概要
増減率は「新しい値が古い値に比べてどれくらい増えたか/減ったか」を表す指標です。Excelでは (新−旧)/旧 の式で求められます。結果は小数で返るので、セルの表示形式を「パーセンテージ」にすると直感的に理解しやすくなります。
基本の使い方
書式
=(新しい値 - 古い値) / 古い値
例
=(B2 - A2) / A2
- A2に「昨年売上」、B2に「今年売上」が入っている場合、増減率を計算できます。
- 結果が0.1なら「10%増」、-0.05なら「5%減」と解釈します。
具体例
売上の前年比
=(今年売上 - 昨年売上) / 昨年売上
- 昨年=100、今年=120なら
(120-100)/100 = 0.2→ 20%増。
在庫の増減率
=(現在在庫 - 前回在庫) / 前回在庫
- 前回=500、現在=450なら
(450-500)/500 = -0.1→ 10%減。
人口の増減率
=(今年人口 - 昨年人口) / 昨年人口
- 昨年=1,000人、今年=950人なら
(950-1000)/1000 = -0.05→ 5%減。
応用テンプレート
パーセンテージ表示
=TEXT((B2-A2)/A2, "0.0%")
- 結果を「20.0%」のように文字列で表示。レポート用に便利。
分母ゼロ対策
=IF(A2=0, "", (B2-A2)/A2)
- 古い値が0の場合は計算できないので空欄を返す。
複数行に展開
=(C2-B2)/B2
- 各行に「旧値」「新値」を並べ、増減率を隣列に計算。コピーで展開可能。
よくあるつまずきと対策
分母が0でエラーになる
- 原因: 古い値が0だと割り算できない。
- 対策: IFやIFERRORで保護する。
結果が小数で分かりづらい
- 原因: 0.2などの小数値は直感的に理解しづらい。
- 対策: セルの表示形式を「パーセンテージ」に変更する。
減少なのに「マイナス値」に驚く
- 説明: 減少率は負の値で表される。-0.05は「5%減」。
- 対策: レポートでは「減」と明示するか、TEXTで「▲5%」などに整形する。
練習問題
問題1: 昨年売上A2=100、今年売上B2=120。増減率をC2に表示してください。
解答例:
=(B2-A2)/A2
問題2: 前回在庫A3=500、今回在庫B3=450。増減率をC3に表示してください。
解答例:
=(B3-A3)/A3
問題3: 昨年人口A4=1000、今年人口B4=950。増減率をC4に表示してください(パーセンテージ形式)。
解答例:
=(B4-A4)/A4
セルの表示形式を「パーセンテージ」に設定。
まとめ
- 増減率は
(新−旧)/旧で計算する。 - 結果は小数なので「パーセンテージ表示」にすると分かりやすい。
- 分母が0のときはIF/IFERRORで保護する。
- 正の値は増加、負の値は減少を意味する。
シート構成(旧値・新値の列位置、表示形式の希望)を教えてくれれば、あなたの用途にぴったりの増減率計算式に整えられます。
