概要
PROPER関数は「文字列の各単語の頭文字を大文字にし、残りを小文字にする」関数です。英字の入力で全部大文字や全部小文字になってしまった場合でも、PROPERを使えば見やすい“タイトル形式”に整えられます。日本語や数字はそのまま残り、英字だけが対象になります。名前や地名、タイトルを整えるときに便利です。
基本の使い方
書式
=PROPER(文字列)
例
=PROPER("excel master") // "Excel Master"
=PROPER("HELLO WORLD") // "Hello World"
=PROPER("abc123") // "Abc123"
=PROPER(A2) // A2セルの文字列を頭文字だけ大文字に
具体例
名前の表記を整える
=PROPER(B2)
「yamada taro」→「Yamada Taro」。入力がバラバラでも見やすい表記に統一できます。
商品名やタイトルを整える
=PROPER(C2)
「excel function guide」→「Excel Function Guide」。資料やレポートの見出しに最適です。
メールアドレスのユーザー名部分を整える(英字のみ)
=PROPER(D2)
「john.smith」→「John.Smith」。ただしメールアドレスは通常小文字で扱うため、見た目を整える用途に限ります。
応用テンプレート
TRIMと組み合わせて余分なスペースを削除後に整形
=PROPER(TRIM(E2))
余分なスペースを取り除いてから頭文字を大文字にすることで、よりクリーンなデータになります。
LEFTやRIGHTと組み合わせて部分的に整形
=PROPER(LEFT(F2,10)) & RIGHT(F2,LEN(F2)-10)
先頭部分だけタイトル形式にして残りはそのまま。
SUBSTITUTEと組み合わせて特定語を整形
=SUBSTITUTE(PROPER(G2),"Excel","EXCEL")
基本は頭文字だけ大文字にしつつ、特定語は完全大文字に置き換えます。
よくあるつまずきと対策
日本語や数字は変換されない
PROPERは英字のみ対象です。日本語や数字はそのまま残ります。
単語の区切りはスペースや記号
スペースやハイフンで区切られた部分の頭文字が大文字になります。「excel-function」→「Excel-Function」。
全部大文字にしたい場合はUPPER
タイトル形式ではなく完全に大文字にしたい場合はUPPERを使います。
全部小文字にしたい場合はLOWER
逆にすべて小文字にしたい場合はLOWERを使います。
例題
問題1: A2セルの文字列「yamada taro」を頭文字だけ大文字にしてB2に表示してください。
解答例:
=PROPER(A2)
問題2: C2セルの文字列「excel function guide」をタイトル形式にしてD2に表示してください。
解答例:
=PROPER(C2)
問題3: E2セルの文字列から余分なスペースを削除し、頭文字を大文字にしてF2に表示してください。
解答例:
=PROPER(TRIM(E2))
問題4: G2セルの文字列「HELLO WORLD」をタイトル形式にしてH2に表示してください。
解答例:
=PROPER(G2)
問題5: I2セルの文字列「excel-function」から頭文字を大文字にしてJ2に表示してください。
解答例:
=PROPER(I2)
まとめ
PROPERは「英字の各単語の頭文字を大文字にし、残りを小文字にする」関数です。名前やタイトル、商品名などを見やすく整えるのに最適です。日本語や数字はそのまま残るため、英字中心のデータに活用しましょう。講師として強調したいのは「UPPER・LOWER・PROPERの違いを理解して使い分ける」こと。これを押さえれば、文字列処理の表記統一が自在にできるようになります。
