概要
割引計算は、消費税と同じく「掛け算」で考えると一気にシンプルになります。
たとえば「10%引き」なら、元の金額 × 0.9 が割引後の金額です。
Excel では、*0.9 を使った数式だけで、きれいに割引計算ができます。
割引計算の基本(*0.9 の意味)
「10%引き」は、「元の金額の 90%を支払う」ということです。
つまり、
元の金額 ×(1 − 割引率)= 割引後の金額
という形になります。
10%引きなら、
1 − 0.1 = 0.9 なので、
=元の金額セル*0.9
が、そのまま「10%引き後の金額」になります。
コード例(セル参照での割引)
例えば、A2 に「定価」が入っているとします。
この商品を 10%引きした価格を B2 に出したいなら、B2 にはこう書きます。
=A2*0.9
これで、A2 の 90%の値が B2 に表示されます。
A2 が 10,000 円なら、B2 は 9,000 円になります。
割引率をセルで管理する書き方
実務では、「10%引き」だけでなく「5%引き」「15%引き」など、割引率が変わることが多いです。
そのときに便利なのが、「割引率をセルにまとめておく」書き方です。
たとえば、
D1 に「割引率」として 0.1(10%)を入れておき、
A2 に定価が入っているとします。
このとき、割引後の金額は次のように書けます。
=A2*(1-$D$1)
D1 を絶対参照($D$1)にしておけば、B2 の式を下にコピーしても、常に同じ割引率セルを参照してくれます。
D1 の値を 0.2 に変えれば「20%引き」に一括で切り替わるので、とても柔軟です。
割引額だけを求めるパターン
「割引後の金額」ではなく、「いくら値引きされたか(割引額)」を知りたいときもあります。
その場合は、次のどちらかの形で求められます。
元の金額 × 割引率
または
元の金額 − 割引後の金額
たとえば、A2 に定価、D1 に割引率(0.1)があるなら、割引額はこう書けます。
=A2*$D$1
A2 が 10,000、D1 が 0.1 なら、割引額は 1,000 になります。
端数処理(小数点の扱い)
割引計算をすると、小数点以下が出ることがあります。
たとえば、定価 9,980 円を 10%引きすると、9,980×0.9=8,982 になりますが、
割引率や元の金額によっては「8,982.5」のような半端な値になることもあります。
そのときは、ROUND 系の関数と組み合わせて、端数処理のルールを決めます。
四捨五入なら:
=ROUND(A2*0.9,0)
切り捨てなら:
=ROUNDDOWN(A2*0.9,0)
切り上げなら:
=ROUNDUP(A2*0.9,0)
「*0.9 で割引 → ROUND で端数処理」という流れをセットで覚えておくと、実務で迷いません。
例題
問題1
セル A2 に「12000」(定価)が入っています。
この商品を「10%引き」した価格を B2 に表示したいとき、B2 にはどのような式を書けばよいでしょうか。
(ヒント:定価 × 0.9)
問題2
セル A2 に「15000」(定価)、セル D1 に「0.2」(20%)が入っています。
この商品を「20%引き」した価格を B2 に表示したいとき、B2 にはどのような式を書けばよいでしょうか。
(ヒント:1 − 割引率 を掛けます)
問題3
セル A2 に「9800」(定価)が入っています。
この商品を 10%引きし、その結果を「1 円未満四捨五入」で求めたいとき、どのような式を書けばよいでしょうか。
(ヒント:ROUND と *0.9)
問題4
セル A2 に「10000」(定価)、セル D1 に「0.15」(15%)が入っています。
この商品の「割引額(いくら値引きされたか)」を B2 に表示したいとき、どのような式を書けばよいでしょうか。
(ヒント:定価 × 割引率)
問題5
次の 2 つの式は、どちらも「10%引き後の金額」を求めています。
実務でどちらの書き方が望ましいか、その理由とともに説明してみてください。
=A2*0.9
=A2*(1+$D$1) ' D1 に -0.1 を入れておく場合
