概要
Excelで「文字列を区切って配列として返す」には TEXTSPLIT関数 を使います。TEXTSPLITは、指定した区切り文字で文字列を分割し、結果をセルに展開する動的配列関数です。従来はMIDやSEARCHを組み合わせて複雑に処理していましたが、TEXTSPLITなら一発で分割できます。
基本の使い方
書式
=TEXTSPLIT(文字列, 列区切り, 行区切り)
- 文字列:分割したい対象(セル参照や文字列)
- 列区切り:横方向に分割する区切り文字
- 行区切り:縦方向に分割する区切り文字
例
=TEXTSPLIT("A,B,C",",")
結果は「A」「B」「C」が横に展開されます。
具体例
カンマ区切りの文字列を分割
=TEXTSPLIT(A2,",")
A2が「りんご,みかん,ぶどう」なら「りんご」「みかん」「ぶどう」が横に並びます。
改行で縦方向に分割
=TEXTSPLIT(B2,,CHAR(10))
B2が「東京↵大阪↵福岡」なら「東京」「大阪」「福岡」が縦に展開されます。
複数区切り文字を指定
=TEXTSPLIT(C2,{",",";"})
C2が「A,B;C」なら「A」「B」「C」に分割されます。
応用テンプレート
行列両方で分割
=TEXTSPLIT(D2,",",CHAR(10))
「りんご,みかん↵ぶどう,なし」なら、2行×2列の配列に展開されます。
空白を区切りにして単語抽出
=TEXTSPLIT(E2," ")
E2が「I love Excel」なら「I」「love」「Excel」に分割されます。
数値リストを分割して計算に利用
=SUM(TEXTSPLIT(F2,","))
F2が「10,20,30」なら合計「60」を返します。
よくあるつまずきと対策
改行コードの指定
改行で分割する場合は CHAR(10) を使います。セルの改行はAlt+Enterで入力できます。
空白セルの扱い
区切り文字が連続すると空白セルが生成されます。不要ならFILTER関数と組み合わせて除去します。
動的配列に対応していない環境
TEXTSPLITはMicrosoft 365以降で利用可能です。古いExcelでは使えません。
例題
問題1: A2セルの「りんご,みかん,ぶどう」をカンマで分割してB2以降に表示してください。
解答例:
=TEXTSPLIT(A2,",")
問題2: C2セルの「東京↵大阪↵福岡」を改行で分割してD2以降に表示してください。
解答例:
=TEXTSPLIT(C2,,CHAR(10))
問題3: E2セルの「A,B;C」をカンマとセミコロンで分割してF2以降に表示してください。
解答例:
=TEXTSPLIT(E2,{",",";"})
問題4: G2セルの「りんご,みかん↵ぶどう,なし」を行列両方で分割してH2以降に表示してください。
解答例:
=TEXTSPLIT(G2,",",CHAR(10))
問題5: I2セルの「10,20,30」を分割して合計をJ2に表示してください。
解答例:
=SUM(TEXTSPLIT(I2,","))
まとめ
TEXTSPLITは「文字列を配列に分割する」ための最強ツールです。カンマや改行などの区切り文字を指定するだけで、複雑な文字列処理が一気にシンプルになります。講師として強調したいのは「TEXTSPLITを覚えれば、文字列操作が格段に効率化する」という点。Excelでのデータ整形や分析がより直感的に行えるようになります。

