概要
「日付に“n日”足した日付」を作るだけなら、関数不要で“足し算”が最短です。Excelの日付は「1日=1」のシリアル値なので、日付セルに「+ n」をするだけで n 日後の新しい日付になります。例えば 2025/12/17 に 10 を足せば 2025/12/27、-3 なら 3日前です。
基本の使い方
書式
=日付セル + n
- 日付セル:A2 など、日付が入っているセル参照や DATE/TODAY/NOW の式
- n:足す(または引く)日数。負数なら過去へ
例
=A2 + 10 // A2の10日後
=DATE(2025,12,17)+5 // 2025/12/22
=TODAY() + 7 // 今日から1週間後
=NOW() + 1 // 現在日時の「翌日・同時刻」
表示が「数値」に見えるときは、セルの表示形式を「日付(yyyy/mm/dd など)」に変えましょう。
具体例
納期計算(指定日+n日)
=開始日セル + 日数セル
開始日が A2、日数が B2 のとき、A2+B2 で「n日後の納期日」を返します。
何日前・何日後
=基準日 - 3 // 3日前
=基準日 + 30 // 30日後
うるう年や月末またぎも自動対応
=DATE(2024,2,28)+1 // 2024/02/29(うるう年)
=DATE(2025,1,31)+1 // 2025/02/01(翌月へ繰り上がり)
日付は連番なので、月をまたいでも自然に正しい日付になります。
営業日ではなく“暦日”での加算
=TODAY()+10 // 土日・祝日関係なく10日後
「営業日」での加算が必要なら WORKDAY を使います(応用で後述)。
応用テンプレート
暦日+nで「yyyy/mm/dd (aaa)」まで整形
=TEXT(A2+B2,"yyyy/mm/dd") & " (" & TEXT(A2+B2,"aaa") & ")"
結果を文字列で見やすく表示します。
当月の月初から n 日後
=EOMONTH(A2,-1)+1 + n
月初日を求めてから n 日後へ。
月末から逆算して n 日前
=EOMONTH(A2,0) - n
「月末の n 日前」を簡単に取得。
営業日で n 日後(祝日除外も)
=WORKDAY(A2, n, 祝日範囲)
暦日ではなく「土日(+祝日)を除いた n 営業日後」。企業カレンダー対応なら WORKDAY.INTL を使用。
よくあるつまずきと対策
表示が数字になる
返り値は「シリアル値」。表示形式が“標準”だと整数に見えます。セルの表示形式を「日付」に変更してください。
祝日・土日の除外はされない
単純な足し算は“暦日”です。営業日ロジックが必要なら WORKDAY/NETWORKDAYS を使います。
文字列日付だとうまく足せない
“2025/12/17” が文字列だと計算できない場合があります。セルを日付として入力するか、DATE(年,月,日)を使いましょう。
時刻を保持したい
NOW に n を足すと「翌日・同時刻」になります。日付だけなら TODAY、時刻も維持したいなら NOW を使い分けます。
例題
問題1: A2(日付)に対して 10 日後の日付を B2 に表示してください。
解答例:
=A2+10
問題2: C2(日付)の 3 日前を D2 に表示してください。
解答例:
=C2-3
問題3: 今日から 7 日後の日付を E2 に表示してください。
解答例:
=TODAY()+7
問題4: F2(日付)+G2(日数)で、結果を「YYYY/MM/DD (aaa)」形式で H2 に表示してください。
解答例:
=TEXT(F2+G2,"yyyy/mm/dd") & " (" & TEXT(F2+G2,"aaa") & ")"
問題5: 納期が“10営業日後”のとき、開始日 I2 から祝日一覧 K2:K50 を除外して J2 に表示してください。
解答例:
=WORKDAY(I2,10,$K$2:$K$50)
まとめ
「日付+n日」は“ただ足すだけ”でOK。Excelの日付は連番なので、月またぎ・うるう年も自動処理されます。暦日で良いなら「+/- n」、営業日で必要なら WORKDAY、集計や表示には TEXT と組み合わせる——この使い分けを押さえると、期日設計が驚くほどシンプルになります。
