Excel VBA | 「変数の宣言と値の代入」を実際に 試せる練習用 Excel ファイルを作る

では、今まで説明した「変数の宣言と値の代入」テーマをもとに、
自分で作れる“練習用 Excel マクロ付きブック（.xlsm）” を
完全初心者向けステップで わかりやすくまとめます。

目標

次の3つのマクロをまとめて1つの練習用Excelブックに作ります。

1. 数値の代入と計算（Example_AddNumbers）
2. 文字列の結合（Example_ConcatStrings）
3. セルへの書き込み（Example_WriteToCell）

完成すると、「ボタンを押すと動くマクロ練習帳」になります。

ステップごとの手順

ステップ1：新しいブックを作る

1. Excel を開く。
2. 空白のブックを作成。
3. ファイルを次の形式で保存：
   名前：変数練習.xlsm
   ファイルの種類：Excel マクロ有効ブック (*.xlsm)

💡（.xlsm で保存しないとマクロが保存されません！）

ステップ2：VBAエディタを開く

1. キーボードで Alt + F11 を押す。
   → VBAエディタが開きます。
2. メニューから「挿入」→「標準モジュール」を選択。
   → 「Module1」が作成されます。

ステップ3：Option Explicit を書く

モジュールのいちばん上に、次の1行を必ず書きましょう：

Option Explicit

Option Explicit

🔍 これがあると「宣言してない変数」を自動検出してくれます。
プログラムの安全装置です。

ステップ4：練習用マクロ3つを貼る

次のコードを Module1 にコピー＆ペーストします。

Option Explicit

' 例1：数値を足す
Sub Example_AddNumbers()
    Dim a As Integer
    Dim b As Integer
    Dim total As Integer

    a = 7
    b = 5
    total = a + b

    MsgBox "a + b = " & total
End Sub

' 例2：文字列をつなげる
Sub Example_ConcatStrings()
    Dim firstName As String
    Dim lastName As String
    Dim fullName As String

    firstName = "太郎"
    lastName = "山田"
    fullName = lastName & " " & firstName

    MsgBox "氏名: " & fullName
End Sub

' 例3：セルに書き込む
Sub Example_WriteToCell()
    Dim ws As Worksheet
    Dim r As Range

    Set ws = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1")
    Set r = ws.Range("A1")

    r.Value = "Hello Excel"
End Sub

Option Explicit

' 例1：数値を足す
Sub Example_AddNumbers()
    Dim a As Integer
    Dim b As Integer
    Dim total As Integer

    a = 7
    b = 5
    total = a + b

    MsgBox "a + b = " & total
End Sub

' 例2：文字列をつなげる
Sub Example_ConcatStrings()
    Dim firstName As String
    Dim lastName As String
    Dim fullName As String

    firstName = "太郎"
    lastName = "山田"
    fullName = lastName & " " & firstName

    MsgBox "氏名: " & fullName
End Sub

' 例3：セルに書き込む
Sub Example_WriteToCell()
    Dim ws As Worksheet
    Dim r As Range

    Set ws = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1")
    Set r = ws.Range("A1")

    r.Value = "Hello Excel"
End Sub

ステップ5：マクロを実行してみる

1. VBA エディタ内で、上のどれかの Sub の中にカーソルを置く。
2. F5 キーを押す。

➡ メッセージボックスやセル書き込みが実行されればOK！

🧩 ステップ6：Excelのボタンから実行できるようにする

① ボタンを作る

1. Excelに戻る（Alt + Q で戻る）。
2. 「開発」タブを表示（ない場合は → ファイル → オプション → リボンのユーザー設定 → 開発タブに✔）。
3. 「挿入」→「フォームコントロール」→「ボタン」をクリック。
4. シート上にボタンをドラッグで描く。

② マクロを割り当て

1. 「マクロの登録」ダイアログが出たら、たとえば Example_AddNumbers を選択。
2. OK を押す。
3. ボタンを右クリック → 「テキストの編集」で「数値を足す」と書き換える。

同じようにして以下のボタンも追加：

• 「文字列をつなげる」 → Example_ConcatStrings
• 「セルに書き込む」 → Example_WriteToCell

🎉 これで、ボタンを押すだけでマクロが実行されます！

ステップ7：保存して完了！

1. Ctrl + S で上書き保存。
2. ファイルを閉じるときに「マクロを有効にしますか？」→「はい」。

これで 「変数練習.xlsm」 が完成です。

さらに応用したい人向け（オプション）

参考：すべてを自動で試す「全実行マクロ」

Sub RunAllExamples()
    Example_AddNumbers
    Example_ConcatStrings
    Example_WriteToCell
End Sub

Sub RunAllExamples()
    Example_AddNumbers
    Example_ConcatStrings
    Example_WriteToCell
End Sub

まとめ