概要
全角数字(例: 「1234」)を半角数字(「1234」)に一括変換したいときは、ASC関数が最短ルートです。ASCは全角の英数字・カタカナ・スペースを半角へ変換します。数値に変換して計算に使いたい場合は、ASCで半角化した後にVALUEを組み合わせるのが定石です。
基本の使い方
書式
=ASC(文字列)
文字列中の全角英数字・カタカナ・スペースを半角へ変換します。先頭ゼロを保持したい場合は、半角化後にTEXTでゼロ埋め表示を整えます。
例
=ASC("12345") // "12345"
=ASC("0123") // "0123"
=VALUE(ASC("1234")) // 1234(数値になる)
具体例
全角数字を半角に変換(そのまま文字列として保持)
=ASC(A2)
A2が「12345」なら「12345」に変わります。表示は半角、データ型は文字列のままです。
半角化した数字を数値にして計算可能にする
=VALUE(ASC(B2))
B2が「1234」なら数値 1234 になり、四則演算に使えます。
先頭ゼロを保持した見た目に整形(桁固定)
=TEXT(VALUE(ASC(C2)),"0000")
C2が「0012」→ 半角化して数値化 → 表示は「0012」。帳票で桁を揃えたいときに有効です。
応用テンプレート
全角数字だけ混ざる伝票番号をクリーン化(ハイフンや空白も整える)
=TEXT(VALUE(ASC(SUBSTITUTE(TRIM(D2),"-",""))),"000000")
- 全角→半角(ASC)
- 前後空白除去(TRIM)
- ハイフン除去(SUBSTITUTE)
- 数値化(VALUE)
- 桁固定でゼロ埋め(TEXT)
文字+数字の混在から数字部分だけ抽出して半角化
=VALUE(ASC(TEXTAFTER(E2,TRUE,{"0","1","2","3","4","5","6","7","8","9"})))
Microsoft 365環境向け例。文字列中の最初の数字以降を取り出して半角化→数値化します。
全角カタカナや英字も同時に半角化
=ASC(F2)
F2が「ABC123カタカナ」→「ABC123カタカナ」。数字以外も半角に統一されます。
よくあるつまずきと対策
半角化しても“文字列”のまま
計算に使うならVALUEで数値化してください。見た目だけ揃えたいならTEXTで書式指定が便利です。
ひらがな・漢字は対象外
ASCの対象は全角英数字・カタカナ・スペースです。ひらがな・漢字は変わりません。必要に応じて他の整形と併用します。
先頭ゼロが落ちる問題
数値化すると内部的な先頭ゼロは消えます。表示でゼロを維持するにはTEXTのゼロ埋め(例:”0000″)を使いましょう。
記号のゆれ(長音・ハイフンなど)
見た目が似ても別文字の場合があります。必要に応じてSUBSTITUTEで統一してください。
=SUBSTITUTE(ASC(G2),"ー","-")
例題
問題1: A2の「12345」を半角に変換してB2に表示してください。
解答例:
=ASC(A2)
問題2: C2の「0987」を半角化し、数値としてD2に表示してください。
解答例:
=VALUE(ASC(C2))
問題3: E2の「0012」を半角化して数値化し、4桁ゼロ埋めでF2に表示してください。
解答例:
=TEXT(VALUE(ASC(E2)),"0000")
問題4: G2の全角数字とハイフン混在「12-34-56」を半角化・ハイフン除去して6桁でH2に表示してください。
解答例:
=TEXT(VALUE(ASC(SUBSTITUTE(G2,"-",""))),"000000")
問題5: I2の「ABC123カタカナ」を半角へ統一してJ2に表示してください。
解答例:
=ASC(I2)
まとめ
全角数字を半角へ統一するなら、まずASCで一括変換、次に目的に応じてVALUE(数値化)やTEXT(ゼロ埋め)を組み合わせる——この流れが最もシンプルで安全です。入力ゆれの多いデータでも「ASC→クリーン化→表示整形」を習慣化すれば、集計・検索・帳票作成が安定します。
