概要
ASC関数は「全角文字を半角文字に変換する」関数です。特に日本語環境で入力された文字列には、全角スペースや全角英数字が混じることが多く、検索や一致判定で不具合を起こす原因になります。ASCを使えば、全角英数字やカタカナを半角に統一でき、データ処理が安定します。
基本の使い方
書式
=ASC(文字列)
例
=ASC("ＡＢＣ１２３") // "ABC123"
=ASC("アイウ") // "ｱｲｳ"
=ASC(A2) // A2セルの文字列を半角に変換
具体例
全角英数字を半角に変換
=ASC("１２３４５")
結果は「12345」。数値として扱いやすくなります。
全角カタカナを半角カタカナに変換
=ASC("カタカナ")
結果は「ｶﾀｶﾅ」。システムによっては半角カタカナで統一する必要がある場合に便利です。
全角スペースを半角スペースに変換
=ASC("山田 太郎")
結果は「山田 太郎」。全角スペースが半角スペースに変わります。
応用テンプレート
TRIMと組み合わせて余分なスペースを削除
=TRIM(ASC(A2))
全角スペースを半角に変換し、さらに余分なスペースを削除してクリーンな文字列に。
VALUEと組み合わせて数値化
=VALUE(ASC(B2))
全角数字を半角に変換してから数値化。計算に使えるようになります。
SUBSTITUTEと組み合わせて特定記号を整形
=SUBSTITUTE(ASC(C2),"ｰ","-")
半角変換後に特殊な記号を標準的なハイフンに置き換えます。
よくあるつまずきと対策
日本語のひらがな・漢字は変換されない
ASCは全角英数字・カタカナ・スペースが対象です。ひらがなや漢字はそのまま残ります。
半角に変換した後の文字コードに注意
「－」や「ー」など似た記号は半角変換後も別文字になることがあります。必要ならSUBSTITUTEで統一しましょう。
全角と半角の混在を見逃さない
見た目が同じでも全角と半角は別文字。ASCで統一してから検索や一致判定を行うと安定します。
例題
問題1: A2セルの文字列「ＡＢＣ１２３」を半角に変換してB2に表示してください。
解答例:
=ASC(A2)
問題2: C2セルの文字列「カタカナ」を半角カタカナに変換してD2に表示してください。
解答例:
=ASC(C2)
問題3: E2セルの文字列「山田 太郎」（全角スペースあり）を半角スペースに変換してF2に表示してください。
解答例:
=ASC(E2)
問題4: G2セルの全角数字を半角に変換し、さらに数値としてH2に表示してください。
解答例:
=VALUE(ASC(G2))
問題5: I2セルの文字列を半角に変換し、余分なスペースを削除してJ2に表示してください。
解答例:
=TRIM(ASC(I2))
まとめ
ASCは「全角文字を半角に変換する」関数で、日本語環境のデータ整形に欠かせません。全角英数字やカタカナ、スペースを半角に統一することで、検索・一致判定・数値計算が安定します。講師として強調したいのは「ASCで文字を統一してから処理する」こと。これを習慣化すれば、Excelでの文字列処理が格段にスムーズになります。