Excel VBA | クラスやモジュール間の公開/非公開

VBAにおける「公開／非公開」の考え方

Excel VBAでは、クラスモジュールや標準モジュールの中で定義したプロシージャや変数を「外部から使えるか／内部だけで使えるか」を制御できます。これが「公開（Public）」と「非公開（Private）」の仕組みです。

基本ルール

• Public
  • どこからでも呼び出せる（他のモジュールやクラスからも利用可能）
  • 例：Public Sub Test()
  • クラスモジュールで Public Property を定義すると、外部からアクセスできるプロパティになる
• Private
  • そのモジュール内だけで有効（外部からは呼び出せない）
  • 例：Private Sub Helper()
  • クラスモジュールで Private Property を定義すると、内部専用のプロパティになる

標準モジュールの場合

' 標準モジュール Module1

Public Sub ShowMessage()
    MsgBox "これは公開メソッドです"
End Sub

Private Sub HiddenMessage()
    MsgBox "これはこのモジュール内でしか呼べません"
End Sub

' 標準モジュール Module1

Public Sub ShowMessage()
    MsgBox "これは公開メソッドです"
End Sub

Private Sub HiddenMessage()
    MsgBox "これはこのモジュール内でしか呼べません"
End Sub

• ShowMessage → 他のモジュールから呼び出せる
• HiddenMessage → Module1の中でしか使えない

クラスモジュールの場合

' クラスモジュール Person

Private name As String

Public Property Get Name() As String
    Name = name
End Property

Public Property Let Name(ByVal value As String)
    name = value
End Property

Private Sub SecretMethod()
    MsgBox "これはクラス内部専用"
End Sub

' クラスモジュール Person

Private name As String

Public Property Get Name() As String
    Name = name
End Property

Public Property Let Name(ByVal value As String)
    name = value
End Property

Private Sub SecretMethod()
    MsgBox "これはクラス内部専用"
End Sub

• Name プロパティ → 外部から obj.Name としてアクセス可能
• SecretMethod → クラス内部でしか使えない

ポイントまとめ

• Public → 外部公開（他モジュールや他クラスから利用可能）
• Private → 内部専用（定義したモジュール／クラスの中だけ）
• 変数も同じ：Public なら他モジュールから参照可能、Private なら内部だけ
• 設計のコツ：
  • 外部に見せたい最小限だけを Public にする
  • 内部処理用は Private にして隠す → カプセル化

👉 つまり「モジュールやクラスの外から使わせたいものはPublic、内部処理だけにしたいものはPrivate」と覚えるとシンプルです。