概要
「累積比率」は、累計を「全体の合計」で割って、
「今、全体の何%まで来ているか」を行ごとに表したものです。
Excel では、
「上からその行までの累計(SUM)」 ÷ 「全体の合計(SUM)」
という形で、SUM/SUM を組み合わせて作ります。
累積比率の考え方
累計と累積比率の関係
まず「累計」があります。
たとえば売上が A 列に並んでいるとき、B 列に累計を作ると、
- B2:1 行目までの合計
- B3:2 行目までの合計
- B4:3 行目までの合計
というふうに、数字が積み上がっていきます。
累積比率は、この累計を「全体の合計」で割ったものです。
累積比率 = その行までの累計 / 全体の合計
これをパーセント表示にすれば、
「ここまでで全体の 35%」「ここまでで全体の 80%」といった見え方になります。
なぜ SUM/SUM なのか
上の式を Excel で書くと、こうなります。
- 分子:
SUM(先頭行:その行)→ 累計 - 分母:
SUM(全範囲)→ 全体の合計
つまり、
=SUM(先頭行:その行) / SUM(全範囲)
という「SUM ÷ SUM」の形になります。
これが「累積比率 → SUM/SUM」という逆引きの意味です。
具体例:A 列の値から累積比率を作る
データの前提
A2:A10 に、カテゴリ別の売上や数量が入っているとします。
ここから、B 列に累計、C 列に累積比率を作る流れを見ていきます。
累計列(B 列)の作成
B2 に、先頭から自分の行までの累計を入れます。
=SUM($A$2:A2)
これを B3、B4…と下にコピーすると、
- B2:A2 のみ
- B3:A2:A3 の合計
- B4:A2:A4 の合計
というように、きれいな累計列ができます。
累積比率列(C 列)の作成
C2 には、「その行までの累計 ÷ 全体の合計」を入れます。
=B2 / SUM($A$2:$A$10)
これを C3、C4…と下にコピーすると、
- C2:1 行目までの累積比率
- C3:2 行目までの累積比率
- C4:3 行目までの累積比率
というように、「ここまでで全体の何%か」が行ごとに並びます。
セルの表示形式を「パーセンテージ」にすれば、見た目もわかりやすくなります。
累積比率と並べ替え(パレート図のイメージ)
大きい順に並べてから累積比率を出す
「どの要素が全体にどれだけ効いているか」を見るときは、
A 列を大きい順に並べ替えてから累計・累積比率を出すと、いわゆる「パレート分析」の形になります。
上から順に、
「ここまでで 40%」「ここまでで 70%」「ここまでで 90%」
といった累積比率を見ることで、
「上位いくつかが全体の大部分を占めている」といった構造が一目でわかります。
コードテンプレート集
A 列の値から累計と累積比率を作る
累計(B2):
=SUM($A$2:A2)
累積比率(C2):
=B2 / SUM($A$2:$A$10)
あとは B2・C2 を下にコピーすれば、A2:A10 の全行について、
「累計」と「累積比率」が自動で並びます。
例題
問題1
A2:A10 にカテゴリ別の売上が入っています。
B 列に累計、C 列に累積比率を作りたいとします。
- B2 に「先頭から自分の行までの累計」を計算する式を書いてください。
- C2 に「B2 を使って累積比率(全体に対する割合)」を計算する式を書いてください。
問題2
A2:A6 に「10, 20, 30, 40, 50」という値が入っています。
B 列に累計、C 列に累積比率を作ったとき、C2〜C6 の値はそれぞれいくつになるでしょうか。
(小数のままでも、パーセントに直しても構いません)
問題3
累積比率を計算するとき、分母の SUM($A$2:$A$10) を絶対参照($付き)にしておく理由を説明してください。
もし $ を付けずに SUM(A2:A10) と書いて下にコピーした場合、どのような問題が起こるでしょうか。
問題4
A 列に金額、B 列に累計、C 列に累積比率を作り、C 列をパーセント表示にしました。
このとき、C 列の値を使って「全体の 80%に達するのは何行目か」を目で確認すると、どのような分析ができるでしょうか。
あなたなりの言葉で、「累積比率を見る意味」を説明してください。
問題5
次の 2 つの式は、どちらも「割合」を計算しています。
=A2 / SUM($A$2:$A$10)
=SUM($A$2:A2) / SUM($A$2:$A$10)
それぞれが表している意味の違いを説明してください。
特に、後者が「累積比率」と呼ばれる理由を、自分の言葉で整理してみてください。
