Excel関数逆引き集 | 最後に一致した値 → XLOOKUP(検索方向:-1)

Excel

2021.02.102025.12.19

概要

「同じIDが何回も出てくるけれど、一番下（最新）のデータだけ取りたい」
「履歴表から“最後に一致した値”を取りたい」
こういうときに最強なのが XLOOKUP の検索方向 -1（下から上へ検索） です。

通常の XLOOKUP は「上から下へ検索」するため“最初の一致”を返しますが、
検索モードを -1 に変えるだけで、
下から上へ検索 → 最後に一致した値（最新）を返す
という動きに切り替わります。

=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り範囲, [見つからない場合], [一致モード], [検索モード])

最後の 検索モード に -1 を指定すると「下から上へ検索」になります。

A列：顧客ID
B列：取引日

同じ顧客IDが複数行ある履歴表で、
E2 に入力した顧客IDの 最後（最新）の取引日 を取りたい場合：

=XLOOKUP(E2, $A$2:$A$100, $B$2:$B$100, "なし", 0, -1)

意味をかみ砕くと：

これで「最新の1件」だけを簡単に取得できます。

XLOOKUP は検索範囲と戻り範囲を自由に指定できるため、
左方向でも問題なく“最後の一致”が取れます。

A列：商品名
B列：商品コード

=XLOOKUP(E2, $B$2:$B$100, $A$2:$A$100, "未登録", 0, -1)

B列を下から検索し、最後に一致した行の A列を返します。

検索値セル（E2）が空欄のときまで XLOOKUP を走らせると、
「未登録」や「なし」が並んで見づらくなります。
そんなときは IF と組み合わせます。

=IF(E2="","",
    XLOOKUP(E2,$A$2:$A$100,$B$2:$B$100,"なし",0,-1))

A2:D100 に履歴データがあり、
E2 の顧客IDに一致する 最新の行全体 を取りたい場合：

=INDEX($A$2:$D$100,
       XLOOKUP(E2,$A$2:$A$100,ROW($A$2:$A$100)-ROW($A$2)+1,"なし",0,-1),
       SEQUENCE(1,4))

という仕組みです。

検索範囲：A2:A100
戻り範囲：B2:B100

のように、開始行・終了行を揃える必要があります。

一致モードを省略しても完全一致になります。
VLOOKUP のように FALSE を書き忘れて事故る心配がありません。

検索モードを省略すると「上から検索」になり、
“最初の一致”が返ってしまいます。

必ず 第6引数に -1 を指定してください。

=XLOOKUP(E2, $A$2:$A$100, $B$2:$B$100, "なし", 0, -1)

=XLOOKUP(E2, $B$2:$B$100, $A$2:$A$100, "未登録", 0, -1)

=IF(E2="","",
    XLOOKUP(E2,$A$2:$A$100,$B$2:$B$100,"なし",0,-1))

=XLOOKUP(E2, $A$2:$A$100, $C$2:$C$100, "なし", 0, -1)

=INDEX($A$2:$D$100,
       XLOOKUP(E2,$A$2:$A$100,ROW($A$2:$A$100)-ROW($A$2)+1,"なし",0,-1),
       SEQUENCE(1,4))

XLOOKUP の検索モード -1 を使うと、
「最後に一致した値（最新）」を一発で取得できます。

このパターンを覚えておくと、
「最新の1件だけ欲しい」という実務の定番ニーズにすぐ対応できるようになります。