概要
通貨換算は、Excel では「金額 × 為替レート」という、とてもシンプルな掛け算で表現できます。
難しい関数は不要で、*(アスタリスク)を使った普通の数式だけで十分です。
大事なのは、
「どの通貨からどの通貨へ」「どのセルにレートを置くか」をきちんと決めて、
“レートを掛けるだけの形”に整理してあげることです。
通貨換算の基本(掛け算の考え方)
円 → ドルの例
例えば、
「1 ドル = 150 円」というレートで、
日本円(JPY)から米ドル(USD)に換算したいとします。
このときの考え方はこうです。
- 円 → ドル:
ドル金額 = 円金額 ÷ 為替レート(円/ドル)
Excel では、例えば:
- A2:円金額(例:15000)
- D1:為替レート(例:150)
とした場合、ドル金額を出す式はこうなります。
=A2/$D$1
$D$1 と絶対参照にしておくと、下にコピーしてもレートのセルが固定されます。
ドル → 円の例
逆に、ドルから円に換算する場合はこうです。
- ドル → 円:
円金額 = ドル金額 × 為替レート(円/ドル)
A2 にドル金額、D1 にレート(円/ドル)があるなら:
=A2*$D$1
となります。
通貨換算のテンプレート
「元の通貨 × レート」で考える
通貨換算は、基本的に次のどちらかです。
- 元の通貨 × レート = 変換後の通貨
- 元の通貨 ÷ レート = 変換後の通貨
どちらを使うかは、「レートをどう定義しているか」で決まります。
レートを「1 ドル=何円」として持つ場合
- 円 → ドル:
ドル = 円 ÷ レート - ドル → 円:
円 = ドル × レート
レートを「1 円=何ドル」として持つ場合
- 円 → ドル:
ドル = 円 × レート - ドル → 円:
円 = ドル ÷ レート
どちらの定義にするかを最初に決めて、シート全体で統一するのがコツです。
コード例(実務イメージ)
円 → ドル換算表
前提:
- A 列:円金額(JPY)
- B 列:ドル金額(USD)を計算したい
- D1:為替レート(円/ドル)例:150
B2 に次の式を入れ、下にコピーします。
=A2/$D$1
これで、A 列の円金額が、B 列にドル換算されて並びます。
ドル → 円換算表
前提:
- A 列:ドル金額(USD)
- B 列:円金額(JPY)を計算したい
- D1:為替レート(円/ドル)例:150
B2 に次の式を入れ、下にコピーします。
=A2*$D$1
通貨換算でよく使うテクニック
レートをセルにまとめておく
為替レートは、必ずどこか 1 か所のセルにまとめておくのがおすすめです。
例えば:
- D1:USD→JPY レート
- D2:EUR→JPY レート
などとしておけば、数式は常に「金額 × $D$1」のように書けます。
レートが変わったときも、D1 の値を変えるだけで、換算結果が一括で更新されます。
通貨記号は「表示形式」で付ける
数式の中に「円」や「$」を文字として入れる必要はありません。
セルの表示形式で「通貨」「会計」などを選び、通貨記号を設定します。
計算はあくまで「数値 × レート」で行い、
見た目の通貨記号は表示形式でコントロールする、という分業にするとシートがきれいになります。
例題
問題1
セル A2 に「15000」(円)、セル D1 に「150」(1 ドル=150 円)が入っています。
A2 の金額をドルに換算して B2 に表示したいとき、B2 にどのような式を書けばよいでしょうか。
(ヒント:円 → ドルは「円 ÷ レート」です)
問題2
セル A2 に「200」(ドル)、セル D1 に「150」(1 ドル=150 円)が入っています。
A2 の金額を円に換算して B2 に表示したいとき、B2 にどのような式を書けばよいでしょうか。
(ヒント:ドル → 円は「ドル × レート」です)
問題3
A 列に複数の円金額が並んでいて、B 列にドル換算結果を表示したいとします。
為替レートは D1 に入っており、B2 に式を入れて下にコピーしたい場合、
レートのセルをどのように指定すればよいでしょうか。
(ヒント:絶対参照 $D$1 を使います)
問題4
レートを「1 円=0.0067 ドル」のように「円→ドル」で持っている場合、
A2 の円金額をドルに換算する式はどのように書けばよいでしょうか。
(ヒント:「元の通貨 × レート」になるように考えます)
問題5
通貨換算の数式の中に「円」や「$」といった文字を直接入れてしまうと、
どのようなデメリットがあるか、1 つ挙げて説明してください。
(ヒント:数値として計算できるかどうか、表示形式との役割分担を考えてみてください)
