概要
「端数処理を統一したい」は、実務の Excel で本当によく出てくるテーマです。
同じシートの中で「ここは四捨五入、ここは切り捨て…」とバラバラにしてしまうと、あとから整合性が取れなくなります。
そこで軸になるのが ROUND 系関数(ROUND/ROUNDUP/ROUNDDOWN)を“ルールとして決めてしまう”ことです。
ここでは特に、標準の四捨五入を行う ROUND 関数を中心に、「端数処理を統一する考え方」と「コードのテンプレート」を整理します。
ROUND の基本と「どの桁でそろえるか」
ROUND の書式と意味
=ROUND(数値, 桁数)
数値:丸めたい値
桁数:どの桁で四捨五入するかを指定します。
桁数のイメージは次の通りです。
- 0 → 1 の位で四捨五入(整数にする)
- 1 → 小数第 1 位で四捨五入
- 2 → 小数第 2 位で四捨五入
- -1 → 10 の位で四捨五入
- -2 → 100 の位で四捨五入
たとえば:
=ROUND(1234.56,0) ' → 1235
=ROUND(1234.56,1) ' → 1234.6
=ROUND(1234.56,-1) ' → 1230
「どの桁でそろえるか」を“桁数”で決める、というのが ROUND の基本です。
端数処理を「統一ルール」にする考え方
ルールを文章で決めてから、ROUND に落とし込む
端数処理がバラバラになる原因は、「ルールが数式ではなく“なんとなく”で決まっている」ことが多いからです。
まずは文章で、こんなふうに決めてしまいます。
- 金額は「1 円未満四捨五入」
- 割引率は「小数第 2 位まで四捨五入」
- 集計値は「10 円未満四捨五入」
これをそのまま ROUND に翻訳すると、次のようになります。
- 1 円未満四捨五入 →
ROUND(数値,0) - 小数第 2 位まで →
ROUND(数値,2) - 10 円未満四捨五入 →
ROUND(数値,-1)
「文章のルール → ROUND の桁数」という対応を一度決めてしまえば、
シート全体で同じ書き方を繰り返すだけで“端数処理の統一”が自然に保たれます。
コード例とテンプレート
金額を 1 円単位に統一(1 円未満四捨五入)
税抜・税込・割引後など、どんな計算結果でも「最終的には 1 円単位にそろえたい」なら、最後に必ずこうします。
=ROUND(計算式,0)
例:税込金額(税率 10%)を 1 円未満四捨五入
=ROUND(A2*1.1,0)
A2 が税抜金額です。
小数第 2 位までに統一(%や単価など)
割合や単価などを「小数第 2 位まで」にそろえたい場合は、こうします。
=ROUND(計算式,2)
例:割合計算の結果を小数第 2 位までに統一
=ROUND(A2/B2,2)
10 円単位・100 円単位に統一
「10 円未満は四捨五入して 10 円単位にしたい」なら桁数を -1 にします。
=ROUND(計算式,-1)
「100 円単位にしたい」なら桁数を -2 にします。
=ROUND(計算式,-2)
ROUND 系を組み合わせた“統一パターン”
「計算 → ROUND」で必ず終わらせる
端数処理を統一したいときの鉄則は、「最終結果のセルでは必ず ROUND を通す」ことです。
たとえば、
税抜 → 割引 → 税込 → 最終金額
という流れがあるなら、最終セルはこういう形にします。
=ROUND( 税抜*割引率調整*税率調整 , 0)
中間計算で多少小数が出ても、最後に ROUND で「1 円単位」にそろえる、という考え方です。
これをシート全体で徹底すると、「このセルだけ端数処理が違う」という事故がぐっと減ります。
例題
問題1
セル A2 に「1234.56」という数値が入っています。
この値を「1 円未満四捨五入」して整数にしたいとき、どのような式を書けばよいでしょうか。
問題2
セル A2 に「0.12345」という割合が入っています。
この値を「小数第 2 位まで四捨五入」して表示したいとき、どのような式を書けばよいでしょうか。
問題3
セル A2 に「1234.56」という金額が入っています。
この金額を「10 円未満四捨五入」して 10 円単位にそろえたいとき、どのような式を書けばよいでしょうか。
問題4
税抜金額が A2 に入っており、税込金額(税率 10%)を「1 円未満四捨五入」で求めたいとします。
計算と端数処理を 1 本の式で書いてください。
問題5
次の 2 つの式は、どちらも「A2×1.1」で税込金額を計算していますが、端数処理の扱いが異なります。
それぞれの違いを説明し、「端数処理統一」という観点からどちらを採用すべきか、自分の考えを書いてみてください。
=A2*1.1
=ROUND(A2*1.1,0)
