Excel関数 逆引き集 | 近似直線 → TREND

Excel
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概要

「近似直線」は、バラバラに散らばったデータに対して「一番それっぽく通る直線」を当てはめる考え方です。
Excel の TREND 関数は、その直線に基づいて「既存データの流れ(トレンド)をなぞる値」や「未来の予測値」を返してくれる関数です。
LINEST が「直線の式そのもの(傾き・切片)」を返すのに対して、TREND は「その直線上の y の値」を返す、というイメージです。


TREND 関数の基本

構文と意味

TREND の基本構文は次のとおりです。

=TREND(既知のy, 既知のx, [新しいx], [定数])
  • 既知のy:実際に観測された y の値(売上、点数など)の範囲
  • 既知のx:そのときの x の値(年月、広告費、勉強時間など)の範囲
  • 新しいx:予測したい x(未来の月、別の広告費など)の範囲
  • 定数:切片を計算に含めるかどうか(省略または TRUE で「含める」)

「既知の x と y から最もよく当てはまる直線を作り、その直線上の y を返す」のが TREND です。


一番シンプルな使い方(既存データのトレンドをなぞる)

データの前提

次のような表を考えます。

A 列:月(1,2,3,4,5 … のような連番でも OK)
B 列:売上

A2:A7 に 1〜6、B2:B7 に 6 ヶ月分の売上が入っているとします。

既存の x に対する「直線上の y」を求める

「この 6 ヶ月の売上に、一番よく当てはまる直線上の値」を B 列と同じ x で求めたい場合、
C2:C7 に次のように入力します(新しい Excel なら C2 にだけ入力すればスピルします)。

=TREND($B$2:$B$7,$A$2:$A$7)

これで、C2:C7 に「近似直線上の売上」が並びます。
B 列が実測値、C 列が「直線でならした値」というイメージです。


未来の値を予測する(新しい x を指定)

7 ヶ月目以降を予測する

同じデータで、「7 ヶ月目、8 ヶ月目の売上を直線で予測したい」とします。
A8:A9 に 7,8 と入力しておき、C2:C9 にトレンド値を出したい場合、C2 に次のように書きます。

=TREND($B$2:$B$7,$A$2:$A$7,$A$2:$A$9)

ここで、

  • 既知の y:B2:B7(実測の売上)
  • 既知の x:A2:A7(1〜6 ヶ月目)
  • 新しい x:A2:A9(1〜8 ヶ月目)

となっています。
C2:C7 には「1〜6 ヶ月目の近似直線上の値」、C8:C9 には「7・8 ヶ月目の予測値」が入ります。

「未来の月だけ」に出したいなら、新しい x を A8:A9 だけにして、C8:C9 にだけ TREND を書くこともできます。

=TREND($B$2:$B$7,$A$2:$A$7,$A8)

と C8 に書き、C9 にコピーすれば、7 ヶ月目・8 ヶ月目だけの予測値が出ます。


日付や年月を x に使うときの考え方

日付も「数値」として扱われる

Excel の日付はシリアル値(連番)なので、そのまま x として使えます。
たとえば、

A 列:日付(2025/1/1, 2025/2/1, …)
B 列:月次売上

というデータでも、TREND の既知の x に A 列を指定して構いません。

=TREND($B$2:$B$13,$A$2:$A$13,$A$14)

と書けば、「A14 の日付に対する近似直線上の売上」が返ってきます。
見た目は日付でも、中身は数値なので、TREND は普通に計算してくれます。


LINEST との違いと使い分け

LINEST は「式」、TREND は「値」

ざっくり言うと、

  • LINEST:直線の「傾き m」と「切片 b」を知りたいとき
  • TREND:その直線上の「y の値」を直接知りたいとき

に使います。

たとえば、「売上=m×月+b」という式そのものをレポートに書きたいなら LINEST
「来月の売上はいくらくらい?」と具体的な数字が欲しいなら TREND、というイメージです。

TREND は内部で回帰直線を計算してくれるので、ユーザーは「x と y の範囲」と「予測したい x」だけを渡せばよく、
「傾きや切片をセルに出してから自分で y=mx+b を書く」という手間を省けます。


例題

問題1

A2:A7 に 1〜6(1 ヶ月目〜6 ヶ月目)、B2:B7 に 6 ヶ月分の売上が入っています。
この 6 ヶ月のデータに対して、「近似直線上の売上」を C2:C7 に表示したいとき、C2 に書くべき TREND の式を答えてください。
また、その式を C7 までコピーすると、C 列にはどのような値が並ぶかを言葉で説明してください。

問題2

同じデータで、「7 ヶ月目と 8 ヶ月目の売上を直線で予測したい」とします。
A8:A9 に 7,8 と入力してある前提で、C8 に「7 ヶ月目の予測値」を出す TREND の式を書いてください。
そのうえで、C9 にコピーすると何が起こるかを説明してください。

問題3

A2:A13 に「各月の月初日(2025/1/1〜2025/12/1)」、B2:B13 に「月次売上」が入っています。
A14 に「2026/1/1」が入っているとき、A14 の月の売上を TREND で予測する式を書いてください。
また、「日付をそのまま x に使ってもよい理由」を、シリアル値というキーワードを使って説明してください。

問題4

LINESTTREND はどちらも「直線で近似する」関数ですが、
「式そのものが欲しいとき」と「予測値だけ欲しいとき」で、どちらを選ぶべきかを自分の言葉で整理してみてください。
特に、「レポートに載せるとき」「ダッシュボードで毎月の予測を出すとき」の違いをイメージしてみてください。

問題5

TREND は「直線」で近似する関数です。
しかし、現実のデータには「明らかに直線では説明しづらい」ものもあります。
あなたが思いつく例を 1 つ挙げ、そのようなデータに対して TREND を使うときに、どんな注意が必要かを考えて書いてみてください。

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