概要
時間別集計は、明細データの中から「この時間帯だけの合計」を取り出す作業です。
アクセスログ、コールセンターの件数、店舗の時間帯別売上など、「何時台が多いか」を知りたいときにとても役立ちます。
Excel では、SUMIFS と「時間の範囲(>=開始時刻、<終了時刻)」を組み合わせることで、きれいに時間別集計が書けます。
SUMIFS の基本と時間データの考え方
SUMIFS の基本形
SUMIFS の書式は次の通りです。
=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, …)
意味は、「合計範囲のうち、条件範囲が条件を満たす行だけを合計する」です。
時間別集計では、「時間列がこの時間帯の範囲に入っている行だけを合計する」という形で使います。
Excel の「時間」は実は数値
Excel の時間は、「1 日を 1」とする小数のシリアル値です。
たとえば、0:00 は 0、6:00 は 0.25、12:00 は 0.5、18:00 は 0.75 というように扱われます。
見た目は「hh:mm」でも、中身は数値なので、>= や < で範囲条件をかけることができます。
1 時間ごとの時間別集計(基本パターン)
データの前提
次のような明細表を想定します。
A 列:日時(例:2025/01/01 9:15)
B 列:数量や金額
ここから、「時間帯別(9 時台、10 時台…)の合計」を作っていきます。
時刻だけを取り出すか、そのまま使うか
日時が入っている場合でも、時間帯で集計したいときは「時刻部分」だけを条件に使うことができます。
セルの表示形式を「時刻」にしておけば、SUMIFS の条件としてそのまま扱えます。
たとえば、D 列に「時間帯の開始時刻」を並べます。
D2:9:00
D3:10:00
D4:11:00 …
E 列に「その時間帯の合計」を出します。
「9:00 以上、10:00 未満」を SUMIFS で書く
E2 に、9 時台の合計を出す式を書きます。
=SUMIFS($B$2:$B$100, $A$2:$A$100, ">="&$D2, $A$2:$A$100, "<"&$D2+TIME(1,0,0))
ここでの考え方は次の通りです。
D2:9:00
D2+TIME(1,0,0):10:00
つまり、「A 列の時刻が 9:00 以上かつ 10:00 未満」の行だけを合計しています。
この式を E3、E4…と下にコピーすると、10 時台、11 時台…の時間別集計が自動で並びます。
時間帯を「開始〜終了」で明示するパターン
開始時刻と終了時刻を別セルに持つ
時間帯をもっと柔軟に扱いたい場合は、「開始時刻」と「終了時刻」を別々の列に持つ方法もあります。
たとえば、
D 列:開始時刻(例:9:00)
E 列:終了時刻(例:10:00)
F 列:その時間帯の合計
としたとき、F2 には次のように書きます。
=SUMIFS($B$2:$B$100, $A$2:$A$100, ">="&$D2, $A$2:$A$100, "<"&$E2)
これで、「開始時刻以上かつ終了時刻未満」の行だけを合計できます。
9:00〜10:00、10:00〜11:00、13:30〜14:00 など、任意の時間帯を自由に定義できます。
日付と時間を両方意識した時間別集計
「特定の日の時間別集計」をしたい場合
「2025/01/01 の時間帯別集計」のように、日付も絞りたい場合は、条件を 1 つ増やします。
前提:
A 列:日時(シリアル値)
B 列:数量
G2:対象日(例:2025/01/01)
D 列:時間帯の開始時刻(9:00、10:00…)
E 列:時間帯の合計
このとき、E2 に次のように書けます。
=SUMIFS($B$2:$B$100,
$A$2:$A$100, ">="&($G$2+$D2),
$A$2:$A$100, "<"&($G$2+$D2+TIME(1,0,0)))
ここでは、「日付+時刻」で範囲を指定しています。
G2+D2:2025/01/01 9:00
G2+D2+TIME(1,0,0):2025/01/01 10:00
つまり、「2025/01/01 の 9:00 以上 10:00 未満」の行だけを合計する、という意味になります。
例題
問題1
A2:A100 に「日時」(2025/01/01 9:15 など)、B2:B100 に「売上金額」が入っています。
D2 に「9:00」、D3 に「10:00」…と 1 時間ごとの開始時刻を並べ、E 列に「各時間帯の売上合計」を出したいとします。
E2 に書くべき式を、SUMIFS と TIME を使って完成させてください。
問題2
前問の E2 の式を E3、E4…と下にコピーすると、「10 時台」「11 時台」…の集計が自動で計算されます。
なぜ開始時刻を D 列に持たせる設計にすると、コピーだけで時間帯がずれてくれるのか、自分の言葉で説明してください。
問題3
D 列に「開始時刻」、E 列に「終了時刻」、F 列に「その時間帯の件数合計」を出す表を作りました。
A 列に時刻、B 列に件数が入っているとき、F2 に「開始〜終了の範囲に入る行だけを合計する」式を SUMIFS で書いてください。
また、その式が「>=開始」「<終了」という 2 条件でどのように絞り込んでいるか説明してください。
問題4
G2 に「対象日(2025/01/01)」、D 列に「時間帯の開始時刻(9:00、10:00…)」を持たせ、
「その日付の時間帯別売上」を E 列に出したいとします。
A 列に日時、B 列に売上が入っている前提で、E2 に書くべき式を SUMIFS と TIME を使って書いてください。
そのうえで、「日付+時刻」という考え方がなぜ必要なのかも説明してください。
問題5
時間別集計をするとき、「セルの表示形式だけを“hh:mm”にして、見た目の時間で集計しようとする」と、どのような誤解やトラブルが起こりそうでしょうか。
Excel の時間が「シリアル値(1 日を 1 とする数値)」であることを踏まえて、なぜ SUMIFS の条件には“見た目”ではなく“実際の値(または開始・終了のセル)”を使うべきなのか、自分の言葉で説明してみてください。
