概要
「国際規格の週番号(ISO 8601)」を取りたいなら、ISOWEEKNUM関数が最短です。ISO週は“月曜始まり”、かつ「年内で最初の木曜を含む週」が“Week 1”になるため、年末年始で週番号や“属する年”が通常のWEEKNUMと異なる場合があります。ISOWEEKNUMはこの定義で 1〜53 の週番号を返します。
基本の使い方
書式
=ISOWEEKNUM(日付)
- 戻り値は ISO 週番号(1〜53)。
- 週の始まりは“月曜固定”、週番号の境界は ISO ルールに従います。
例
=ISOWEEKNUM("2025/12/29") // 例: 52 など(年によって変動)
=ISOWEEKNUM(A2) // A2のISO週番号
具体例
セル参照でISO週番号を取得
=ISOWEEKNUM(A2)
A2がどの ISO 週に属するかを返します(週は月曜始まり)。
「Week XX」ラベルで表示(ゼロ埋め)
="Week " & TEXT(ISOWEEKNUM(B2),"00")
「Week 01〜Week 53」のラベルを簡単に作成。
ISO週の“週初(月曜)”と“週末(日曜)”を求める
週初: =C2 - WEEKDAY(C2,2) + 1
週末: =C2 - WEEKDAY(C2,2) + 7
ISOWEEKNUMの週と同じ“月曜〜日曜”の期間を得られます。
応用テンプレート
ISO週“年(週年)”を求めて「YYYY-Www」形式で表示
ISO週番号は年末年始で“属する年”がズレるため、ISO週年の推定が必要です。一般的な式は下記。
=YEAR(A2 - WEEKDAY(A2,2) + 4) & "-W" & TEXT(ISOWEEKNUM(A2),"00")
「2025-W01」のような表示に。
月内すべての日付のISO週番号を一覧化(Microsoft 365)
=LET(
d, EOMONTH(TODAY(),-1)+1,
n, DAY(EOMONTH(TODAY(),0)),
dates, SEQUENCE(n,,d),
HSTACK(dates, ISOWEEKNUM(dates))
)
左に日付、右にISO週番号を並べます。
ISO週ごとに売上を集計(ヘルパー列)
ヘルパー列にISO週番号を付与:
=ISOWEEKNUM(A2)
週番号Xの合計(売上がD列、日付がA列):
=SUMIF($B$2:$B$100, X, $D$2:$D$100)
(B列をISO週番号のヘルパーに)
よくあるつまずきと対策
WEEKNUMとの違いで混乱する
WEEKNUM(…,2)は“月曜始まり”でも“週1の定義”がISOと異なります。年末年始の週番号がズレるため、国際運用やシステム連携はISOWEEKNUMを優先してください。
週に属する“年”の扱い
12/31が翌年のWeek 1になるなど、“暦年”と“ISO週年”は一致しない場合があります。表示や集計のキーは「ISO週年+ISO週番号」で作ると安定します(前述の式参照)。
文字列日付での誤解釈
“YYYY/MM/DD” の文字列は環境差でうまく解釈されないことがあります。セルを日付として入力する、または DATE(年,月,日) を使って生成してください。
週の期間計算はWEEKDAY(…,2)で揃える
ISO週の期間(週初・週末)は“月曜始まり”の前提で WEEKDAY(…,2) を使えば一貫します。
例題
問題1: A2の日付のISO週番号をB2に表示してください。
=ISOWEEKNUM(A2)
問題2: C2の日付のISO週番号を「Week 01〜」のラベルでD2に表示してください。
="Week " & TEXT(ISOWEEKNUM(C2),"00")
問題3: E2の日付のISO週“年-週”を「YYYY-Www」でF2に表示してください。
=YEAR(E2 - WEEKDAY(E2,2) + 4) & "-W" & TEXT(ISOWEEKNUM(E2),"00")
問題4: G2の日付が属するISO週の“週初(月曜)”と“週末(日曜)”をH2とI2に表示してください。
週初:
=G2 - WEEKDAY(G2,2) + 1
週末:
=G2 - WEEKDAY(G2,2) + 7
問題5: A2:A100の売上(B列)をISO週番号で集計したい。週番号のヘルパー列(C列)を作り、週番号Xの合計をD2に表示してください。
ヘルパー列:
=ISOWEEKNUM(A2)
合計:
=SUMIF($C$2:$C$100, X, $B$2:$B$100)
まとめ
ISOWEEKNUMは“月曜始まり+ISOの週1定義”に基づく週番号を返すため、国際規格の運用に最適です。表示にはゼロ埋め、週年は YEAR(日付 − WEEKDAY(日付,2) + 4) で推定、週の期間はWEEKDAY(…,2)で算出——この組み合わせを押さえれば、年末年始をまたぐ週次レポートでもブレないキー設計ができます。

