break とは何か
break は「ここで処理を打ち切って抜ける」という命令です。主に switch 文 や ループ(for, while) の中で使われます。これがないと、意図しない処理が続いてしまうことがあります。初心者が最初に出会うのは switch 文の中での break です。
switch 文における break の役割
switch 文では、case に一致するとその部分から処理が始まります。もし break を書かないと、次の case にも処理が流れてしまいます。これを「フォールスルー」と呼びます。
const color = "red";
switch (color) {
case "red":
console.log("赤です");
break;
case "blue":
console.log("青です");
break;
default:
console.log("その他の色です");
}
JavaScriptこの例では、color が "red" なので「赤です」と表示され、break によって switch 文を抜けます。
break を忘れた場合の挙動
break を書き忘れると、次の case まで処理が続いてしまいます。
const color = "red";
switch (color) {
case "red":
console.log("赤です");
case "blue":
console.log("青です");
default:
console.log("その他の色です");
}
JavaScript結果は「赤です」「青です」「その他の色です」と全部出てしまいます。これが意図しないバグにつながることが多いので、基本的には case ごとに break を書くのが安全です。
ループにおける break の役割
ループの中で break を使うと、条件に当てはまった時点でループを終了できます。
for (let i = 1; i <= 5; i++) {
if (i === 3) {
break; // i が 3 のときループを終了
}
console.log(i);
}
JavaScriptこの場合、1 と 2 だけが表示され、3 に到達した時点でループを抜けます。
実用例で理解する
例題1:メニュー選択
const choice = 2;
switch (choice) {
case 1:
console.log("メニュー1を選びました");
break;
case 2:
console.log("メニュー2を選びました");
break;
case 3:
console.log("メニュー3を選びました");
break;
default:
console.log("不正な選択です");
}
JavaScriptchoice が 2 なので「メニュー2を選びました」と表示され、そこで終了します。
例題2:検索で最初に見つかったら終了
const items = ["apple", "banana", "orange"];
for (let i = 0; i < items.length; i++) {
if (items[i] === "banana") {
console.log("バナナを見つけました");
break; // 見つかったらループ終了
}
}
JavaScript最初に「banana」を見つけた時点でループを抜けるので、無駄な処理をしません。
まとめ
breakは「処理をそこで打ち切る」ための命令。- switch 文では、case ごとに処理を終えるために使う。
- ループでは、条件を満たしたら途中で抜けるために使う。
- 書き忘れると意図しない処理が続いてしまうので、基本は case ごとに
breakを入れる。
初心者は「break は処理を止めて外に出る」と覚えると理解しやすいです。
