概要
ISTEXTは「セルの中身がテキストかどうか」をTRUE/FALSEで返す関数です。文字列だけでなく、数値を文字列として入力した場合や空文字(””)もテキスト扱いになります。数値や日付、論理値、エラー値はFALSEになります。データの型チェックや条件付き処理に役立ちます。
基本の使い方
書式
=ISTEXT(値)
- 値がテキストならTRUE
- 値が数値・日付・論理値・エラーならFALSE
最小例
=ISTEXT(A2)
A2が文字列ならTRUE、数値や日付ならFALSE。
判定例
=ISTEXT("ABC") // TRUE
=ISTEXT(123) // FALSE
=ISTEXT("123") // TRUE(数字でも文字列ならTRUE)
=ISTEXT("") // TRUE(空文字はテキスト扱い)
=ISTEXT(TODAY()) // FALSE(日付は数値)
=ISTEXT(TRUE) // FALSE(論理値)
具体例
テキストだけ抽出(Microsoft 365のFILTER)
=FILTER(A2:A100, ISTEXT(A2:A100))
範囲からテキストセルだけを一覧表示できます。
テキストなら「文字列」と表示、そうでなければ空欄
=IF(ISTEXT(B2), "文字列", "")
B2がテキストなら「文字列」と表示、そうでなければ空欄。
数値とテキストを分けて処理
=IF(ISTEXT(C2), "テキストデータ", C2*1.1)
C2がテキストなら「テキストデータ」と表示、数値なら10%加算。
応用テンプレート
テキストセルだけカウント
=COUNTIF(A2:A100, "*")
またはISTEXTを使った配列式:
=SUM(--ISTEXT(A2:A100))
テキストセルだけ色付け(条件付き書式)
条件付き書式の数式に以下を設定:
=ISTEXT(A2)
テキストセルを強調表示できます。
テキストセルだけ平均や合計を除外
=SUM(IF(NOT(ISTEXT(B2:B100)), B2:B100))
数値セルだけ合計します。古いExcelでは配列数式(Ctrl+Shift+Enter)が必要です。
よくあるつまずきと対策
数字なのにTRUEになる
「123」が文字列として入力されている場合はISTEXTでTRUEになります。左寄せや先頭空白、全角数字が原因です。VALUE関数で数値化すると解決できます。
=VALUE(A2)
空文字の扱い
="" の結果はテキストなのでTRUEになります。空欄セルはFALSEです。空欄と空文字を区別したい場合は LEN(A2)=0 などを併用します。
日付や時刻がFALSEになる
Excel内部では日付・時刻は数値として扱われるためISTEXTではFALSEになります。日付を文字列に変換したい場合はTEXT関数を使います。
=TEXT(TODAY(),"yyyy/mm/dd")
例題
問題1: A2がテキストかどうかをB2に表示
解答例:
=ISTEXT(A2)
問題2: B列からテキストだけをC列に抽出(Microsoft 365)
解答例:
=FILTER(B2:B200, ISTEXT(B2:B200))
問題3: C2がテキストなら「文字列」と表示、そうでなければ空欄にする
解答例:
=IF(ISTEXT(C2), "文字列", "")
問題4: D列の数値だけ合計し、テキストは除外する
解答例:
=SUM(IF(NOT(ISTEXT(D2:D200)), D2:D200))
問題5: テキストセルを条件付き書式で赤背景にする
条件付き書式の数式:
=ISTEXT(A2)
まとめ
ISTEXTは「セルがテキストかどうか」を判定するシンプルな関数です。文字列数字や空文字もTRUEになる点に注意が必要です。数値や日付を判定したい場合はISNUMBER、空欄判定はISBLANKと組み合わせると強力です。データの型チェック、抽出、条件付き処理に活用すれば、入力ミスや混在データを効率的に整理できます。
