主な内容の要点
1. エスケープシーケンスとは
- 文字列リテラル中では、普通に入力できない文字(改行・タブなど)を表現するために「エスケープシーケンス」が使われる。
- エスケープシーケンスは バックスラッシュ (
\) と特定の文字を組み合わせて書く。 - 例えば、改行を表すには
\nを使う。文字列中に直接改行を入れると構文的に正しく扱われない。 - 例:
let msg = 'こんにちは。\n今日は天気がいいですね。';
console.log(msg);
// → こんにちは。
// 今日は天気がいいですね。
JavaScript2. よく使われるエスケープシーケンスの一覧
JavaScript で使える代表的なエスケープシーケンス。
| エスケープシーケンス | 意味/用途 |
|---|---|
\b | バックスペース |
\t | 水平タブ |
\v | 垂直タブ |
\n | 改行 |
\r | 復帰(キャリッジリターン) |
\f | 改ページ(フォームフィード) |
\' | シングルクォーテーション(') |
\" | ダブルクォーテーション(") |
\` | バッククォート(テンプレートリテラル内などで必要な場合) |
\\ | バックスラッシュ自体を表す |
\0 | NULL 文字(文字コード 0) |
\xXX | 2 桁の16進数で指定する Latin-1 文字 |
\uXXXX | 4 桁の16進数で指定する Unicode 文字 |
\u{XXXXXX} | コードポイントで Unicode 文字を指定(ES6/ES2015 以降) |
- 文字列リテラル中でクォート(シングル/ダブル/バッククォート)を使いたい場合、その種類に応じて
\'、\"、\`を使う。 - バックスラッシュ自体を文字として出力したいときは
\\と記述する。 - 16 進数指定の例:
let msg1 = '\x48\x65\x79'; // → "Hey"
let msg2 = '\u82b1\u675f'; // → "花束"
let msg3 = '\u{57FA}\u{790E}'; // → "基礎" (ES6 以降)
JavaScript3. 補足・注意点
\u{XXXXXX}の形式は、ECMAScript 2015(ES6)以降で導入された機能である。- エスケープシーケンスは、文字列リテラルの内部で “特殊な意味を持つ文字を安全に表す” 手段として不可欠である。
- 文字列中に記号や制御文字を混在させる際には、適切なエスケープ記法を使うことで予期せぬ構文エラーを避けられる。
