概要
VALUE関数は「文字列として入力された数値を、本物の数値データに変換する」関数です。Excelでは「123」「2025/12/16」「¥1,234」などが文字列として扱われる場合があります。このままでは計算できません。VALUEを使えば文字列を数値に変換し、四則演算や関数計算に利用できるようになります。
基本の使い方
書式
=VALUE(文字列)
例
=VALUE("123") // 123(数値として扱える)
=VALUE("2025/12/16") // 2025/12/16(日付シリアル値)
=VALUE("12:30") // 0.520833…(時刻の数値)
具体例
文字列の数値を計算に使えるようにする
=VALUE(A2)+100
A2が「”200″」という文字列でも、数値200に変換されて計算できます。
日付文字列を日付データに変換
=VALUE("2025/12/16")
シリアル値「45678」として返され、日付計算に利用可能です。
時刻文字列を時刻データに変換
=VALUE("12:00")
0.5として返され、時間計算に使えます。
応用テンプレート
TRIMやCLEANと組み合わせてクリーン化
=VALUE(TRIM(A2))
余分なスペースを削除してから数値に変換。
SUBSTITUTEで記号を除去してから変換
=VALUE(SUBSTITUTE(B2,"¥",""))
「¥1,234」を「1234」に変換して数値化。
LEFTやRIGHTで部分抽出後に数値化
=VALUE(LEFT(C2,4))
「2025年12月16日」から「2025」を抽出して数値化。
よくあるつまずきと対策
数値に変換できない文字列はエラー
「ABC」など数値に変換できない文字列は#VALUE!エラーになります。IFERRORで保護しましょう。
=IFERROR(VALUE(D2), "")
通貨記号やカンマが邪魔
「¥」「,」があると変換できません。SUBSTITUTEで取り除いてからVALUEを使います。
日付や時刻はシリアル値になる
VALUEで変換すると内部的なシリアル値になります。表示形式を日付や時刻に設定すれば見やすくなります。
例題
問題1: A2セルに文字列「123」が入っています。これを数値に変換してB2に表示してください。
解答例:
=VALUE(A2)
問題2: C2セルに文字列「2025/12/16」が入っています。これを日付データに変換してD2に表示してください。
解答例:
=VALUE(C2)
問題3: E2セルに文字列「¥1,234」が入っています。これを数値に変換してF2に表示してください。
解答例:
=VALUE(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(E2,"¥",""),",",""))
問題4: G2セルに文字列「12:30」が入っています。これを時刻データに変換してH2に表示してください。
解答例:
=VALUE(G2)
問題5: I2セルに文字列「200」が入っています。これに100を加算してJ2に表示してください。
解答例:
=VALUE(I2)+100
まとめ
VALUEは「文字列を数値に変換する」関数で、計算や日付・時刻処理に欠かせません。通貨記号や余分なスペースがある場合はSUBSTITUTEやTRIMと組み合わせると安定します。講師として強調したいのは「VALUEは計算の入り口」。文字列を数値に変換してからこそ、Excelの強力な計算機能をフルに活用できるのです。
