Python | 関数:標準ライブラリを見る方法

Python
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概要(標準ライブラリは「電池付き」=追加インストールなしで使える便利な道具箱)

Pythonはインストール直後から大量の便利モジュールを同梱しています。数学計算、日付時刻、ファイル操作、文字列処理などが「importするだけ」で使えます。これは「電池付属(batteries included)」という設計思想で、初心者でも少ないコードで実用的な処理を書けるのが強みです。主要なモジュールには os、sys、datetime、time、math、random、json、csv、re などがあり、幅広い用途をカバーします。


標準ライブラリとは(追加インストール不要で幅広い機能)

標準ライブラリは、Python本体に最初から含まれている公式モジュール群の総称です。ファイルやディレクトリの操作(os)、実行環境の情報(sys)、日付と時刻(datetime)、時間計測(time)、数学関数(math)、乱数(random)、JSONやCSVの読み書き(json、csv)、正規表現(re)、タイムゾーン(zoneinfo)などを網羅しています。これらはネット接続や外部インストールなしで利用可能です。初心者は「まず標準ライブラリでできないか」を考えるクセをつけると、信頼性・保守性の高いコードになりやすいです。


調べる基本の4手段(help、dir、pydoc、ソースと配置)

help() で「公式説明」をその場で読む

対話環境やスクリプトで help(モジュールや関数) を呼ぶと、概要・使い方・引数などの説明が出ます。たとえば help(datetime) を実行すると、クラスや関数の一覧と簡潔な説明にアクセスできます。標準ライブラリはドキュメントが整っているため、まず help を試すのが近道です。

dir() で中身の一覧を確認する

dir(module) は、そのモジュールが公開している属性名(関数、クラス、定数)を一覧します。迷ったら dir で「何があるか」を俯瞰し、興味のある名前を help で深掘りする流れが効率的です。

pydoc(コマンド)でドキュメントを閲覧する

ターミナルで python -m pydoc <名前> を実行すると、同じドキュメントをコンソール表示できます。python -m pydoc -k “date” のようなキーワード検索も可能です。環境によってはローカルHTMLサーバとして閲覧することもできます。

ソース配置と探索経路を知る(file と sys.path)

多くの純Pythonモジュールは module.file にファイルパスを持つため、開いて実装を読むこともできます。また、import がどこを探すかは sys.path で確認できます。標準ライブラリはインストール時に所定のディレクトリへ配置され、そこから読み込まれます。


まず触ってみる実例(短いコードで手触りを掴む)

math と random(計算と乱数)

import math, random

print(math.pi, math.sqrt(9))    # 円周率と平方根
print(random.choice(["A", "B"]))# ランダム選択
Python

数学や乱数は学習初期の定番。外部ライブラリなしで高品質に使えます。

datetime と zoneinfo(日時とタイムゾーン)

from datetime import datetime
from zoneinfo import ZoneInfo

now_jst = datetime.now(ZoneInfo("Asia/Tokyo"))
print(now_jst.isoformat())
Python

日時操作は標準で強力。タイムゾーンも zoneinfo がサポートします。

pathlib と os(ファイル・ディレクトリ)

from pathlib import Path
import os

p = Path("data") / "input.csv"
print(p.exists(), os.getcwd())
Python

ファイル操作はまず pathlib(高レベル)を試し、必要に応じて os を組み合わせます。

json と csv(データ入出力)

import json, csv

data = {"a": 1}
s = json.dumps(data)
rows = [["name", "qty"], ["coffee", 2]]
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構造化データの基本的な入出力は標準で十分に対応できます。


迷ったときの選び方(どの標準モジュールを使うか)

初心者は用途から逆引きしましょう。ファイル・ディレクトリなら pathlib/os、日付時刻なら datetime/zoneinfo、数値計算は math、乱数は random、文字列処理は re(正規表現)や str メソッド、データ変換は json/csv。広くカバーする標準ライブラリが「電池付属」の強みで、まずここに当たるのが合理的です。


よくあるつまずきへの対策(外部と標準の線引き)

「標準で足りるのに外部ライブラリを入れてしまう」「逆に標準にない高度機能を無理に自作する」——どちらも学習の停滞要因です。まず標準ライブラリを確認し、なければ外部ライブラリを検討する順序を守ると、設計の見通しが良くなります。


まとめ

標準ライブラリは、Pythonの「電池付属」思想を体現する公式道具箱です。まずは help と dir で手早く全体像を掴み、pydoc で詳しく確認し、file や sys.path で実体と探索を理解する。用途に応じて math、random、datetime、pathlib、os、json、csv、re など定番を選べば、初心者でも短いコードで実用的な処理に到達できます。この習慣が、無駄な自作や過剰な外部依存を避け、学習と実務の両方を加速させます。

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