概要
Excelで「文字列の末尾に改行を入れたい」ときは、CHAR(10) を使います。CHAR(10)は「改行コード(LF)」を表し、文字列と結合することでセル内に改行を挿入できます。改行を表示するには、セルの書式設定で「折り返して全体を表示」をオンにする必要があります。
基本の使い方
書式
="文字列"&CHAR(10)
"文字列":改行を入れたい文字列&CHAR(10):末尾に改行を追加
例
="Hello"&CHAR(10)&"World"
結果はセル内で「Hello」と「World」が改行されて表示されます。
具体例
末尾に改行を追加
=A2&CHAR(10)
A2が「商品一覧」なら「商品一覧」の後に改行が入ります。
複数行を作成
="氏名:"&A2&CHAR(10)&"住所:"&B2
「氏名:山田太郎」と「住所:東京都江東区」が改行されて表示されます。
改行を区切りにしてリスト化
=TEXTJOIN(CHAR(10),TRUE,C2:C5)
C2~C5の内容を改行区切りでまとめて表示できます。
応用テンプレート
改行付きラベル作成
="商品コード:"&D2&CHAR(10)&"商品名:"&E2
コードと商品名を改行して表示。
改行を含む複数情報の結合
="日付:"&TEXT(F2,"yyyy/mm/dd")&CHAR(10)&"担当者:"&G2
日付と担当者を改行して表示。
改行を含むメモ欄
="注意事項:"&CHAR(10)&H2
「注意事項:」の下にメモを改行して表示。
よくあるつまずきと対策
改行が表示されない
セルの書式設定で「折り返して全体を表示」をオンにしてください。これを忘れると改行が反映されません。
改行コードの違い
Windows版ExcelではCHAR(10)が改行コードです。CHAR(13)はキャリッジリターンで通常は不要です。
複数改行を入れたい場合
="テキスト"&CHAR(10)&CHAR(10)&"次の行"
CHAR(10)を複数つなげれば空行を作れます。
例題
問題1: A2セルの文字列の末尾に改行を入れてB2に表示してください。
解答例:
=A2&CHAR(10)
問題2: C2セルの氏名とD2セルの住所を改行してE2に表示してください。
解答例:
="氏名:"&C2&CHAR(10)&"住所:"&D2
問題3: F2~F4のリストを改行区切りで結合してG2に表示してください。
解答例:
=TEXTJOIN(CHAR(10),TRUE,F2:F4)
問題4: H2セルの日付とI2セルの担当者を改行してJ2に表示してください。
解答例:
="日付:"&TEXT(H2,"yyyy/mm/dd")&CHAR(10)&"担当者:"&I2
問題5: K2セルの文字列の後に空行を1つ入れてL2に表示してください。
解答例:
=K2&CHAR(10)&CHAR(10)
まとめ
文字列の末尾に改行を入れるには &CHAR(10) を使うのが基本です。複数の情報を改行で区切れば、セル内で見やすく整理できます。講師として強調したいのは「改行は見た目を整える力を持つ」という点。折り返し表示を忘れずに設定すれば、Excelでの情報整理が一段とわかりやすくなります。
