概要
Excelで「文字列をn回繰り返す」には REPT関数 を使います。REPTは「Repeat(繰り返す)」の略で、指定した文字列を指定回数だけ連続して表示する関数です。簡単なパターン生成から、セルの装飾、テストデータ作成まで幅広く活用できます。
基本の使い方
書式
=REPT(文字列, 回数)
- 文字列:繰り返したい文字やセル参照
- 回数:繰り返す回数(整数値)
例
=REPT("A",5) // "AAAAA"
=REPT("★",3) // "★★★"
=REPT("123",2) // "123123"
具体例
記号を繰り返して罫線風に
=REPT("-",20)
結果は「——————–」。表の区切り線として使えます。
スペースを繰り返して文字位置を調整
="商品名" & REPT(" ",5) & "価格"
「商品名」と「価格」の間にスペースを5つ挿入できます。
テスト用の長い文字列を作成
=REPT("ABC",10)
「ABCABCABC…」と10回繰り返した文字列を生成できます。
応用テンプレート
星印で評価を表現
=REPT("★",A2)
A2に「3」が入っていれば「★★★」と表示されます。
数値に応じて棒グラフ風に表示
=REPT("■",B2)
B2が「7」なら「■■■■■■■」と表示され、簡易グラフとして使えます。
文字列を繰り返してパターン生成
=REPT("01",8)
結果は「0101010101010101」。テストデータやコード生成に便利です。
よくあるつまずきと対策
回数が0以下の場合
結果は空文字列になります。負の数はエラーではなく「表示なし」となる点に注意。
回数が大きすぎる場合
Excelのセルに表示できる文字数には制限があります(約32,767文字)。それ以上は切り捨てられます。
数値を繰り返したい場合
数値をそのまま渡すと計算されてしまうので、必ず文字列に変換してから繰り返します。
=REPT(TEXT(123,"@"),5)
例題
問題1: A2セルに入力された文字を5回繰り返してB2に表示してください。
解答例:
=REPT(A2,5)
問題2: 「★」をC2セルの数値分だけ繰り返してD2に表示してください。
解答例:
=REPT("★",C2)
問題3: 「-」を20回繰り返してE2に表示し、罫線風にしてください。
解答例:
=REPT("-",20)
問題4: 「ABC」を10回繰り返してF2に表示してください。
解答例:
=REPT("ABC",10)
問題5: G2セルの数値を棒グラフ風に「■」で表現し、H2に表示してください。
解答例:
=REPT("■",G2)
まとめ
REPT関数は「文字列を指定回数繰り返す」シンプルな関数ですが、応用範囲は広いです。罫線風の装飾、簡易グラフ、テストデータ生成などに活用できます。講師として強調したいのは「REPTは見た目を工夫する力を持つ関数」。数値や文字列を視覚的に表現することで、Excelの表をより分かりやすくすることができます。
