Excel VBA | If文を使った条件分岐

If文の練習セット（初級〜中級）

「If文（条件分岐）」の内容を 練習問題 → 回答コード → 解説（動きの流れや初心者がつまずく点つき） の形で丁寧にまとめます。

例題①：数値の大小でメッセージを変える

🧠 問題

セル B2 に数値を入力します。
70 以上なら「合格」、それ以外なら「不合格」とメッセージを出すマクロを作りましょう。

✅ 回答コード

Sub CheckPassFail()
    Dim score As Variant
    score = Range("B2").Value

    If score >= 70 Then
        MsgBox "合格です！"
    Else
        MsgBox "不合格です。"
    End If
End Sub

Sub CheckPassFail()
    Dim score As Variant
    score = Range("B2").Value

    If score >= 70 Then
        MsgBox "合格です！"
    Else
        MsgBox "不合格です。"
    End If
End Sub

💬 解説

• If score >= 70 Then
  　→ 70以上かどうかを判断します。
• True のとき → "合格です！" が表示される。
• False のとき → "不合格です。" が表示される。
• Else があるので、どちらか一方のメッセージが必ず表示されます。

🪄初心者ワンポイント

• >= は「以上」。
• > は「より大きい」。
• = は「等しい」です。
• End If を忘れるとエラーになります（VBAでは必須）。

例題②：空白チェック

🧠 問題

セル A2 に何も入力されていなければ「未入力」と表示し、
何か入っていれば「入力済み」と表示するマクロを作ろう。

✅ 回答コード

Sub CheckEmpty()
    If Trim(Range("A2").Value) = "" Then
        MsgBox "未入力です。"
    Else
        MsgBox "入力済みです。"
    End If
End Sub

Sub CheckEmpty()
    If Trim(Range("A2").Value) = "" Then
        MsgBox "未入力です。"
    Else
        MsgBox "入力済みです。"
    End If
End Sub

💬 解説

• Trim() は前後の空白を削除します。空白だけの入力を「空」として扱えます。
• "" は空文字列。つまり「何もない状態」を意味します。
• If文で = “” を使うと、「空かどうか」を判定できる というわけです。

🪄実践のコツ

• データ入力フォームを作るときなどに「未入力チェック」に使えます。
• さらに発展すると Exit Sub で後続処理を止めたりもできます。

例題③：点数でランク判定（ElseIf）

🧠 問題

セル B2 の点数に応じて以下のようにランクを表示する。

✅ 回答コード

Sub JudgeRank()
    Dim s As Variant
    s = Range("B2").Value

    If s >= 90 Then
        MsgBox "Aランクです"
    ElseIf s >= 80 Then
        MsgBox "Bランクです"
    ElseIf s >= 70 Then
        MsgBox "Cランクです"
    Else
        MsgBox "Fランクです"
    End If
End Sub

Sub JudgeRank()
    Dim s As Variant
    s = Range("B2").Value

    If s >= 90 Then
        MsgBox "Aランクです"
    ElseIf s >= 80 Then
        MsgBox "Bランクです"
    ElseIf s >= 70 Then
        MsgBox "Cランクです"
    Else
        MsgBox "Fランクです"
    End If
End Sub

💬 解説

• ElseIf は「それ以外の条件」を順にチェックします。
• 最初に True になったところで処理が実行され、それ以降の ElseIf はスキップされます。
• つまりこの順番がとても大事。上から順に“ふるい落とす”感じです。

🪄よくあるミス

If s >= 70 Then
ElseIf s >= 90 Then   ' ❌順番が逆だと、90以上も70で止まってしまう！

If s >= 70 Then
ElseIf s >= 90 Then   ' ❌順番が逆だと、90以上も70で止まってしまう！

例題④：条件でセルの色を変える

🧠 問題

セル B2 に点数を入力します。
点数に応じて次のように背景色を変えるマクロを作りましょう。

✅ 回答コード

Sub ColorByScore()
    Dim s As Variant
    s = Range("B2").Value

    If Not IsNumeric(s) Then
        MsgBox "数値を入力してください"
        Exit Sub
    End If

    If s >= 90 Then
        Range("B2").Interior.ColorIndex = 4   ' 緑
    ElseIf s >= 70 Then
        Range("B2").Interior.ColorIndex = 6   ' 黄
    Else
        Range("B2").Interior.ColorIndex = 3   ' 赤
    End If
End Sub

Sub ColorByScore()
    Dim s As Variant
    s = Range("B2").Value

    If Not IsNumeric(s) Then
        MsgBox "数値を入力してください"
        Exit Sub
    End If

    If s >= 90 Then
        Range("B2").Interior.ColorIndex = 4   ' 緑
    ElseIf s >= 70 Then
        Range("B2").Interior.ColorIndex = 6   ' 黄
    Else
        Range("B2").Interior.ColorIndex = 3   ' 赤
    End If
End Sub

💬 解説

• IsNumeric() は「数値かどうか」を調べます。
• 点数以外（例：「abc」）が入っていたらエラーになるので、最初にチェック。
• Interior.ColorIndex でセルの背景色を変更できます。
  　（4＝緑、6＝黄、3＝赤）
• Exit Sub はそれ以降の処理を強制終了します。

🪄実用アイデア

• 点数や売上などのデータに自動的に色をつける「自動評価表」づくりに使えます。

例題⑤：偶数・奇数の判定

🧠 問題

セル B2 に数を入力し、
偶数なら「偶数です」、奇数なら「奇数です」と表示する。

✅ 回答コード

Sub EvenOddCheck()
    Dim n As Variant
    n = Range("B2").Value

    If Not IsNumeric(n) Then
        MsgBox "数値を入力してください"
        Exit Sub
    End If

    If n Mod 2 = 0 Then
        MsgBox "偶数です"
    Else
        MsgBox "奇数です"
    End If
End Sub

Sub EvenOddCheck()
    Dim n As Variant
    n = Range("B2").Value

    If Not IsNumeric(n) Then
        MsgBox "数値を入力してください"
        Exit Sub
    End If

    If n Mod 2 = 0 Then
        MsgBox "偶数です"
    Else
        MsgBox "奇数です"
    End If
End Sub

💬 解説

• Mod は「割り算のあまり」を求める演算子。
  　例：5 Mod 2 = 1、6 Mod 2 = 0
• あまりが 0 → 偶数、1 → 奇数
• 数値以外を入力したときのために IsNumeric で安全チェック。

🪄応用

• 番号が奇数の行だけ処理したいとき（例：For ループ＋If Mod 2）にも使えます。

まとめ

学習の次ステップ

If文が分かったら、次は：

• Select Case（多分岐を見やすく書ける）
• For / Do ループと組み合わせる
• 条件によってセル操作・計算を分ける自動処理を作る