早期 return とは何か
早期 return(そうきリターン)とは、関数の処理を途中で打ち切って、すぐに結果を返す書き方です。通常は関数の最後まで処理を進めてから return しますが、条件によって「ここで終わり」と決めることで、コードをシンプルにできます。
基本構文と流れ
関数の中で条件をチェックし、当てはまったらすぐに return します。
function checkAge(age) {
if (age < 0) {
return "年齢が不正です"; // ここで終了
}
if (age < 18) {
return "未成年です"; // ここで終了
}
return "成人です"; // 最後まで来たら返す
}
JavaScriptこのように「条件ごとに早めに返す」ことで、処理の流れが分かりやすくなります。
例題で理解する
例題1:不正な入力をすぐ返す
function divide(a, b) {
if (b === 0) {
return "0では割れません"; // 早期 return
}
return a / b;
}
console.log(divide(10, 2)); // 5
console.log(divide(10, 0)); // 0では割れません
JavaScript割り算で「0で割る」ケースを早めにチェックして、エラーを返しています。
例題2:複雑な条件を整理する
function login(user) {
if (!user) {
return "ユーザーが存在しません";
}
if (!user.active) {
return "アカウントが停止されています";
}
return "ログイン成功";
}
console.log(login(null)); // ユーザーが存在しません
console.log(login({ active: false })); // アカウントが停止されています
console.log(login({ active: true })); // ログイン成功
JavaScript早期 return を使うことで、条件ごとに「すぐ返す」形になり、ネスト(入れ子)が浅くなります。
例題3:ネストを減らす効果
// ネストが深い例
function isAdult(age) {
if (age >= 0) {
if (age >= 18) {
return "成人です";
} else {
return "未成年です";
}
} else {
return "年齢が不正です";
}
}
// 早期 return を使った例
function isAdult(age) {
if (age < 0) return "年齢が不正です";
if (age < 18) return "未成年です";
return "成人です";
}
JavaScript早期 return を使うと、コードがすっきりして読みやすくなります。
早期 return のメリット
コードが読みやすくなる
条件ごとに「ここで終わり」と書けるので、処理の流れが直感的になります。
ネストが浅くなる
if の中にさらに if を書く必要が減り、見通しが良くなります。
エラー処理や例外処理に便利
不正な値や条件をすぐ返すことで、安全に処理を進められます。
まとめ
- 早期 return は「条件を満たしたらすぐに結果を返す」書き方。
- ネストを減らしてコードをシンプルにできる。
- エラー処理や入力チェックに特に役立つ。
初心者は「早期 return は“早めに終わらせる出口”」と覚えると理解しやすいです。
