概要
Excelで「月初日」を取得したいときは EOMONTH関数 を応用します。EOMONTHは「指定した月の末日」を返す関数ですが、これに -1 を指定して前月末を求め、その結果に +1 を加えることで「今月の月初日」を導き出せます。シンプルな仕組みですが、月初基準の集計やスケジュール管理にとても役立ちます。
基本の使い方
書式
=EOMONTH(日付, -1)+1
- 日付:基準となる日付(セル参照やTODAYなど)
- -1:前月の末日を取得する指定
- +1:前月末に1日を足すことで月初日を取得
例
=EOMONTH("2025/12/17",-1)+1 // 2025/12/01
具体例
セル参照で月初日を取得
=EOMONTH(A2,-1)+1
A2が「2025/12/17」なら結果は「2025/12/01」。
TODAY関数と組み合わせて今月の月初日を取得
=EOMONTH(TODAY(),-1)+1
今日が「2025/12/17」なら「2025/12/01」。
任意の日付から月初日を求める
=EOMONTH(DATE(2025,7,15),-1)+1
結果は「2025/07/01」。
応用テンプレート
月初から今日までの日数を計算
=TODAY()-(EOMONTH(TODAY(),-1)+1)+1
今月の経過日数を求められます。
月初から月末までの日数を計算
=EOMONTH(TODAY(),0)-(EOMONTH(TODAY(),-1)+1)+1
その月の日数を求められます。
月初日を基準に集計
=SUMIFS(売上範囲,日付範囲,">="&EOMONTH(TODAY(),-1)+1,日付範囲,"<="&EOMONTH(TODAY(),0))
今月分の売上だけを合計できます。
よくあるつまずきと対策
EOMONTHの戻り値は日付
EOMONTHはシリアル値(日付)を返します。表示形式を「日付」にしておくと分かりやすいです。
-1の意味を忘れがち
「-1」は前月末を返す指定です。そこに+1を足すことで月初日になる仕組みを覚えておきましょう。
月初日を固定したい場合
関数は常に動的に計算されます。固定したい場合は「値貼り付け」で保存しましょう。
例題
問題1: A2セルに「2025/12/17」があるとき、その月の月初日をB2に表示してください。
解答例:
=EOMONTH(A2,-1)+1
問題2: 今日の日付から今月の月初日をC2に表示してください。
解答例:
=EOMONTH(TODAY(),-1)+1
問題3: D2セルに「2025/7/15」があるとき、その月の月初日をE2に表示してください。
解答例:
=EOMONTH(D2,-1)+1
問題4: 今月の経過日数をF2に表示してください。
解答例:
=TODAY()-(EOMONTH(TODAY(),-1)+1)+1
問題5: 今月の日数をG2に表示してください。
解答例:
=EOMONTH(TODAY(),0)-(EOMONTH(TODAY(),-1)+1)+1
まとめ
月初日を取得するには EOMONTH(日付,-1)+1 が基本です。前月末に1日を足すというシンプルな仕組みで、月初基準の集計や日数計算が簡単にできます。講師として強調したいのは「月初・月末を押さえると日付処理が一気に楽になる」という点。これを習得すれば、Excelでの月単位の管理や分析が自在になります。
