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Python | elif 節

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2022.05.092025.11.07

ここでは、前回のすべての例について、実際にどの行が評価され、何が起きるかを「トレース（逐次実行の説明）」として示します。各例で代表的な入力ケースを複数用意し、True/False の判定や、実行された行を順番に追っていきます。

1) 基本フローの例（x を分類）
2) 例題1 — 正/負/ゼロ
3) 例題2 — 成績判定（順番が超重要）
4) 例題3 — 文字列の種類（isdecimal / isalpha）
5) 実践例 — BMI（関数＋elif＋入力チェック）
1. トレース例1（入力: 身長=170, 体重=65）
2. トレース例2（入力が不正：身長に "abc"）
6) if を並べる vs elif（独立チェックと排他チェック）
1. トレース（a = 12）
7) 練習問題A〜Dの解答コードのトレース
A：負／ゼロ／正
B：季節（1–12）
C：時間帯の挨拶
D：百の位で分類（3桁想定）
8) 使いこなしのコツ（再確認）

1) 基本フローの例（x を分類）

対象コード：

x = 7  # 仮
if x < 0:
    print("負の数")
elif x == 0:
    print("ゼロ")
elif x < 10:
    print("0より大きく10未満")
else:
    print("10以上")

x = 7  # 仮
if x < 0:
    print("負の数")
elif x == 0:
    print("ゼロ")
elif x < 10:
    print("0より大きく10未満")
else:
    print("10以上")

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トレース例A（x = -3）

x = -3 を代入
if x < 0: → -3 < 0 は True → このブロックを実行
print("負の数") が実行
以降の elif・else は評価しない（ここで終了）

トレース例B（x = 0）

x = 0
if x < 0: → 0 < 0 は False → 次へ
elif x == 0: → 0 == 0 は True → このブロックを実行
print("ゼロ") 実行
以降は評価しない（終了）

トレース例C（x = 7）

x = 7
if x < 0: → False
elif x == 0: → False
elif x < 10: → 7 < 10 は True → このブロックを実行
print("0より大きく10未満") 実行 → 終了

トレース例D（x = 12）

x = 12
if x < 0: → False
elif x == 0: → False
elif x < 10: → 12 < 10 は False
else: に到達 → このブロックを実行
print("10以上") 実行 → 終了

2) 例題1 — 正/負/ゼロ

対象コード：

x = int(input("整数を入力してください: "))
if x > 0:
    print("正の数です")
elif x == 0:
    print("ゼロです")
else:
    print("負の数です")

x = int(input("整数を入力してください: "))
if x > 0:
    print("正の数です")
elif x == 0:
    print("ゼロです")
else:
    print("負の数です")

Python

トレース例（入力: 10）

ユーザー入力 "10" → int("10") で x = 10
if x > 0: → 10 > 0 は True → 実行
print("正の数です") → 終了

トレース例（入力: 0）

x = 0
if x > 0: → False
elif x == 0: → True → 実行
print("ゼロです") → 終了

トレース例（入力: -5）

x = -5
if x > 0: → False
elif x == 0: → False
else: → 実行
print("負の数です") → 終了

3) 例題2 — 成績判定（順番が超重要）

対象コード：

score = int(input("点数を入力: "))

if score >= 90:
    grade = "A"
elif score >= 80:
    grade = "B"
elif score >= 70:
    grade = "C"
elif score >= 60:
    grade = "D"
else:
    grade = "F"

print("評定:", grade)

score = int(input("点数を入力: "))

if score >= 90:
    grade = "A"
elif score >= 80:
    grade = "B"
elif score >= 70:
    grade = "C"
elif score >= 60:
    grade = "D"
else:
    grade = "F"

print("評定:", grade)

Python

トレース例（入力: 95）

score = 95
score >= 90 → True → A を代入
以降の elif はスキップ
print → 評定: A

トレース例（入力: 83）

score = 83
score >= 90 → False
score >= 80 → True → B
残りスキップ → 評定: B

トレース例（入力: 74）

score = 74
>=90 → False
>=80 → False
>=70 → True → C → 評定: C

トレース例（入力: 61）

score = 61
>=90 → F
>=80 → F
>=70 → F
>=60 → T → D → 評定: D

トレース例（入力: 40）

score = 40
すべての elif が False → else 実行 → F → 評定: F

ポイント：高い基準から順に書くから誤判定を防げる。

4) 例題3 — 文字列の種類（isdecimal / isalpha）

対象コード：

s = input("文字列を入力: ")

if s.isdecimal():
    print("数字だけです")
elif s.isalpha():
    print("アルファベット（または文字）だけです")
else:
    print("混合か記号などです")

s = input("文字列を入力: ")

if s.isdecimal():
    print("数字だけです")
elif s.isalpha():
    print("アルファベット（または文字）だけです")
else:
    print("混合か記号などです")

Python

トレース例1（入力: "123"）

s = "123"
s.isdecimal() → True → **「数字だけ」**を出力 → 終了

トレース例2（入力: "abc"）

s = "abc"
isdecimal() → False
isalpha() → True → **「文字だけ」**を出力 → 終了

トレース例3（入力: "あいう"）

s = "あいう"
isdecimal() → False
isalpha() → 多言語文字でも True → 「文字だけ」 → 終了

トレース例4（入力: "abc123"）

s = "abc123"
isdecimal() → False
isalpha() → False
else → 「混合か記号など」

トレース例5（入力: "１２３" ※全角）

s = "１２３"
isdecimal() → True（全角数字も数字扱い）
「数字だけ」 → 終了

5) 実践例 — BMI（関数＋elif＋入力チェック）

対象コード（再掲）：

def calc_bmi(height_cm, weight_kg):
    h = height_cm / 100
    return weight_kg / (h * h)

def bmi_category(bmi):
    if bmi < 18.5:
        return "低体重"
    elif bmi < 25:
        return "普通体重"
    elif bmi < 30:
        return "肥満（1度）"
    else:
        return "肥満（2度以上）"

try:
    h = float(input("身長（cm）を入力: "))
    w = float(input("体重（kg）を入力: "))
    bmi = calc_bmi(h, w)
    print(f"BMI: {bmi:.1f} → {bmi_category(bmi)}")
except ValueError:
    print("数値を正しく入力してください。")

def calc_bmi(height_cm, weight_kg):
    h = height_cm / 100
    return weight_kg / (h * h)

def bmi_category(bmi):
    if bmi < 18.5:
        return "低体重"
    elif bmi < 25:
        return "普通体重"
    elif bmi < 30:
        return "肥満（1度）"
    else:
        return "肥満（2度以上）"

try:
    h = float(input("身長（cm）を入力: "))
    w = float(input("体重（kg）を入力: "))
    bmi = calc_bmi(h, w)
    print(f"BMI: {bmi:.1f} → {bmi_category(bmi)}")
except ValueError:
    print("数値を正しく入力してください。")

Python

トレース例1（入力: 身長=170, 体重=65）

h = 170.0, w = 65.0 を取得
calc_bmi(170.0, 65.0) 呼び出し
- h = 170.0 / 100 = 1.7
- return 65.0 / (1.7 * 1.7) = 65.0 / 2.89 ≒ 22.491…
bmi ≒ 22.491
bmi_category(22.491)
- bmi < 18.5 → False
- bmi < 25 → True → “普通体重” を返す
print(f"BMI: {bmi:.1f} → {カテゴリ}") → BMI: 22.5 → 普通体重

トレース例2（入力が不正：身長に "abc"）

h = float("abc") の変換で ValueError 発生
except ValueError: に飛ぶ
print("数値を正しく入力してください。") 実行 → 終了

6) if を並べる vs elif（独立チェックと排他チェック）

デモ用コード：

a = 12

# 独立チェック（両方出る可能性あり）
if a % 2 == 0:
    print("偶数")
if a > 10:
    print("10より大きい")

# 排他チェック（どれか1つだけ）
if a > 20:
    print("20超")
elif a > 10:
    print("10超20以下")
else:
    print("10以下")

a = 12

# 独立チェック（両方出る可能性あり）
if a % 2 == 0:
    print("偶数")
if a > 10:
    print("10より大きい")

# 排他チェック（どれか1つだけ）
if a > 20:
    print("20超")
elif a > 10:
    print("10超20以下")
else:
    print("10以下")

Python

トレース（a = 12）

独立チェック側
1. a % 2 == 0 → 12 % 2 == 0 は True → 「偶数」出力
2. a > 10 → True → 「10より大きい」出力
  （両方出力される）
排他チェック側
1. a > 20 → False
2. elif a > 10 → True → 「10超20以下」出力
3. 以降スキップ（1つだけ出力）

7) 練習問題A〜Dの解答コードのトレース

A：負／ゼロ／正

x = int(input())
if x < 0:
    print("負")
elif x == 0:
    print("ゼロ")
else:
    print("正")

x = int(input())
if x < 0:
    print("負")
elif x == 0:
    print("ゼロ")
else:
    print("正")

Python

入力 -2 → <0 が True → 「負」
入力 0 → <0 は False、==0 が True → 「ゼロ」
入力 5 → <0 False、==0 False → else → 「正」

B：季節（1–12）

m = int(input("月: "))
if m in (3,4,5):
    print("春")
elif m in (6,7,8):
    print("夏")
elif m in (9,10,11):
    print("秋")
else:
    print("冬")

m = int(input("月: "))
if m in (3,4,5):
    print("春")
elif m in (6,7,8):
    print("夏")
elif m in (9,10,11):
    print("秋")
else:
    print("冬")

Python

入力 4 → in (3,4,5) は True → 「春」
入力 8 → 1つ目 False、2つ目 True → 「夏」
入力 12 → 3つとも False → else → 「冬」
（※ 1–12 以外の値にも「冬」と出るので、実用では入力検証を追加すると良いです）

C：時間帯の挨拶

t = int(input("時（0-23）: "))
if 6 <= t <= 11:
    print("おはよう")
elif 12 <= t <= 17:
    print("こんにちは")
elif 18 <= t <= 23:
    print("こんばんは")
else:
    print("深夜です")

t = int(input("時（0-23）: "))
if 6 <= t <= 11:
    print("おはよう")
elif 12 <= t <= 17:
    print("こんにちは")
elif 18 <= t <= 23:
    print("こんばんは")
else:
    print("深夜です")

Python

入力 7 → 6 <= 7 <= 11 → True → 「おはよう」
入力 15 → 1つ目 False、2つ目 True → 「こんにちは」
入力 22 → 最後の範囲が True → 「こんばんは」
入力 3 → どれも False → else → 「深夜です」

D：百の位で分類（3桁想定）

n = int(input("3桁の整数: "))
hundreds = n // 100
if hundreds == 1:
    print("100台")
elif hundreds == 2:
    print("200台")
else:
    print("その他")

n = int(input("3桁の整数: "))
hundreds = n // 100
if hundreds == 1:
    print("100台")
elif hundreds == 2:
    print("200台")
else:
    print("その他")

Python

入力 145 → hundreds = 1 → 1個目 True → 「100台」
入力 278 → hundreds = 2 → 2個目 True → 「200台」
入力 999 → hundreds = 9 → 両方 False → 「その他」

8) 使いこなしのコツ（再確認）

排他にしたいときは if/elif/else。全部チェックしたいときは if を並べる。
条件の順番は「狭い（優先度が高い）→広い」。
範囲チェーン（< 18.5, < 25, < 30）は上から順に締めていくと読みやすく安全。
文字列判定系は多言語文字や全角の挙動を頭に入れておく。

月	火	水	木	金	土	日
1	2	3	4	5	6	7
8	9	10	11	12	13	14
15	16	17	18	19	20	21
22	23	24	25	26	27	28
29	30	31