, A〜Z)、数字、アンダースコア
_が使える - ただし「最初の文字」は数字にできない
- スペースは使えない
例えば、これは OK です。
minutes_per_day = 60
totalMinutes = 420
user_name = "Tanaka"
Pythonこれは NG です。
1day = 1 # 最初が数字
total minutes = 420 # スペースが入っている
Pythonそして何より大事なのは、
「読み返したときに自分で意味が分かる名前にする」 ことです。
a = 60 よりminutes_per_day = 60 のほうが
「何の数字か」が一目で分かります。
「学習時間レポート」を変数ありバージョンにしてみる
これまでの「直書き」バージョン
2〜3日目で、こんなレポートを書きました。
print("1 日あたりの学習時間(分):")
print(60)
print("学習日数:")
print(7)
print("1 週間の合計学習時間(分):")
print(60 * 7)
Pythonこれはこれで良いのですが、
数字が増えてくると、「どれが何だっけ?」となりがちです。
変数に意味のある名前をつけて書き直す
変数を使って書き直すと、こうなります。
minutes_per_day = 60
days = 7
total_minutes = minutes_per_day * days
print("1 日あたりの学習時間(分):")
print(minutes_per_day)
print("学習日数:")
print(days)
print("1 週間の合計学習時間(分):")
print(total_minutes)
Pythonここでの重要ポイントは2つです。
1つ目:計算式が意味で読める
total_minutes = minutes_per_day * days
は、
「合計分数 = 1日あたりの分数 × 日数」
と、そのまま日本語に置き換えられます。
2つ目:数字を1箇所で管理できる
もし「1日あたりの学習時間を 90 分に変えたい」と思ったら、minutes_per_day = 60 の 60 を 90 に変えるだけでOKです。
その下の total_minutes の計算も、
自動で新しい値になります。
変数を使うと、
「意味で考えられるようになる」+「後から変えやすくなる」
この2つのメリットが手に入ります。
文字列の変数も作ってみる
名前やメッセージを変数に入れる
数字だけでなく、文字列も変数に入れられます。
name = "山田"
course_name = "Python 超初級編"
day = 4
Pythonこれを使って、「今日の状況」を出力してみましょう。
name = "山田"
course_name = "Python 超初級編"
day = 4
print("===== 学習状況 =====")
print()
print("名前:")
print(name)
print()
print("コース:")
print(course_name)
print()
print("今日は:")
print(day)
print("日目です")
Python実行すると、例えばこんな出力になります。
===== 学習状況 =====
名前:
山田
コース:
Python 超初級編
今日は:
4
日目です
ここでのポイントは、
nameやcourse_nameという変数が「意味のあるラベル」として機能しているdayに入っている数字を変えれば、そのまま「今日は何日目」が変わる
ということです。
変数を変えれば「同じプログラムを違う人用」にできる
例えば、別の人がこのコードを使いたくなったら、
上の3行だけ変えればいいわけです。
name = "佐藤"
course_name = "Python 超初級編"
day = 2
Pythonプログラムの本体はそのままにして、
「設定部分」だけを書き換えるイメージです。
変数 = 後から変えられる“設定”のようなもの
として捉えると、かなり感覚がつかみやすくなります。
「自分用の学習設定アプリ」を作ってみる
変数で「設定」をまとめて管理する
4日目の仕上げとして、
自分の学習設定を変数にまとめておいて、
レポートとして表示する小さなアプリを作ってみましょう。
# 学習の基本設定
name = "あなたの名前"
minutes_per_day = 60
days = 7
course_name = "Python 超初級編"
# 計算
total_minutes = minutes_per_day * days
total_hours = total_minutes / 60
# レポート表示
print("===== 学習設定レポート =====")
print()
print("名前:")
print(name)
print()
print("コース名:")
print(course_name)
print()
print("1 日あたりの学習時間(分):")
print(minutes_per_day)
print()
print("学習日数:")
print(days)
print()
print("合計学習時間(分):")
print(total_minutes)
print("合計学習時間(時間):")
print(total_hours)
Pythonここでやっていることを整理すると、
- いちばん上に「学習の設定」の変数をまとめて書いている
- その設定を使って、下のほうで計算している
- 最後に、レポートとして表示している
という3段構成になっています。
コードを「3つのゾーン」に分けて見てみる
このプログラムは、ざっくり次のように分けられます。
設定ゾーン(変数に値を入れる)
name = ...
minutes_per_day = ...
days = ...
course_name = ...
Python計算ゾーン(設定を使って結果を出す)
total_minutes = minutes_per_day * days
total_hours = total_minutes / 60
Python表示ゾーン(設定と結果を画面に出す)
print("===== 学習設定レポート =====")
...
Pythonこの「3つのゾーン」を意識できるようになると、
プログラム全体が一気に読みやすくなります。
4日目で特に深く理解してほしいポイント
1つ目:変数は「ラベルのついた値」
minutes_per_day = 60 は、
「60 という数字に minutes_per_day というラベルを貼る」
という操作です。
以降、minutes_per_day と書けば、
その場に 60 を書いたのと同じ意味になります。
「生の数字」ではなく、「意味のある名前」で考えられるようになる
これが変数の一番の価値です。
2つ目:変数を変えれば「同じプログラムを別パターン」にできる
同じプログラムでも、
minutes_per_day = 30
days = 14
Pythonのように変数の値を変えれば、
「1日30分を2週間」パターンのレポートに早変わりします。
コードの本体をいじらずに、
“設定だけ変える” という使い方ができるようになります。
3つ目:コードを「設定 → 計算 → 表示」というゾーンで見る
4日目で一番大事にしてほしいのは、
「上から読んだときに、
設定 → 計算 → 表示、の流れになっているか」
という視点です。
これができるようになると、
自分のコードを読み返したときにも「どこを直せばいいか」が分かりやすくなります。
4日目のまとめと、5日目へのつなぎ
4日目であなたは、
名前 = 値という形で、数字や文字列に「意味のある名前(変数)」をつけられるようになった。minutes_per_day * daysのように、「変数同士の計算」で式を“意味で読める”感覚を持てた。- 学習時間レポートを、「直書き数字」から「変数ベース」に書き換え、設定を変えるだけでパターンを切り替えられるようになった。
- コードを「設定ゾーン」「計算ゾーン」「表示ゾーン」に分けて考えることで、プログラム全体を“設計”として捉え始めた。
5日目からは、この変数を使って、
- もう少し複雑な「今日の学習レポート」
- 「何日目か」に応じたメッセージの出し分け(入口)
などに、少しずつ近づいていきます。
最後にひとつ、あなたに問いかけます。
今日の中で、「あ、この数字にちゃんと名前をつけたらスッキリしたな」と感じた箇所はありましたか?
minutes_per_day かもしれないし、total_minutes かもしれないし、day かもしれません。
その「スッキリした感覚」が、
あなたと“プログラムの設計”をつなぐ芯になります。
その感覚を大事にしながら、5日目に進んでいきましょう。

