プログラムが大きくなると、モジュール・関数・変数の名前がバラバラだと管理が難しくなります。そこで「命名規則」をプロジェクト全体で統一することが重要です。初心者向けに整理してみます。
命名規則を統一する目的
- 可読性向上:誰が見ても役割が分かる
- 保守性向上:修正や追加が楽になる
- 衝突防止:同じ名前が重複しないようにする
- 再利用性:他のプロジェクトでも使いやすい
接頭辞(Prefix)の活用
接頭辞を付けることで「何の種類か」がすぐ分かります。
1. モジュール
mod+ 機能名modCalc(計算用モジュール)modData(データ管理モジュール)
2. クラス
cls+ 機能名clsCustomer(顧客クラス)clsOrder(注文クラス)
3. フォーム
frm+ 機能名frmLogin(ログイン画面)frmReport(レポート画面)
4. 変数(ハンガリアン記法の簡易版)
strName(文字列)intCount(整数)rngData(Range型)wsReport(Worksheet型)
名前空間の統一
大きなプロジェクトでは「名前のグループ化」が必要です。
1. プロジェクト接頭辞
- プロジェクト名や略称を先頭に付ける
- 例:
HR_(人事システム)、INV_(在庫管理) HR_CalcSalary(給与計算関数)INV_UpdateStock(在庫更新関数)
- 例:
2. 機能ごとの名前空間
- 機能単位でまとめる
User_(ユーザー関連)Report_(レポート関連)Data_(データ関連)
👉 こうすることで「どの機能に属する処理か」が一目で分かります。
命名ルールの具体例
| 種類 | 命名例 | 説明 |
|---|---|---|
| モジュール | modCalc | 計算処理をまとめたモジュール |
| クラス | clsCustomer | 顧客データを扱うクラス |
| フォーム | frmLogin | ログイン画面 |
| 関数 | Data_GetTotal | データ関連の合計取得 |
| 変数 | intCount | 整数型の件数 |
| 定数 | MAX_COUNT | 最大件数 |
初心者へのアドバイス
- まずは接頭辞を決める(mod, cls, frm, int, strなど)
- プロジェクト名や機能名を統一する(HR_, Data_, Report_など)
- チームでルールを文書化して共有する
- 名前は「短すぎず、長すぎず」意味が分かる程度に
✅ まとめ
- 接頭辞で種類を区別
- 名前空間で機能を整理
- プロジェクト全体で統一ルールを決める


