概要
TEXT関数は「数値を指定した書式で文字列に変換する」関数です。数値や日付をそのまま扱うと桁数や表示形式がバラバラになりがちですが、TEXTを使えば「0001」「2025/12/16」「¥1,234」など、見やすい形に整えて文字列として扱えます。検索や結合、帳票出力などで大活躍します。
基本の使い方
書式
=TEXT(値, 書式)
- 値:数値や日付を指定
- 書式:表示したい形式を文字列で指定
例
=TEXT(1234,"0000") // "1234" → "1234"(ゼロ埋め4桁)
=TEXT(5,"0000") // "0005"
=TEXT(TODAY(),"yyyy/mm/dd") // 今日の日付を "2025/12/16" のように表示
=TEXT(1234.56,"#,##0.00") // "1,234.56"
具体例
郵便番号をゼロ埋めして文字列化
=TEXT(A2,"000-0000")
「1234567」→「012-34567」のように整形できます。
日付を任意のフォーマットで表示
=TEXT(B2,"yyyy年mm月dd日")
「2025/12/16」→「2025年12月16日」。
金額を通貨形式で文字列化
=TEXT(C2,"¥#,##0")
「1234」→「¥1,234」。
時刻を「hh:mm」形式で文字列化
=TEXT(D2,"hh:mm")
「22:03:45」→「22:03」。
応用テンプレート
ID番号をゼロ埋めして結合
="ID-"&TEXT(E2,"0000")
「12」→「ID-0012」。
年月を「yyyy/mm」形式で文字列化
=TEXT(F2,"yyyy/mm")
「2025/12/16」→「2025/12」。
小数をパーセント表示に変換
=TEXT(G2,"0.0%")
「0.256」→「25.6%」。
曜日を文字列で表示
=TEXT(H2,"aaa")
「2025/12/16」→「火」。
よくあるつまずきと対策
数値として計算できなくなる
TEXTで変換した結果は文字列です。計算に使う場合は元の数値を利用しましょう。
書式指定の記号を覚えにくい
0:ゼロ埋め#:桁数を柔軟に表示yyyy:西暦年mm:月dd:日hh:mm:時刻
通貨や日付のロケール依存
環境によって「¥」「$」「曜日表記」が変わることがあります。必要に応じて明示的に文字列を組み合わせましょう。
例題
問題1: A2の数値を4桁ゼロ埋めしてB2に表示してください。
解答例:
=TEXT(A2,"0000")
問題2: C2の日付を「yyyy年mm月dd日」形式でD2に表示してください。
解答例:
=TEXT(C2,"yyyy年mm月dd日")
問題3: E2の金額を「¥#,##0」形式でF2に表示してください。
解答例:
=TEXT(E2,"¥#,##0")
問題4: G2の時刻を「hh:mm」形式でH2に表示してください。
解答例:
=TEXT(G2,"hh:mm")
問題5: I2の小数をパーセント形式(小数点1桁)でJ2に表示してください。
解答例:
=TEXT(I2,"0.0%")
まとめ
TEXTは「数値や日付を文字列に変換し、自由な書式で表示できる」万能関数です。ゼロ埋め、日付フォーマット、通貨表示、パーセント変換など、帳票やレポート作成で欠かせません。講師として強調したいのは「TEXTは見せ方を整える関数であり、計算用ではない」という点。計算は元の数値で行い、表示や結合にはTEXTを使う——この使い分けを覚えれば、Excelの表現力が一気に広がります。
