概要
Excelで文字列やセルを結合する最もシンプルな方法が「&(アンパサンド)」演算子です。関数ではなく演算子なので、セル同士をつなげたいときに直感的に使えます。例えば「A2の値」と「B2の値」を結合したいときは =A2&B2 と書くだけです。区切り文字(スペースやハイフンなど)を入れたい場合は " " や "-" を挟みます。
基本の使い方
書式
=セル1 & セル2 & …
例
=A2&B2 // A2とB2をそのまま結合
=A2&" "&B2 // A2とB2の間にスペースを挿入
=A2&"-"&B2 // A2とB2の間にハイフンを挿入
具体例
姓名を結合してフルネームを作る
=A2&" "&B2
A2に姓、B2に名が入っている場合、間にスペースを入れて「山田 太郎」のように表示できます。
郵便番号を結合して「000-0000」形式にする
=TEXT(C2,"000")&"-"&TEXT(D2,"0000")
C2に前半3桁、D2に後半4桁が入っている場合、ゼロ埋めして結合すると正しい郵便番号形式になります。
日付と時刻を結合して1つの文字列にする
=TEXT(E2,"yyyy/mm/dd")&" "&TEXT(F2,"hh:mm")
日付と時刻を文字列化して結合すると「2025/12/16 21:43」のように表示できます。
応用テンプレート
ラベル+値の組み合わせ
="住所: "&A2&" / 担当: "&B2
見出しと値を一緒に表示して、レポート用の文字列を作成できます。
改行を入れて複数セルをまとめる
=A2&CHAR(10)&B2&CHAR(10)&C2
CHAR(10)は改行コードです。セルの「折り返して全体を表示」をオンにすると縦に並んで表示されます。
条件付きで結合
=A2&IF(B2<>"","("&B2&")","")
B2に値があるときだけ「(値)」を付けて結合します。
よくあるつまずきと対策
数値や日付が意図しない表示になる
そのまま結合すると内部値が表示されることがあります。必ずTEXT関数で整形してから結合しましょう。
=TEXT(A2,"yyyy/mm/dd")&" "&TEXT(B2,"hh:mm")
空白が多すぎる/足りない
スペースは自分で " " を挟む必要があります。不要な空白が混じる場合はTRIM関数で整えます。
=TRIM(A2&" "&B2)
複数セルを一気に結合したい
&は1つずつ書く必要があります。大量のセルを結合するならTEXTJOIN関数が便利ですが、シンプルに書きたいときは&を繰り返します。
例題
問題1: A2の姓とB2の名をスペース区切りでC2に結合してください。
解答例:
=A2&" "&B2
問題2: 郵便番号の前半D2(3桁)と後半E2(4桁)を「000-0000」形式でF2に結合してください。
解答例:
=TEXT(D2,"000")&"-"&TEXT(E2,"0000")
問題3: 日付G2と時刻H2を結合して「yyyy/mm/dd hh:mm」形式でI2に表示してください。
解答例:
=TEXT(G2,"yyyy/mm/dd")&" "&TEXT(H2,"hh:mm")
問題4: タイトルJ2、サブタイトルK2、備考L2を改行で区切ってM2に結合してください。
解答例:
=J2&CHAR(10)&K2&CHAR(10)&L2
問題5: 商品名N2とオプションO2を結合し、O2が空欄なら商品名だけをP2に表示してください。
解答例:
=N2&IF(O2<>"","("&O2&")","")
まとめ
「&」はExcelで最もシンプルにセルや文字列を結合できる演算子です。スペースやハイフンを自分で挟む、数値や日付はTEXTで整形する、改行はCHAR(10)を使う——この3点を押さえれば、初心者でも自在に文字列を組み立てられます。講師として強調したいのは「関数ではなく演算子なので直感的に書ける」という点。まずは&で結合に慣れ、必要に応じてTEXTJOINなどの関数にステップアップすると良いでしょう。
