Excel関数 逆引き集 | 負数補正 → ABS

Excel
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概要

「負数補正」としての ABS 関数は、マイナスを強制的にプラスにそろえるための道具だと思ってください。
ABS は「絶対値」を返す関数で、負の数は符号を外して正の数に、正の数と 0 はそのまま返します。
「マイナスは扱いたくない」「差分の大きさだけ知りたい」「増減を全部プラスで比較したい」といった場面で、とてもよく使います。


ABS 関数の基本

書式と動き

ABS の書式はとてもシンプルです。

=ABS(数値)

数値に指定したセルや数式の結果に対して、「絶対値」を返します。

  • 数値が 10 → 結果は 10
  • 数値が -10 → 結果は 10

というように、「0 からの距離」だけを取り出すイメージです。
文字列など数値でないものを渡すと #VALUE! エラーになります。


負数補正としての典型パターン

マイナスをすべてプラスにそろえる

たとえば、B 列にプラスとマイナスが混在していて、「とにかく全部プラスとして扱いたい」場合、C 列にこう書きます。

=ABS(B2)

これで、B2 が 100 でも -100 でも、C2 には 100 が入ります。
「符号を無視して大きさだけ見たい」ときの、いちばん素直な“負数補正”です。

差分の「大きさ」だけを見たい

「実績 − 予算」のような差分は、プラスなら超過、マイナスなら未達を意味しますが、
「どれくらいズレているか」という“ズレの大きさ”だけを見たいときは、ABS をかませます。

=ABS(実績セル-予算セル)

たとえば、実績 120、予算 100 → 差分 20
実績 80、予算 100 → 差分 -20
どちらも ABS を通せば 20 になり、「ズレの大きさ」を同じ土俵で比較できます。


応用的な負数補正の使い方

減点・ペナルティを「プラスの点数」に変換する

テストや評価で、「マイナス点」を扱うとき、集計用にはプラスの値にそろえたいことがあります。
たとえば、C 列に「減点(マイナス値)」が入っている場合、D 列にこう書けば「減点の大きさ」をプラスで扱えます。

=ABS(C2)

これで、-5 点も -3 点も、それぞれ 5、3 として集計できます。
「マイナスは方向、ABS は大きさ」と割り切ると、設計が楽になります。

ROUND など他の関数と組み合わせる

ABS は、他の関数と組み合わせて「符号を無視した処理」をしたいときにも使えます。
たとえば、「誤差の大きさを四捨五入して表示したい」なら、こう書けます。

=ROUND(ABS(実測値-理論値),2)

これで、「誤差の向き(プラスかマイナスか)」ではなく、「誤差の大きさ」を小数第 2 位まででそろえて表示できます。


例題

問題1

セル B2 に、プラスとマイナスが混在する数値が入っています。
「B2 の値を、符号に関係なく“プラスの値”として C2 に表示したい」とき、C2 にはどのような式を書けばよいでしょうか。
また、その式が「B2 が 10 のとき」「B2 が -10 のとき」にそれぞれどんな結果を返すか、言葉で説明してください。

問題2

セル A2 に「実績」、B2 に「予算」が入っています。
「実績と予算の差の“ズレの大きさ”だけを C2 に表示したい」とき、どのような式を書けばよいでしょうか。
実績が 120、予算が 100 のときと、実績が 80、予算が 100 のとき、それぞれ C2 がいくつになるかも答えてください。

問題3

C 列に「減点(マイナス値)」が入っており、D 列に「減点の大きさ(プラス値)」を表示したいとします。
D2 に書くべき式を答え、その式を下方向にコピーするとどのような表になるか、イメージを説明してください。

問題4

セル A2 に「実測値」、B2 に「理論値」が入っています。
「誤差の大きさ」を小数第 2 位まで四捨五入して C2 に表示したいとき、ABS と ROUND を組み合わせてどのような式を書けばよいでしょうか。
また、その式が「誤差の向き」をどう扱っているかも説明してください。

問題5

次の 2 つの式は、どちらも「A2−B2」を計算していますが、結果の意味が異なります。

=A2-B2
=ABS(A2-B2)

それぞれが「何を表しているか」を言葉で説明し、「負数補正」という観点から、どちらを使うべき場面が多いか、自分の考えを書いてみてください。

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