概要
Excelでは「日付」も「時刻」も同じ連続値(シリアル値)で管理されており、足し算(+)で簡単に合成できます。1日は1、1時間は1/24、1分は1/1440、1秒は1/86400として扱うため、“日付セル + 時刻セル”や“日付 + TIME(時,分,秒)”で思い通りの日時が作れます。見せ方はセルの表示形式を「yyyy/mm/dd hh:mm」などにするだけでOKです。
基本の考え方
Excelの“日付+時間”は「数値の足し算」です。たとえば 2025/12/17(整数部)に 08:30(小数部)を足すと「2025/12/17 08:30」になります。時刻の加算は TIME を使うと安全で、2時間30分なら TIME(2,30,0)、分だけなら /1440、秒なら /86400 で加算できます。
基本の使い方
セル同士で“日付+時刻”を合成
=日付セル + 時刻セル
例:
=A2 + B2
表示形式を「yyyy/mm/dd hh:mm」にすると日時として読めます。
日付に“時間・分・秒”を直接足す
=日付 + TIME(時, 分, 秒)
例(2時間30分足す):
=A2 + TIME(2,30,0)
“n時間/n分/n秒”を数値で足す
=日付 + n/24 // 時間
=日付 + n/1440 // 分
=日付 + n/86400 // 秒
具体例
予定日A2に開始時刻B2を合成して“開始日時”を作る
=A2 + B2
セルの表示形式を「yyyy/mm/dd hh:mm」に。
期日A2に“2時間30分後”のリマインド日時を出す
=A2 + TIME(2,30,0)
予定日時A2を“15分遅らせる”
=A2 + (15/1440)
ログの“秒”遅延を加えて補正
=A2 + (30/86400)
応用テンプレート
文字列の「日付」と「時刻」を合成(まず時刻化・日付化)
=DATEVALUE(日付文字列) + TIMEVALUE(時刻文字列)
例:
=DATEVALUE(C2) + TIMEVALUE(D2)
“今日の9:00”を一発で作る
=TODAY() + TIME(9,0,0)
“到着予定”に“所要時間(分)”を足して到着見込み
=出発日時 + 所要分/1440
例:
=A2 + (E2/1440)
“日付+時間”差の結果をそのまま“日時”に足し引き
差分を時間数で計算した値(例:F2=1.75時間)を日時へ反映:
=A2 + F2/24
よくあるつまずきと対策
表示が“整数・小数”に見える
正しく計算されています。見やすくするにはセルの表示形式を「yyyy/mm/dd hh:mm」や「yyyy/m/d h:mm」に変更してください。
文字列はそのまま足せない
“2025/12/17” や “08:30” の文字列は計算できません。DATEVALUE/TIMEVALUE で“日付型・時刻型”に変換してから足します。
うるう年・月末またぎも自動調整
DATE/TIME/DATEVALUE/TIMEVALUE の組み合わせは暦に準拠して動きます。月末処理が絡む場合でも足し算で安全に扱えます。
24時間以上の表示
累積時間の見せ方はユーザー定義の「[h]:mm」。日時を見せたい場合は「yyyy/mm/dd hh:mm」、累積時間は別セルで管理すると混乱しません。
例題
問題1: A2=2025/12/17、B2=08:30 の“開始日時”をC2に表示してください(yyyy/mm/dd hh:mm)。
=C2: =A2 + B2
C2の表示形式を「yyyy/mm/dd hh:mm」に設定。
問題2: 期日A2に“2時間30分後”のリマインド日時をB2に表示してください。
=B2: =A2 + TIME(2,30,0)
問題3: 予定日時A2を“15分遅らせた”日時をB2に表示してください。
=B2: =A2 + (15/1440)
問題4: C2が文字列”2025/12/17″、D2が文字列”08:30″のとき、合成した“日時”をE2に表示してください。
=E2: =DATEVALUE(C2) + TIMEVALUE(D2)
問題5: 出発日時F2に“所要時間(分)”G2を足して到着見込みをH2に表示してください。
=H2: =F2 + (G2/1440)
まとめ
Excelの「日付+時間」は“数値の足し算”が基本で、TIMEや分・秒の換算(/24, /1440, /86400)を組み合わせれば自由自在に作れます。文字列はDATEVALUE/TIMEVALUEで変換、見せ方は「yyyy/mm/dd hh:mm」、累積時間は「[h]:mm」。この設計を押さえると、予定生成、到着見込み、リマインド作成までシンプルに安定運用できます。
